世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 第4期生の卒業 —現地化に向けた助手の日本留学の決定!

ダマスカス大学
松本剛次 有馬芳枝

 ダマスカス大学日本語日本文学科は設立されて9年目を迎えます。4学年が全て揃うことはまだないものの、この夏には第4期生が卒業します。そして、非常勤スタッフとして働いていた第2期卒業生が正式に日本語学科の助手として採用され、今年の秋よりダマスカス大学が費用等を全て負担する形で日本の大学院へ留学することが決まりました。博士号を取得し、シリアへ戻ってきた際は、学科運営の中心人物となり活躍してくれることを期待しています。

 また、今年の日本語能力試験ではダマスカス大学卒業生の中からN1合格者が2名出ました。非常勤講師をしている第3期卒業生もN2に合格し、在学生の励みになっています。

2010年度日本語スピーチコンテスト

 2010年度日本語スピーチコンテストは、ダマスカス大学の一講堂で行われました。約300人が入ることの出来るこの会場は満席となり、立ち見する人もいるほどの盛況ぶりでした。また、ライバル校のアレッポ大学との闘いは非常に盛り上がり、スピーチの途中で声援や拍手があがるなど、非常にシリアらしいスピーチコンテストとなりました。上級レベル優勝者のスピーチ映像を国際交流基金カイロ事務所のブログより見ることができます。
http://bit.ly/cpnESC

新たな試み

 シリアでは日本と接する機会がとても少ないため、学生が日本人とコミュニケーションを図る場が限られています。もっと日本語を学習しているシリア人と日本人が交流を持てる場を提供できないかと考え、ブログを設立することにしました。このブログには、第一弾として、2年生にまとめてもらった「シリアのおすすめカフェ/レストラン」を紹介しています。今後も学生の作品を通じて、ガイドブックや一般に出ている書物では得られない、生活に密着した情報を提供していきたいと思います。
http://syria.onlinenihongo.com

*現在、シリア情勢が不安定なため、我々日本語専門家は一時退避しています。助手の留学も決まってしまったこともあり、教師不足が考えられることから、来年度は新入生を募集しないことにしました。日本語専門家がシリアにいつ戻れるのか現時点では分かりませんが、現地講師のみでも学科を運営し続けられるよう、出来る限りの協力をしたいと思っています。

派遣先機関の情報
派遣先機関名称
Damascus University
派遣先機関の位置付け
及び業務内容
2002年9月、シリア最大の総合国立大学に国内初の日本語専攻学科として開設された。将来的にシリアの日本語教育を担う人材を育てることが期待されている。専門家は、授業担当、カリキュラム作成、管理の他、学科運営について学科長に協力し、サポートしている。
所在地 Autostrade Al-Mezzeh, Damascus, Syrian Arab Republic
国際交流基金からの派遣者数 上級専門家:1名、専門家:1名(2011年6月現在退避一時帰国中)
日本語講座の所属学部、
学科名称
人文学部 日本語日本文学科
日本語講座の概要
沿革
講座(業務)開始年   2002年
国際交流基金からの派遣開始年 2002年
コース種別
日本語主専攻学科
現地教授スタッフ
常勤1名(助手)、非常勤4名
学生の履修状況
履修者の内訳   1年生:25名、2年生:26名、4年生:28名
学習の主な動機 日系企業への就職希望、日本語教師希望、日本文化・経済等への興味
卒業後の主な進路 国内一般企業、中東湾岸諸国企業
卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力試験N2を受験可能なレベル
日本への留学人数 1~2名程度

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