世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 北スラウェシ州の高校における日本語教育

インドネシア北スラウェシ州配属
青年日本語教師 久野 元

北スラウェシ州の日本語教育状況

 現在、普通高校37校、専門高校12校、宗教高校1校で日本語教育が行なわれているのが確認されています。これらのほとんどはマナド市内かマナドから車で2時間以内の地域に集まっていますが、マナドから船で10時間以上かかるフィリピンの国境に近い離れ島にもあります。インドネシアでは日本語は第2外国語として教えられています。普通高校と宗教高校では主に3年生の語学コースで週9コマの授業が行われています。専門高校では正課授業として週2コマ程度、あるいは課外授業として週1コマ程度の授業が行われています。

青年日本語教師の活動

 青年日本語教師(SNK)の業務は主に(1)配属校での業務、(2)学校訪問、(3)教師会の支援、(4)日本語教育機関調査、の4つです。

(1)配属校での業務

 今年度から(インドネシアの学年度は7月から始まります)SNKは普通高校と専門高校に1校ずつ配属することになりました。これは現在作成中の専門高校観光業務科用教科書「インドネシアへようこそ」を試用するためです。配属校での業務は生徒に対する指導よりはインドネシア人日本語教師の育成のほうが主です。SNKは毎週1回配属校に通い各週で授業を行います。こうすることで生徒に日本語指導をするとともに現地教師にコミュニカティブな練習方法のモデルを示します。またSNKが授業をしない時は現地教師の授業を観察します。授業後には必ずディスカッションをし、より良い授業ができるよう指導をしています。

(2)学校訪問

 学校訪問の目的も現地教師の指導が主です。従って訪問先の教師には配属校と同じような指導をします。生徒にとっては日本人と対話するめったに無い機会ですので、なるべく生徒と話す時間を設けています。また、日本語だけでなく日本文化を紹介するような授業も行うようにしています。

(3)教師会の支援

 毎月1回、教師会の主催する勉強会が行われています。北スラウェシ州の勉強会では参加教師によるスピーチと模擬授業をしたあとSNKが講師となって日本語や教授法の勉強をするというのが主な内容です。模擬授業の後にはディスカッションがありSNKは必要に応じてコメントをしたり指導をしたりしています。

(4)日本語教育機関調査

 北スラウェシ州はすでに教師会のネットワークができあがっているため、これを利用してアンケート調査を行っています。

(5)研修への出講

 毎年3地域で普通高校教員基礎研修があります。今年度は北スラウェシ州でありました。この研修でSNKは日本語演習の講師を務めたり、インストラクター(現職の高校日本語教師でインストラクター研修を修了した教師)の行う授業の準備段階ではアドバイス、授業時にはアシスタントをしたりします。

カリキュラム改訂

 今年は通常の業務以外の仕事が多く忙しい年です。これは2004年より普通高校のカリキュラムが改訂され、それに伴いシラバスを作成したりカリキュラムに準拠した教科書を作成したりする必要性が出てきたためです。これらの作業はインドネシア人の先生方、SNK、ジャカルタ日本文化センター、教育省が連携して行われています。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
北スラウェシ州に初めて青年日本語教師が派遣されたのは1997年。現在、州内約50の高校で、インドネシア人日本語教師が日本語を教えている。業務内容は配属校の私立カリタス・トモホン普通高校、国立マナド第1専門高校で、インドネシア人日本語教師への技術移転を主眼に日本語教育に関する指導を行っている。また、日本語勉強会を兼ねた高校日本語教師会(MGMP)の活動を支援し、地域の教師の日本語力・教授力向上のための支援をしている。また、州内全市全県への学校訪問を行い、日本語教育全般に関する助言・指導を行うと同時に、生徒にネイティブスピーカーと話す機会を与え、日本語の学習動機を高めている。
ロ.派遣先機関名称
The Japan Foundation Jakarta Language Center
ハ.所在地 Summitmas I, Jl.Jend. Sudirman, Kav.61-62, Jakarta, Indoneisa.
ニ.国際交流基金派遣者数 青年教師:1名

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