世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) インドネシア日本語教育学会―西ジャワ支部

西ジャワ州派遣 インドネシア教育大学
森西志保子

インドネシア日本語教育学会

 インドネシア日本語教育学会(以下学会)は1999年に設立されました。現在、スマトラ、ジャボデタベック(ジャカルタ周辺)、西ジャワ、中部ジャワ、東ジャワ、スラウェシの六つの地域に支部があり、それぞれ支部ごとにセミナーや勉強会の実施、機関誌の発行など、活発な活動をしています。2005年8月、執行部の改選があり、学会は新体制でのスタートを切りました。また、2006年6月には、国際交流基金と共催で東南アジア日本語教育サミット(後述)を実施しました。

西ジャワ支部の活動

勉強会

西ジャワ支部の勉強会の写真
西ジャワ支部の勉強会

 西ジャワ支部は、一時期休眠状態だったようですが、2003年10月、赴任後に始めた勉強会をきっかけに活動を再開しました。この勉強会は、今では支部の活動としてすっかり定着し、毎回二十名程度と小規模ながら安定した数の参加があります。参加者はベテラン教師から大学院生まで幅広く、所属機関も大学、高校、語学学校とさまざまです。最近は、日本人日本語教師の参加も増えてきました。

 勉強会は、「企画兼実施」という感じで当初ほとんど私が担当していましたが、回を重ねるにつれて、多くの方の協力を得ることができるようになり、そのおかげでいろいろなテーマを取り上げることができました。2006年6月は、国際交流基金日本語国際センターでの研修を終えて帰国された二人の先生が、それぞれ「読解の授業のヒント─読みのストラテジー」「インターネットを使った教材作成」というテーマで、研修の成果を参加者とシェアしてくださいました。

 今後も、勉強会が先生方の相互研修と情報交換の場として機能し、西ジャワにおける日本語教育のネットワークが更に拡がることを期待しています。また、支部の活動としては定着した勉強会ですが、今後の企画や運営については、地域の先生方のより主体的な関わりが必要だと考えています。

MEDIA KOMUNIKASI

 西ジャワ支部の機関誌『メディア・コミュニカシ』が、2005年6月復刊しました。内容は、研究論文、レポート、エッセイなどバラエティに富んでいます。今後も年二回のペースで発行する予定です。

東南アジア日本語教育サミット

 2006年6月23、24日の二日間、ここ西ジャワ州バンドン市において、東南アジア日本語教育サミット(以下サミット)が開催され、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール、インド、香港、日本など海外からの参加者とインドネシア各地からの参加者を合わせ、総勢300名を超える日本語教育関係者が一堂に会しました。国際交流基金ジャカルタ日本文化センターとインドネシア日本語教育学会の共催によるもので、学会の全国セミナーも同時に実施され、パジャジャラン大学をはじめとするバンドンの各大学の先生方が実際の運営に当たられました。サミットのテーマは「東南アジアにおける日本語教育の現状と展望─日本語運用力の育成に向けて」です。東南アジアにおける日本語教育の現状について、参加者が情報を共有し、今後の日本語教育のあり方を共に考えるという意味で、非常に意義深い催しになりました。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
及び業務内容
当該日本語講座は1965年に創設された。インドネシアの高等教育機関の中では、バ ンドン市近郊にあるパジャジャラン大学(UNPAD) の日本語講座に次ぐ伝統のある大学である。高校の日本語教師養成を当講座の目標に掲げていることでも分かるように、西ジャワ州の高校の日本語教師の大半が当講座の出身者である。また、スラバヤ国立大学、マナド国立大学など、高等教育機関にも多くの人材を輩出しており、インドネシアにおける日本語教育の中心的・指導的存在の一つといえる。2001年度には、インドネシア初の日本語教育専攻修士課程が大学院に開設された。
ロ.派遣先機関名称 インドネシア教育大学(Indonesia University of Education)
Universitas Pendidikan Indonesia (略称UPI)
ハ.所在地 Jl.Dr.Setiabudhi No.229 Bandung 40154 Jawa Barat Indonesia
ニ.国際交流基金派遣者数 現在 1名 (派遣開始以来、報告者で11人目である)
ホ.日本語講座の所属学部、
学科名称
言語芸術教育学部外国語教育学科日本語教育プログラム
Program Pendidikan Bahasa Jepang
Jursan Pendidikan Bahasa Asing
Fakultas Pendidikan Bahasa dan Seni
ヘ.日本語講座の概要
(イ)沿革
(1)講座(業務)開始年   1965年
(2)専門家・ジュニア専門家派遣開始年 1979年
(ロ)コース種別
日本語教育専攻(学部) 日本語教育専攻(修士課程)
(ハ)現地教授スタッフ
常勤15名 (内留学中 3名) 非常勤(日本人) 1名
(ニ)学生の履修状況
(1) 履修者の内訳  
学生総数  (学部) 343名
(修士課程) 13名
(2) 学習の主な動機 「先進国日本」というイメージから、日本語を学び、将来に活かしたいと考えている学生が多い。また、教師を志望する者も多いが、募集が少なく、安定した職業としては成立しにくい状況である。
(3) 卒業後の主な進路 一般企業・日本語教師
(4) 卒業時の平均的な
日本語能力レベル
在学中に2級に合格する者は4~5名で、平均すると2級と3級の間。
(5) 日本への留学人数 2005年度、2006年度とも日研生 1名私費留学中  5名

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