世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 青年日本語教師の活動

中部ジャワ州地域派遣
久野 元

中部ジャワの日本語教育状況

 現在、普通高校27校、専門高校1校、宗教高校2校で日本語教育が行なわれているのが確認されています。インドネシアでは日本語は第2外国語として教えられています。普通高校と宗教高校では主に3年生の語学コースで週9コマの授業が行われています。専門高校では正課授業として週2コマ程度、あるいは課外授業として週1コマ程度の授業が行われています。

青年日本語教師の活動

 青年日本語教師(SNK)の業務は主に(1)配属校での業務、(2)学校訪問、(3)教師会の支援、(4)日本語教育機関調査、の4つです。

(1)配属校での業務

配属校での授業の様子の写真
配属校での授業の様子

 配属校は2校あり、週に1日勤務します。配属校では日本語担当教師と隔週で授業を担当しお互いの授業を見学しあいます。そして授業のあとディスカッションで良かった点や改善点などを話し合い、より良い授業ができるようになるよう指導をしています。生徒はネイティブ・スピーカーによる授業を月2回の割合で受けることになります。これだけでは会話力はつきませんが、学習範囲内の語彙や文型を使えばこちらの話すことを聞いて理解できるようにはなります。

(2)学校訪問

 配属校での勤務がない日は日本語教育を行なっている他の学校を訪問します。時々、バスで7時間もかかるような遠隔地へ行くこともありますが、旅行気分で楽しいです。私がその町に訪問した初めての日本人だったりする町もあり、地元新聞のインタビューを受けたりすることもあります。訪問先の学校では普段、日本人と接触することのない生徒たちに日本語の授業や文化紹介などを行ったり、日本語担当教師に教え方のアドバイスなどをしたりします。生徒たちはSNKの訪問を本当に心待ちにしてくれていて大歓迎をしてくれますが、いざ教室で話をしようとすると恥ずかしがってなかなか話してくれません。学校訪問では日本語指導よりも今後の日本語学習の動機付けを主な目的としているので、日本語を使ったレクリエーションのような授業をするようにしています。

(3)教師会の支援

スピーチ大会。日本語クイズ大会受賞者の写真
スピーチ大会。日本語クイズ大会 受賞者

 教師会は3ヶ月に1回の大ミーティングと月に1回の小ミーティングを行なっています。大ミーティングは中部ジャワ全域から先生方が集まるものです。このミーティングでは主に教師会の運営や教師会が主催するイベント(スピーチ大会など)について話し合いをします。このときSNKは助言をしたりします。小ミーティングはそれぞれの地域の先生方が集まるものです。このミーティングでは日本語や教授法の勉強会をすることになっています。しかし残念ながら月1回のペースで行なっているのは現在ジョグジャカルタ市の先生方だけです。ジョグジャカルタ市の勉強会では私が講師となって日本事情・聴解練習・教授法指導を行なっています。今後、他地域の勉強会を盛り上げていくのがSNKの課題です。

(4)日本語教育機関調査

 2年前、私が赴任した当初は日本語教育を行なっている高校は11校しか分かっていませんでしたが、徐々に担当地区の状況がわかってきました。インドネシアは役所にきちんとした資料がないので調査はほとんどが先生方からの情報に基づいて行なわれます。今はかなり先生方とのネットワークが広がってきたので、情報が集めやすくなりました。しかしまだ全体を把握しているとは言えません。今後も地道な調査活動が必要です。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
及び業務内容
ジャカルタ日本文化センターより配属校(私立タルナ・ヌサンタラ普通高校、私立カトリック・サン・ティムール普通高校)へ派遣されている。業務内容は(1)週に1回それぞれの配属校における生徒への日本語指導と教師への教授法指導する。(2)配属地域内で日本語教育が行なわれている学校を訪問し生徒への日本語学習動機付けと教師への教授法指導およびコンサルティングをする。(3)教師会活動の支援(勉強会における講師、その他活動に対する助言)。(4)日本語教育機関調査。
ロ.派遣先 中部ジャワ州
ハ.国際交流基金派遣者数 1名

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