世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) シドニー日本文化センターにおける日本語教育支援活動

国際交流基金シドニー日本文化センター
松本剛次

 皆さんこんにちは。国際交流基金シドニー日本文化センター(以下「シドニーセンター」)に派遣されています松本剛次と申します。
 シドニーセンターでは、オーストラリア、ニュージーランドの学校教育における日本語教育支援として、次のような活動を行っています。今回はここから特に現在の活動の柱である「教師研修」「オンライン日本語講座」「教材/教室活動の作成」の3つを取り上げ、簡単に説明したいと思います。

イ.日本語教師研修会・研究会の開催
  • 日本語教師集中研修(インテンシブセミナー)の開催(年2回)
  • 各州教育省、日本語教師会などからの出講依頼に基づく出張セミナーの開催(随時)
  • 日本語教育研究会の開催(不定期)
  • オンライン日本語講座の実施 (年4回 各8週)
  • 国際交流基金日本語国際センターでの研修プログラムの公募
ロ.日本語教育におけるカウンセリング
  • 各州言語教育担当者会議の開催(年1回)
  • アドバイザーとして各種のプロジェクトに参加(随時)
  • 電話、メイルによる相談(随時)
ハ.日本語教育補助教材等の制作・寄贈および制作助成
  • オリジナル教材の作成
  • ホームページ、ニュースレター上での教材、教室活動案の作成と公開
  • 教材寄贈プログラム、教材作成助成プログラムの公募
ニ.日本語教育に関する情報交流の促進
  • ホームページ、ニュースレターでの日本語教育に関する情報の提供
  • 各州教育省などのネットワークを通しての日本語教育に関する情報の提供
  • 日本語弁論大会、日本語発表会、日本語能力試験、などの開催

国際交流基金日本語教育紀要第4号(2008)123ページより引用

教師研修

教師会カンファレンスの写真
教師会カンファレンス

 教師研修は大きく「インテンシブ研修」と「出講」とに分けることができます。インテンシブ研修とはシドニーセンターに日本語を教えている先生たちを集めて4日間の日程で行われる集中型の研修のことです。一方出講とは依頼に応じこちらから講師が各地域に出かけセミナー、ワークショップなどを行う形の研修です。
 これらの研修はオーストラリア、ニュージーランドでの最新の日本語教育の動きに合わせる形で行われています。現在、両国ではIntercultural Language Teaching and Learning (以下「ILTL」(異文化対応言語教育/学習))という外国語教育のアプローチが注目されており、これらの研修もそれを最大限に取り入れる形で行われています。

オンライン日本語講座

 日本語力の低い日本語の先生たちの日本語力を引きあげる目的で、インターネットを使ったオンライン日本語講座の開発と運営が2005年から行われています。現時点で4ステージ中2ステージが既に開講し、もうすぐ第3ステージも完成する予定です。
各ステージは8週間のコースで、学習者は毎週パソコン上でダイアログを聞き、さまざまなタイプの問題を解き、最後に筆記式の「Production task(小テスト)」を完成させ、それをFAXや電子メイルでシドニーセンターに送り添削を受けます。サンプルページがこちらにありますので、興味のある方は覗いてみてください。

教材/教室活動作成

新教材表紙「ArtSpeaksJapanese」の写真
新教材表紙 「Art Speaks Japanese

 現場の先生たちが自分の授業ですぐに手軽に使えるようなタイプの教材や教室活動を考え、ホームページや「おむすび」というニュースレターを通して提供しています。これらの教材や教室活動案はこちらから見ることができますので興味のある方はご覧ください。

 また、ことし2月にはニューサウスウェールズ州の美術館と共同で、美術を題材に日本語、日本文化を学ぶといった新しいタイプのマルチメディア教材「Art Speaks Japanese」というものを出版しました。この教材には先に述べたILTLの考え方が取り入れられています。興味のある方はこちらをご覧ください。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
シドニー日本文化センターの日本語教育部門は、1991年にシドニー日本語センターとして開設され、2004年に国際交流基金の機構改革に伴い、シドニー日本文化センターに統合された。全豪を視野に入れた日本語教育支援を行っており、主な事業内容は、教師研修会の開催、他機関主催研修会への協力、日本語弁論大会など日本語教育関連行事の支援、教材開発、日本語教育に関する相談業務、情報の提供と収集などである。05年度より一般人対象の日本語講座も開講。また、季刊誌「おむすび」やホームページを通じ、当センターの企画の広報や、日本の文化情報・日本語教材などを提供している。
ロ.派遣先機関名称
Tha Japan Foundation, Sydney
ハ.所在地 Shop 23 Level 1, Chifley Plaza, 2 Chifley Square, Sydney NSW 2000, Australia
ニ.国際交流基金派遣者数 日本語教育専門家:1名
ホ.アドバイザー派遣開始年 1991年

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