世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 北京事務所日本語教育アドバイザーへのよくある質問

国際交流基金北京日本文化センター
日本語教育アドバイザー
有馬 淳一

私がここ北京日本文化センターで日本語教育アドバイザーの仕事を始めてからすでに2年以上が経ちました。この間、各地で実に多くの日本語教師の方々にお会いし、いろいろな質問や要望をいただきました。また、普段北京の事務所にいても、メールや電話や手紙でさまざまな質問が寄せられます。今日はそういった質問の中からいくつか紹介してみようと思います。

1."日本語教育のコンビニ"ってどんなことですか?

昨年度のこのページで「中国における日本語教育のコンビニを目指したい」と書きました。

中国では沿海地域の大都市部を手始めにコンビニエンス・ストアが増え始めています。数の上でも営業時間の上でも本物のコンビニの便利さには到底かないませんが、中国各地のさまざまな機関で日本語を教える方たち――中国人教師も日本人教師も――に対して、日本語教育に関する情報を、できるだけ速くできるだけ多く提供したいと考え、2003年秋から215教師という日本語教育用のウェブサイトを始めました。

湖北省武漢市での教師研修会での写真
湖北省武漢市での教師研修会で

以来、おかげさまで、毎日数多くの方に利用され、「よく見てますよ」「大変便利」といううれしい感想をときどきいただきます。

また、ウェブサイト開設に先立って、「215教師メーリングリスト(ML)」という、Eメールを使ってやりとりする当地の日本語教師同士のグループも作りました。

そこには、毎週末投稿してくれる会員の方もいますし、役に立つホームページをいつも紹介してくれる会員の方もいます。また、最近は、自分の学校でやった活動を紹介した会員に対して、他の方たちからすぐに感想が返ってくるということもありました。

2.管理人の他にどんな仕事をしているんですか?

上記のように、たしかに去年からウェブサイトでもMLでも"管理人"をしてはいますが、管理人はけっして私の本業じゃないんです。

本業は"日本語の教師"です。特に当地では、中国国内で教えている現職の教師に対してさまざまな面から支援することをしています。

年に数回開いている教師研修会や教師セミナーもそのための活動の一環で、特に中等教育機関(中学校、高校)で教える教師に対する研修には力を入れていて、中国側機関と共同して、国際交流基金派遣の青年日本語教師の協力も得て、昨年度は3~4日間の研修会を3回おこないました。

それと、新しく始めた活動を一つ紹介します。

北京には、市内の各機関で教える教師たちの集まり、「北京日本語教師会」というものがあります。教師会そのものはすでにずっと続いていて、毎月1回の定例会があって、いろいろなテーマで研究発表をしたり、教室活動のアイデア紹介などをしたり活発に活動しています。

さらに、2004年の春からは、当事務所のホールを使って「北京日本語教師会杯日本語発表会」と題したイベントの開催を始めました。

北京日本語教師会杯日本語発表会の様子の写真
北京日本語教師会杯日本語発表会の様子

要するに、日本語スピーチコンテストでしょ?それなら、私の学校でも、私の街でも、毎年開いていますよと言う方もきっと多いことでしょう。

いえいえ、北京日本語教師会杯の発表会が他とちょっとちがっているのは、毎月1回やるということなんです。

しかも内容も、普通のスピーチ発表だけにとどまりません。これまでにも「2m四方の中でなら何をしてもいい」なんて企画もありましたし、「男だけの発表会」なんてのもありました。今後も、カラオケ、朗読発表、演劇などなど...の案が挙がっています。

出場者は、毎回10人ぐらいという人数制限の他は、所属や年齢に制限はありません。それどころか、賞金も賞品もありませんが、毎回毎回、出場者1人1人の何かいいところを見つけて表彰しますし、観客が投票して決める賞もあります。

勝つのはもちろんすごいことですし、賞を獲るのはすばらしいことですが、この発表会を始めて関係者の多くの人から聞くのは「○○さん、日本語発表会に出てから変わった」「□□さんが前より積極的になった」ということです。

どうです?毎月開いて、出場をきっかけに学習者を変えてしまう会なんて、ちょっとすごいと思いませんか。もしよかったら、皆さんのところでも試してみてはいかがですか。

3.日本語教育アドバイザーは中国語で何と言うんですか?

私の名刺には小さく"日語教育顧問"と書いてあるんですが、会うたびに「顧問先生」と言っていつもからかう人がいますし、"会社の顧問役"のような響きがあるのかもしれません。

しかし、そんなことばの持つ響きとはちがって、北京日本文化センターの日語教育顧問は、コンビニの店長兼管理人兼教師兼審査員として、今日もまた活動を続けています。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
1999年度より、専門家を1名派遣している。専門家は、日本語教育アドバイザーとして、各種教育機関・団体と情報交換をおこないながら現地の日本語教育事情の把握に務め、また、中国各地で教師研修会・セミナー・ワークショップ等を実施し、カリキュラム・教材・教授法など各層の日本語教師に対する助言・支援をおこなうのが主たる活動である。さらには、青年日本語教師らとも協力しながら、教師会など各地の教師の自主研修の奨励、教師間のネットワークの形成促進にも力を注いでいる。
ロ.派遣先機関名称
The Japan Foundation Beijing Office
ハ.所在地 8th Floor, No.2 CITIC Building,
19 Jianguomenwai Ave., Beijing 100004
CHINA

TEL: -86-10-6500-6523, 6500-6524
FAX: -86-10-6500-6526
ニ.国際交流基金派遣者数 専門家:1名

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