世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 点から線へ さらなる連携をめざして

モンゴル日本人材開発センター
藤島夕紀代

急増する学習者と日本語教師

1990年の民主化以降、モンゴルの日本語教育は急速に発展しています。国際交流基金の調査では、1990年に約70人だった学習者数が2006年には1万2千人を超えています。また、1998年から2006年の間に機関数は3.8倍、教師数は4.6倍、学習者数も4.4倍と急増しています。しかし、教師間ネットワークがそれほど密ではなかったためか、それぞれの教師が孤軍奮闘して日本語を教えるという時期がありました。

点から線へ

2008年「日本語教育シンポジウム」1日目の様子の写真
2008年「日本語教育シンポジウム」
1日目の様子

2008年「日本語教育シンポジウム」2日目分科会の様子の写真
2008年「日本語教育シンポジウム」
2日目分科会の様子

2002年に開所した当モンゴル日本人材開発センターは、モンゴルにおける日本語教育の拠点となり、日本語の普及と日本語教師のネットワーク作りを支援してきました。2007年10月には5周年記念事業として、現状認識と相互理解を深めることを目的とした「日本語教育シンポジウム」を実施しました。半日という短い時間でしたが、日本語教育関係者が一同に会し、活発な意見交換が行われました。また、このシンポジウムをきっかけとして「モンゴル日本語教育研究会」が設立され、これまでに7回の勉強会を実施する成果もあげています。点のように個々に存在していた日本語教師が線で結ばれ、着実にネットワークが形成されつつあるといえるでしょう。

さらなる連携をめざして

2008年6月には、このネットワークをさらに強化するとともに、日本語教師の教授力向上を図ることを目的として、「第2回日本語教育シンポジウム」が開催されました。参加者は初等・中等教育機関、高等教育機関、一般教育機関などから2日間で延べ200名近くとなりました。このシンポジウムでは、桜美林大学から2名の講師を招き、モンゴルのナショナルスタンダード(モンゴル教育文化科学省が中等教育での外国語教育のために策定した指針)や教科書を上手に使う方法についてワークショップ形式で討議が行われました。また、モンゴル人教師から日本語教員養成の現状に関する報告や機関別分科会での授業実践報告など、より身近なテーマでの意見交換も行われました。参加者からは、特にワークショップ形式での討議に対する評価が高く、今後もこのような方向での勉強会が望まれているといえます。

そして、このシンポジウムからの発展として、桜美林大学がモンゴルの中等教育のために開発・作成してくださったワークブック-『モンゴルの風』を用いた授業実践の報告会が12月に実施される予定です。シンポジウムで強化されたネットワークが、教師の連携を推進する力となっていることを実感しています。今後も、日本語教育専門家として側面支援という形でこれらの運営に携わり、当地の日本語教育の発展のお手伝いができればと考えています。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
及び業務内容
モンゴル日本人材開発センターの目的は、モンゴルの市場経済化のための人材開発を行うこと、日本に興味のある人に、日本語・日本文化など日本についての情報を提供することなどを通して、両国の友好関係をますます発展させ、両国民の相互理解を深めることである。日本語の話者や教員を養成する日本語コース、モンゴルの経営者を育成、支援するビジネスコースなどがある。
ロ.派遣先機関名称
The MONGOLIA-JAPAN CENTER
ハ.所在地 P.O.B.46a/190, Ulaanbaatar, MONGOLIA
ニ.国際交流基金派遣者数 日本語教育専門家:1名
ホ.アドバイザー派遣開始年 2002年

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