世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) ジャボデタベック地域におけるジュニア専門家の活動

ジャカルタ日本文化センター(ジャカルタおよび周辺地域)
平岩 桂子

 インドネシアには現在6地域にジュニア専門家が派遣されています。筆者はその中の1つ、ジャボデタベック地域(ジャカルタ・ボゴール・デポック・タンゲラン・ブカシ)に配属されており、配属校勤務や教師会支援といった地域支援活動を行っています。

配属校業務と学校訪問

配属校での様子の写真
配属校での様子

 ジュニア専門家は高校に配属され、基本的には週に1回配属校で勤務します。配属校においては、現地の日本語教師と共に教室に入り、お互いの授業見学やディスカッションを通じて教師支援を行っています。2005年度の配属校はジャカルタ市内の私立高校でした。地方の高校生とはまた少し違った、クールな都会の高校生といった感じもしますが、それでも授業中の様子は素直でかわいいものです。ただ、学生にとっては、普段は日本語に触れる環境にないため、いかにして学生の学習意欲を高めるか、日本語への興味を持ってもらうかということは現地の教師と一緒に悩むところです。

 また、配属校以外の学校についても、必要に応じて学校訪問を行い、教師支援を行っています。

教師会支援

(1)普通/宗教高校日本語教師会

 インドネシア各州には、教育省から許可された教科ごとの教師会が存在しており、ここジャボデタベック地域にも、普通/宗教高校の日本語教師会が存在します。月に1度開催され、情報交換・教授法や日本語や日本文化の勉強などを行っています。ジュニア専門家はオブザーバーとして、また、依頼があれば講師として教師会に参加しています。教師会の大きな仕事の1つとして、毎年行われている「高校生日本文化祭」の運営があります。今年度は弁論大会、書道大会、ロールプレイ大会などが行われ、日頃日本語を勉強している多くの学生が参加しました。弁論大会での上位2名は2005年4月に行われた全国大会に出場しました。

(2)専門高校日本語教師会

 専門高校の日本語教師による教師会も存在し、約2か月に1回開催されています。主に情報交換と教授法の勉強を行っています。

ジャカルタ日本文化センターへの協力

(1)教員研修

 毎年数回、ジャカルタ日本文化センターと教育省の共催で行われる教師向けの研修があります。2005年度はバリ、ジャカルタで開催された基礎研修に講師として出講しました。また、国際交流基金日本語国際センターで行われた「インドネシア中等日本語教師研修」の事前研修が基金ジャカルタ日本文化センターであり、日本語の授業を一部担当しました。配属校や教師会支援などの通常業務は1人で動くことが多いのですが、こうした研修の場合、センターの講師や他のジュニア専門家と協力して1つの仕事をすることになります。

(2)教材作成プロジェクト

 現在、普通/宗教高校向けの教材を作成中で、地域の教材作成委員と一緒に教材作成会議や評価会議を行っています。各地域の代表が集まって全体会議も行われます。既に高校2年生用教材は試用版が完成し、1年間の試用が終わりました。2006年の新学期からは3年生用教材の試用が行われます。筆者も配属校や学校訪問を通じ、教材の試用状況を把握していく予定です。

 以上が主な業務です。どれもすぐに成果が見えるようなものではありませんが、地道に活動を続け、ゆっくりと見守っていくことがここでの仕事だと感じています。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
及び業務内容
ジャカルタ周辺地区派遣のジュニア専門家は、地域の高校日本語教師の日本語教授力向上と日本語能力向上、また、地域内のネットワーク構築を支援するため、主に以下の業務を行う。(1)配属校業務を通じて、日本語教師の教授力向上を支援する。(2)高校日本語教師会の運営をサポートし、地域内で行われる小研修に出講する。(3)各種研修のフォローアップとして学校訪問を行う。(4)普通高校・宗教高校用教材作成に協力する。(5)高校日本語教師研修に講師として参加し、指導を行う。
ロ.派遣先機関名称
The Japan Foundation, Jakarta
ハ.所在地 Lantai 2-3, Summitmas I, Jl.Jend.Sudirman Kav. 61-62, Jakarta 12190, Indonesia
ニ.国際交流基金派遣者数 専門家:3名、ジュニア専門家:1名

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