世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) インドネシア教育大学について(2002)

インドネシア教育大学/中部ジャワ州地域派遣
千葉苑子

1)派遣先地域・機関における担当業務

2001年より機関派遣から地域派遣に業務内容が変わった。地域派遣業務は機関派遣の業務の一部を残しつつ、その地域全体の高等教育における日本語教育に携わる先生方への協力、支援等を通し、自力で日本語教育が出来るよう「現地化」「自立化」を促進するのが役目だが、基金の理念と現地の期待との狭間でどうやって双方の要求のギャップを埋めながら、「地域派遣」という新しい業務を遂行していくか、目下暗中模索の毎日である。派遣先機関の専任講師と同じだけの授業をこなしながら、且つ他大学への協力もするというのはなかなか大変である。新しい業務内容なので、今後は少しでも前進していきたい。

2)担当授業以外の派遣先機関・派遣地域における活動例の一部

勉強会開催

2001年は調整がつかず、開催できなかった大学への協力として、2002年から月一回だが、今まで参加できなかった大学の若手講師を対象にした勉強会を始めた。

各種行事への協力

(1) 日本語・日本文化祭
バンドン地区では70年代中頃から始まったパジャジャラン大学主催の日本語・日本文化祭がある。ここへの協力も業務の一つ。今年度はバンドン地区の六つの日本文学・日本語教育専攻(5年制)を開催している大学が協力して開かれた。講師陣だけでなく、学生達も各学生会を中心に協力し合い、スピーチ・コンテストを初め、各種コンテストに積極的に参加していた。バンドン在住の日本人もコンテスト審査員として、協力してくれた。

(2) ジャパンEXPO
インドネシア教育大学でも2001年11月に2日間学生会主催で行われた。自分達で企画交渉し、資金を集めて実行した。ジャカルタジャパンクラブを通して和太鼓のインドネシア人グループを呼んだり、地元バンドンの武道協会による柔道・剣道・合気道のデモンストレーション、習字コンテスト等自分たちで考え実行した点はいいなと思った。ここでは浴衣の着付け、道具類の貸出をした。

(3) スピーチ・コンテスト
上記の日本語・日本文化祭のメインイベントであるスピーチ・コンテストは国際交流基金ジャカルタ文化センター主催の全インドネシア大会の西ジャワ代表3名の選出も兼ねている。そのため各大学の応援団で賑わった。ここでは大学内予選の審査員、代表の原稿直し、練習を受け持った。また、西ジャワ代表の原稿チェック、練習も受け持つ。

(4)学生会の習字クラブの指導

3)専門家としてやりがいや喜びを感じた経験:

前期、助手と組んで仕事をした。当初は互いによく知らないので、戸惑ったり、意見の食い違いによる気まずさを覚えたり、互いに腹を立てたりしたことも多々あった。学期の終わりにはこちらの意図が理解して貰え、お礼を言われたことは嬉しかった。この経験を通し、互いに相手を信頼することが大切だということを実感した。

4)課題・問題点と今後の課題

前期、助手と組んで仕事をした。当初は互いによく知らないので、戸惑ったり、意見の食い違いによる気まずさを覚えたり、互いに腹を立てたりしたことも多々あった。学期の終わりにはこちらの意図が理解して貰え、お礼を言われたことは嬉しかった。この経験を通し、互いに相手を信頼することが大切だということを実感した。

1.地域派遣の活動を行う上で出た問題点

(1) 同一地域内の日本語主専攻を持つ大学が多いこと(国立大学2校、私立大学4校、計6校、前年度より1校増)。各大学のスクールカレンダーにずれがあり、合同勉強会等の日程調整が難しい。この点は年度の初めにスクールカレンダーを入手しておくことで、来年度は何とかやり繰りしたい。

(2) 各大学の授業実態を見学したくても、派遣先の担当授業時間と重なることが多く、要望があったが、なかなか実行できない。この点も来年度は少しでも多く見学させてもらえるよう努力していこうと考えている。

(3) 地域派遣の仕事として、大学相互が協力し合えるようにもっていくことも、地域派遣の仕事の一部と考え、派遣先機関だけに協力するのではないという姿勢を示し、努力をしているところである。

2.派遣先機関での課題・問題点

(1) 前期に実施した助手の養成が後期はプログラムの指導方針の変更でなくなった。

(2) 大学の方針により、外国語教育プログラムでは当該の外国語で卒業論文を書くことになり、教員の指導力がより一層問われることになった。

(3) 前任者の時と同様、学年ごとの横の連絡がない。その必要を感じていない。

(4) 登録科目名と実態とにずれがあること。
現行のカリキュラムの規則ではどうすることもできない。

3.問題解決策

以上のほかにも学生数や教室の設備等問題は多々あるが、この種の問題は当国では如何ともしがたいことなので、どう解決するかを模索していくことにしている。1、2であげた問題点を解決するのは、インドネシア側の事情もあり、難しい点が多い。が、これを解決するには現地の先生方の理解を得ていくには、どうすればよいかを考え、あせらずに実行していくことにあると考えている。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
インドネシア教育大学は、インドネシア高等教育機関の中では、同じ西ジャワ州バンドン市郊外にあるパジャジャラン大学の日本語講座に次ぐ伝統のある大学である。高校の日本語教師養成を目標に掲げており、実際、西ジャワ州の高校日本語担当教諭の大半が当大学の出身者である。2001年度には、大学院にインドネシア初の日本語教育専攻講座が開設され、旧教育大学系の講師が12名在学中である。専門家は日本語講座での日本語教授、カリキュラム・教材作成に対する助言、現地教師の育成を行う。また、地域派遣専門家として、域内の日本語教育の底上げ、教師支援を行う。
ロ.派遣先機関名称 インドネシア教育大学
Indonesia University of Education
ハ.所在地 JL. Dr. Setabudhi No.229 Bandung 40154 Jawa Barat Indonesia
ニ.国際交流基金派遣者数 専門家:1名
ホ.日本語講座の所属学部、
  学科名称
言語芸術教育学部外国語教育学科日本語教育プログラム
ヘ.日本語講座の概要
(イ)沿革
(1)講座(業務)開始年   1965年
(2)専門家・青年教師派遣開始年 1979年
(ロ)コース種別
日本語教育専攻
(ハ)現地教授スタッフ
常勤14名(うち1名留学中、5名国内大学院在学中)
非常勤2名
(ニ)学生の履修状況
(1) 履修者の内訳   2002年1月現在、
学生総数207名(男47名、女160名)
(2) 学習の主な動機
(3) 卒業後の主な進路 高校日本語教師、日系企業
(4) 卒業時の平均的な
日本語能力レベル
2級と3級のあいだ
(5) 日本への留学人数 現在留学中が4名

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