世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 3代目もどうぞよろしく

国際交流基金北京日本文化センター
有馬淳一

中国から、日本から、そして世界の各地から

中学日本語教師セミナーでの授業風景(2005年3月、福建省福州市)の写真
中学日本語教師セミナーでの授業風景
(2005年3月、福建省福州市)

当北京日本文化センター付の日本語教育アドバイザーが、中国国内で日本語を教える方々を主な対象に、日本語教育に関する情報提供をおこなうためのウェブサイト、「215教師-国際交流基金北京事務所日本語教育班の部屋」(以下、「215教師」と略します)の運営を始めて早2年になります。

おかげさまで、毎日多くの皆さんにご利用いただいています。サイト管理人の私には、毎日の訪問者数はもちろんのこと、その人がどんな言語のコンピュータ(正しくは、何語のインターネット閲覧用ソフトウェア)を使って訪ねてきたのかもわかります。

それによりますと、日本語のコンピュータから訪問する方の割合がもっとも多いのですが、中国語からの訪問者も常に4割前後を占めています。

中国在住の日本人教師の場合には日本語のコンピュータを使っている人が多いでしょうし、中国人日本語教師の中にも日本語のコンピュータを愛用している人が相当数いるでしょうから、一概に、日本語の訪問者は日本から、中国語の訪問者は中国から、とは言い切れないでしょうが、しかしながら、中国語のコンピュータからの訪問者も多いことは、「215教師」が全文日本語によるものであるにもかかわらず、中国国内の教師やあるいは学習者にも浸透してきた証しの一つかと思い、そのことをとてもうれしく思っています。

また、「215教師」を訪ねてくれるのは、日本語と中国語だけにとどまりません。英語や韓国語、ロシア語などからの訪問者もいますし、ときにはアラビア語だったり、ハンガリー語だったりということもあります。

その方は検索しているうちにたまたま迷い込んで入ってきただけなのかもしれませんが、それでも世界のどこからでも手軽に情報を得ることが可能なインターネットの力のすごさを思い知るとともに、日本と中国に向けてだけでなく、もしかしたら世界中にいるかもしれない、中国の日本語教育事情に興味を持つ人々にも情報発信していくことの責任の大きさ、やりがいを強く感じます。

各地で教師会設立の動き

日本語教師会の立ち上げ(2005年5月、陝西省西安市)の写真
日本語教師会の立ち上げ
(2005年5月、陝西省西安市)

ここ1,2年の間に、中国国内の日本語教育事情にいくつも新しい動きがありました。

その中の一つが、日本語教師同士が連絡を取り合い集まって、各地で定期的な勉強会、研究会を始めようという流れです。

2004年3月には浙江省杭州市で「第1回浙江省日本語教育セミナー」が、2004年5月には江蘇省無錫市で「第1回無錫日本語教育交流会」が相次いで開かれました。しかもうれしいことに、どちらの会も、ごく内輪の関係者だけでなく、省の内外から幅広い層の日本語教師が参加して、第2回目、第3回目とその集まりが継続しています。

湖南省では、省内に派遣中のJICA青年海外協力隊員たちと地元の各教育機関の教師たちとが力を合わせて、2004年11月に「日本語コンクール」という日本語学習者のための催しを開催したのをきっかけに、地元の日本語教師会の発足に向けて着々と準備が整えられています。

さらに、2005年5月には、陝西省の西安市で「第1回共同勉強会」と銘打って西安市日本語教師会が生まれましたし、内モンゴルのフフホト市では、内蒙古自治区大学日本語研究会の「第1回日本語教育シンポジウム」がおこなわれました。

先生たちと話していると、中には、「他の学校の学生の成績が上がってしまったら困るので、私の教え方について人に紹介したくありません」と言う方もときどきいます。その気持ちもわからないではないですが、現役の日本語教師同士が学校を越えて地域を越えて交流することの必要性・重要性を感じて、こうした教師会設立、教師間のネットワーク作りの動きが各地で起きていることを目にして、私は中国での3年間の仕事を安心して終えることができると確信しました。

3代目もどうぞよろしく!

さて、当センターでは、3代目の日本語教育アドバイザーとして、小西広明さんがすでに業務をおこなっています。

小西さんが中国に来たのは10数年ぶり、北京には実に20年ぶり以上ということですが、着任したての小西アドバイザーに、インタビューを試みました。

これからの1年間の抱負について尋ねたところ、このような答えが返ってきました。

今はまだ中国での仕事を始めたばかりで、たとえば、市内にある学校の名前を略称で言われても、どこの学校のことかもさっぱりわからないし、まずは、いろいろな所を回って見ていろいろ知りたい。

“地方巡業”したい。小学校、中学校、高校、大学、民間の語学学校を問わず、とにかくいろいろなところを見てみたい。

いかがですか、皆さん。

今なら、北京から日本語教育アドバイザーがあなたの町、あなたの学校に来てくれる可能性大ですよ。

ご招待、大歓迎!です、たぶん。

今後とも、中国における日本語教育、中国における日本語教師のことなら国際交流基金北京事務所の日本語教育アドバイザー、日本語教育アドバイザーへどうぞご相談ください。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
1999年度より、専門家を1名派遣している。専門家は、日本語教育アドバイザーとして、各種教育機関・団体と情報交換をおこないながら現地の日本語教育事情の把握に務め、また、中国各地で教師研修会・セミナー・ワークショップ等を実施し、カリキュラム・教材・教授法など各層の日本語教師に対する助言・支援をおこなうのが主たる活動である。さらには、ジュニア専門家らとも協力しながら、教師会など各地の教師の自主研修の奨励、教師間のネットワークの形成促進にも力を注いでいる。
ロ.派遣先機関名称
The Japan Foundation, Beijing.
ハ.所在地 8F CITIC Bldg.B, 19 Jianguomenwai Ave.
100004 Beijing, China
ニ.国際交流基金派遣者数 専門家:1名

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