世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 09年設立 国立英語外国語大学より、第一期生が卒業!!

国際交流基金 ニューデリー日本文化センター(南インド担当)
渡辺 由美

 南インド担当日本語教育アドバイザー(報告者)は、2009年に専攻の開設された国立英語外国語大学(以下、EFL-U)のあるハイデラバードに赴任し、チェンナイやバンガロールの先生方とも定期的に情報交換会やセミナーを行って南インド全体の教育の質が高まるよう努力しています(南インド担当地域については11年度原稿を参照)。

 EFL-Uはインドで唯一の外国語大学であり、南インドにおける最初の日本語専攻講座を設置した大学です。この4月、3年間のBAコースの全ての授業を終え、第一期生(09年8月入学)22名が卒業予定です。私も1年間、教室で彼らと一緒に過ごしてきたので「もう会えなくなってしまうの」と寂しい気持になりました。しかし半数程の学生はMAコース(引続き2年間)への進学を希望しており、また就職希望の学生も、多くは慣れ親しんだハイデラバードでの就職を希望しているようです(ハイデラバードのあるアーンドラ・プラデーシュ州ではなく北部ビハール州の出身者が多く、地元での就職は難しい状況)。4月末の期末試験を控えてはいましたが、後輩の1、2年生から「卒業生送別会」というサプライズで見送られ、一人一人がもらったプレゼントのお返しとして、「思い出や小話」を披露するという微笑ましく忘れられない時間を過ごしました。

卒業生送別会の写真
卒業生送別会の様子

EFL-U日本文化祭での劇の上演の写真
EFL-U日本文化祭での劇の上演

 今年の3月にEFL-Uでは初めての「EFL-U日本文化祭」が開催されました。JICA青年海外協力隊員やインド人の先生方が中心になって半年近くもかけて準備を進め、実現した日本語学科初の全学科イベントでした。日本人ボランティアに指導してもらった有志の学生が書道・茶道や着付けのデモンストレーションを行い、学科外も含め200名以上の方が参加しました。クライマックスは1-3年生有志で練習を重ねてきた日本語劇「闇の町のあほな王様」で、これは有名なヒンディ語劇をもとにしました。日本語がわからなくても舞台を見るインド人の観客にはストーリーがよくわかり、会場は何度も爆笑・拍手で沸き、大いに盛り上がりました。主役陣は文化祭が終わってからも、名前ではなく「王様」「大臣」「先生」と呼ばれていたほどです。日本語学科専攻第一期生の卒業の年、記念イベント的に行われた行事ですが、これからは「EFL-U日本語学科の伝統行事」となっていくのでしょうか。  

派遣先機関の情報
派遣先機関名称
The Japan Foundation, New Delhi
派遣先機関の位置付け ニューデリー日本文化センターより南インド(ハイデラバード)に派遣され、インド南部4州他、南アジア近隣諸国を対象としアドバイザー業務を行う。具体的な内容は、1)英語外国語大学におけるカリキュラム運営サポート 2)学習機関訪問などによる情報収集、調査、分析 3)前項2)をベースとした各種支援活動の企画、運営
所在地 5-A, Ring Road, Lajpat Nagar-IV, New Delhi - 110024, India
国際交流基金からの派遣者数 上級専門家 1名
国際交流基金からの派遣開始年 2005年

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