世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 西ジャワ地区の日本語教育

インドネシア教育大学
山本晃彦

派遣先機関での業務

文化祭の成果を囲んでいる写真
文化祭の成果を囲んで

 インドネシア教育大学は全インドネシアの国立大学の中で、唯一学校名に「教育」を持つ大学です。この地区の中等教育機関の日本語教師の半数以上が当大学の出身者になります。ここでは主に会話と作文の授業を週3~4コマ担当しています。この国の学生たちが日本語を学ぶきっかけとなったのは、やはり日本のアニメや漫画の影響が強いです。そのせいか、パフォーマンス能力が非常に高い学生が多いです。

 授業以外には学科内の教師と一緒に勉強会を週に1度行っています。最近では初級の文法から指導上の注意点などをまとめて、発表、意見交換といった形式で進めています。この勉強会で学んだことを少しずつストックして、いつかこの成果をみんなで何らかの形にまとめたいと考えています。

 その他に学科会議に出席したり、シラバス、カリキュラム等のアドバイスや学生からの質問に答えるなどのコンサルティング業務も行っています。

派遣地域での業務

 この地域には日本語科を持つ大学が多数集まっています。そこで、各大学を訪問し、問題点などを話し合うのも大切な業務です。特に若手の先生の授業を見学し、よりよい授業を目指して意見交換を行っています。

 また、インドネシア日本語教育学会西ジャワ支部の活動にも支援を行っています。そのひとつは、この地域の先生方と一緒に行う勉強会です。日本語教授法の勉強会(月1回)では、技能別教授法や日本事情の他に、先生方の研究発表なども取り入れ、既に現地の先生方中心の勉強会となりつつあります。日本語能力向上勉強会(月2回)では自身の日本語能力を高めることを目標に2級程度の読解・文法について勉強しています。また、最近では日本語で論文を書くための勉強をしたい、という意見も出てきました。今後、新たに論文勉強会が立ち上がるかもしれません。

 年に2回発行されるニューズレター「MEDIA KOMUNIKASI」にも協力しています。これは西ジャワ支部の学会誌のようなものです。昨年12月から、誌名を「わ」と改め、新たなスタートを切りました。「わ」は「輪」であり「和」であり、また「日本」を表す言葉でもあります。多くの先生方の「和」から「輪」を作り上げていきたいとの願いが込められています。地域のネットワーク作りに貢献できるような、そんな冊子となるように、定期的に発行できるシステムを作り上げていきたいと思います。

 そのほかに、年1回の支部セミナー、メーリングリストをはじめとする地域支援ネットワーク作り等、西ジャワ地域全体の日本語教育のさらなる発展をめざし、様々な形で支援を行っています。

第33回バンドン日本語日本文化祭

演劇「牡丹灯籠」の写真
演劇「牡丹灯籠」より

 今年も恒例の文化祭がパジャジャラン大学で行われました。文化祭といってもバンドン地区の各大学から選ばれた学生たちの、聴解、かな、漢字、作文、スピーチ等のコンテストがメインです。インドネシア教育大学の学生たちも数々のコンテストで好成績を収めました。

 2日目の午後には、パジャジャラン大学の有志たちによる演劇「牡丹灯籠」が上演されました。かなり練習を積み上げたのでしょう。やや古典的な言い回しを巧みに表現していました。役者たちの熱演に、会場も大いに盛り上がり、あっという間の2時間でした。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
及び業務内容
インドネシア教育大学日本語講座は1965年に創設された。インドネシアの高等教育機関の中では、バ ンドン市近郊にあるパジャジャラン大学(UNPAD) の日本語講座に次ぐ伝統のある大学である。高校の日本語教師養成を当講座の目標に掲げていることでも分かるように、西ジャワ州の高校の日本語教師の大半が当講座の出身者である。また、スラバヤ国立大学、マナド国立大学など、高等教育機関にも多くの人材を輩出しており、インドネシアにおける日本語教育の中心的・指導的存在の一つといえる。2001年度には、インドネシア初の日本語教育専攻修士課程が大学院に開設された。
ロ.派遣先機関名称 インドネシア教育大学(Indonesia University of Education)
Universitas Pendidikan Indonesia (略称UPI)
ハ.所在地 Jl.Dr.Setiabudhi No.229 Bandung 40154 Jawa Barat Indonesia
ニ.国際交流基金派遣者数 現在 日本語教育専門家1名 (派遣開始以来、報告者で12人目である)
ホ.日本語講座の所属学部、
学科名称
言語芸術教育学部外国語教育学科日本語教育プログラム
Program Pendidikan Bahasa Jepang
Jursan Pendidikan Bahasa Asing
Fakultas Pendidikan Bahasa dan Seni
ヘ.日本語講座の概要
(イ)沿革
(1)講座(業務)開始年   1965年
(2)専門家・ジュニア専門家派遣開始年 1979年
(ロ)コース種別
日本語教育専攻(学部) 日本語教育専攻(修士課程)
(ハ)現地教授スタッフ
常勤15名 (内留学中 3名) 非常勤(日本人) 1名
(ニ)学生の履修状況
(1) 履修者の内訳  
学生総数  (学部) 380名
(修士課程) 14名
(2) 学習の主な動機 日本語教師希望、日系企業への就職
(3) 卒業後の主な進路 一般企業・日本語教師
(4) 卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力検定2級を受験可能な程度
(5) 日本への留学人数 3名程度

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