世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) ホームページの立上げ ―ネットワーク形成を目的として―

キング・サウード大学
青沼国夫 ・ 大和田泰隆

キング・サウード大学の日本語コースは今年で12年目を迎えます。開講当初数名でスタートした学生数も今や50名を越えるようになりました。今年度もまた学生数が増え、教える科目数も多く、授業のコマ数は教員一人あたり20時間以上を担当しています。派遣専門家もたくさんの授業を担当しながら日本語コース運営に力を注いでいます。

ホームページ

キング・サウード大学日本語プログラムの教員たちで1月からホームページを運営しています。これは学外の方への広報のほか、学生・OBへの情報公開と交流を目的に作成しました。しかしまだまだ認知度が低く、このホームページが盛んに利用されているという状況ではありません。いずれはこのホームページを中心に学生や教員、そしてOBや離任した教員たちのネットワークが形成できればと考えています。そのためにももっと利用しやすいホームページとなるよう今後も改変を重ねていかねばと思っています。

http://www.geocities.jp/kingsaudjapan/index

第2回弁論大会の実施

第2回スピーチ大会「発表者紹介」の写真
第2回スピーチ大会 「発表者紹介」

昨年度日サ交流50周年を記念して日本大使館主催第1回弁論大会がキング・サウード大学のホールで行われましたが、今年も同様にして第2回目が開催されました。訪日を果たした学生による日本体験談やサウジ国内の社会問題に切りこんだテーマで9名の学生が熱弁を振るいました。日本大使館、日本貿易振興機構(JETRO)、国際協力機構(JICA)、日本人学校、日本人会などから審査員を迎え約60名の聴衆の前で日頃の努力の成果を披露しました。論旨の明瞭さや流暢さなど昨年を上回るできであるという評価を頂きました。

日本人学校交流会

恒例となった日本人学校との交流会には今年3レベル(1年半の学習歴)と4レベル(2年の学習歴)の学生が中心となって発表や交流を行いました。日本人学校の生徒諸君は折り紙や書道、俳句などを披露しました。また、日本の服装史を紹介しました。サウジ人学生はサウジの伝統的ゲームを7つ紹介し、日本の子供たちと一緒に遊びました。またアラビック・コーヒーの作り方を紹介し、子供たちや保護者の方々にも飲んでもらいました。最後は保護者の方による焼き鳥、たこ焼き、かき氷をいただきながら歓談をしました。日々机に向かっての学習ばかりで行事の少ない彼らにとっては、貴重な異文化体験の機会となっています。

今後の課題

宗教的、社会的規制の多いこの国では日本語教育の活動も制限されることが多いのですが、学生たちの強い好奇心と物怖じせず目標に向かう姿勢が日本語学習を充実させたものにしています。これらの学生の期待に応えるためにも、講師の体制を確立し、よりニーズに応えられるカリキュラム編成を行っていくことが求められています。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
キング・サウード大学は、1994年に言語翻訳学部に日本語講座が開設された。今のところ湾岸諸国の中で唯一、日本語を専門的に学べる教育機関であることから、湾岸諸国、ひいてはアラブ諸国における日本語教育の中核を担う役割を期待されている。また、同大学日本語講座は、言語翻訳学部の中に位置づけられていることから、日本語を通して全般的な日本理解を深めるというよりは、翻訳や通訳など実務的な人材育成を主眼としていることも特徴のひとつである。専門家及びジュニア専門家は日本語講座での日本語授業、カリキュラム・教材作成に対する助言を行う。
ロ.派遣先機関名称 キング・サウード大学
King Saud University
ハ.所在地 P.O.Box 87907, Riyadh 11652, Kingdom of Saudi Arabia
ニ.国際交流基金派遣者数 専門家1名、ジュニア専門家1名
ホ.日本語講座の所属学部、
  学科名称
言語翻訳学部・アジア言語学科
ヘ.日本語講座の概要
(イ)沿革
(1)講座(業務)開始年   1994年2月
(2)専門家・ジュニア専門家派遣開始年 1993年
(ロ)コース種別
専攻
(ハ)現地教授スタッフ
常勤3名(うち邦人2名)
(ニ)学生の履修状況
(1) 履修者の内訳   主専攻で各学年10名程度
(2) 学習の主な動機 「日本への憧れ」「日系企業への就職希望」「日本語教師」
(3) 卒業後の主な進路 日系企業や現地企業
(4) 卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力試験3級から2級の間
(5) 日本への留学人数 3名

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