世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 東ジャワ州におけるジュニア専門家の活動

国際交流基金日本文化センター
平岩 桂子

 現在東ジャワ州で日本語教育を実施している学校数は約150校、また教師は約150名で、スラバヤやマランを中心に日本語教育が盛んに行われています。ジュニア専門家は配属校勤務、教師会支援、地域別勉強会、学校訪問など様々な形で現地の日本語教師支援を行っています。

配属校勤務

授業の様子の写真
授業の様子

 配属校勤務では、現地の日本語教師と1年を通じて一緒に授業に入ることにより、密接な現場での指導ができます。ジュニア専門家は通常2つの高校に配属され、各校週1回ずつ勤務し、現地の日本語教師と1週間交代で授業実施と授業見学を行います。毎回授業の前後に、その日の授業についてのディスカッションの時間を設け、授業のやり方を話し合い、アイディアを出し合います。指導するというよりは、お互いの授業を通じて、共に成長する部分が大きい業務だと言えます。また、日本語教師以外の現地の先生方と接し、色々な話が聞けるのも貴重な機会です。

教師会支援

高校日本語教師会(MGMP)の写真
高校日本語教師会(MGMP)

 東ジャワ州では3カ月に一度MGMP(高校日本語教師会)が開催され、毎回50名から60名の教師が集まります。中には、地元から7時間かけてやってきてこの教師会に参加するという熱心な先生もいます。東ジャワ州の場合、教師数が非常に多く、この教師会は主に情報交換の色合いが強いのですが、「東ジャワ日本クラブ地域交流部」の日本人と懇親会を設けるなど、ネイティブとの交流も行われています。

 ジュニア専門家は依頼を受けて講義を担当したり、アドバイスをしたりしますが、主役はあくまで先生方であり、ジュニア専門家はサポートするという形で支援を行っています。

 毎年行われる教師会主催による文化祭は2004年も大きな盛り上がりを見せました。文化祭では、地域の日本語教育機関等の協力を得て高校生による弁論大会や書道大会などが行われました。

地域別勉強会、専門高校教師会、2級対策勉強会

 教師会とは別に、現在5つの地域で普通高校の教師を対象とした地域別勉強会があり、それ以外に専門高校教師会があります。どの勉強会もリーダーを中心として、よくまとまっており、2,3ヶ月に1回のペースで勉強会を行っています。内容は主に教授法や日本語、また日本文化についてであり、ジュニア専門家はリーダーと連絡を取り合い、依頼があれば講義を担当したり、文化紹介を行ったりしています。

 教師は日本語能力試験3級を取得している教師も多く、2級対策の勉強会も実施しています。

学校訪問

 配属校勤務の他に、学校訪問を行い、現地教師の指導にあたります。学校訪問では、学校の様子や日本語教育の実施状況を自分の目で見ることができ、また、多くの学生と直接触れ合うことのできる貴重な時間です。基本的には配属校勤務業務と同様、現地教師とジュニア専門家がお互いの授業を見て、ディスカッションを行うことが目的です。最近は多くの新任教師が生まれており、今後の活躍が楽しみな若い先生方にもたくさん出会いました。

 学生は日本人と会う機会がほとんどないため、ジュニア専門家の訪問を本当に楽しみに待っていてくれます。車で片道5,6時間かけての訪問など、大変なこともありますが、楽しみにしている学生のことを思えば朝3時起きなんてこともできてしまうものです。学校訪問の目的もあくまで教師指導ではありますが、学生の日本への興味、日本語への興味が高まるという効果も大きいと感じます。

 最後に、東ジャワ州は高原地マラン、ブロモ山、水牛レースで有名なマドゥーラ島、また、南側はインド洋に面した美しい海があり、広大な土地に魅力ある様々な地域が存在します。そこで学ぶ学生、日本語教師はみな生き生きとしていて、出会うたびにこちらも元気をもらっているように感じます。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
及び業務内容
東ジャワ州におけるジュニア専門家の派遣開始年は1996年。現在、東ジャワ州には日本語教授校148校(うち普通高校120校)、日本語教師146名(うち普通高校118名)が存在する。ジュニア専門家は1年に2つの配属校で、インドネシア人日本語教師への技術移転を主眼に、日本語教育に関する指導を行う。また、高校日本語教師会(MGMP)の活動への協力、高校別、地域別研修を行うなど、ネットワークの構築、教師のレベルアップを支援する。また、教師教育の一環として、配属校以外の学校訪問を行い、生徒の日本語学習に対する動機も高める役割を果たす。
ロ.派遣先機関名称 国際交流基金ジャカルタ日本文化センター
ハ.所在地 東ジャワ州
ニ.国際交流基金派遣者数 ジュニア専門家:1名

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