世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 西ジャワの日本語教育

インドネシア教育大学
山本 晃彦

バンドン日本語教育事情

 バンドンはインドネシアのジャワ島の西部にある西ジャワ州の州都です。町の中心部は標高700メートルと高地であるため、涼しく過ごしやすい環境です。そのせいか、この町には大学が非常に多く、日本語を主専攻とする大学が7大学、選択科目がある大学を含めれば、約3000人の大学生が日本語を学んでいます。また、高校でも西ジャワ州内では約230校で第2外国語、あるいは第3外国語として日本語を学んでいます。さらに、中学校や小学校でも日本語に触れる機会がもたれるようになってきました。あちこちで日本祭りや日本文化祭等が行われ、スピーチコンテストや書道コンテストといったまじめなものから、コスプレ、アニメキャラクターデザインコンテストまで、日本語は広く親しまれるものとなっています。

派遣地域での業務

会話クラスの授業風景の写真
会話クラスの授業風景

 私の派遣先機関はインドネシア教育大学と言います。西ジャワ州はもとより広くインドネシア全国で、当大学の出身の教師が教壇に立っています。私はここで、1週間に3コマ(1コマ100分)会話や作文の授業を現地の先生とチームを組んで行っています。学生に日本語の知識を伝えるのはもちろん、教師として必要な技術もできるかぎり伝えたいと思っています。また、授業以外に、学科会議に出席したり、先生方や学生たちのコンサルティングを行ったりしています。

 もうひとつの業務は地域支援業務です。バンドン市内の大学、それにおとなりのチルボン市の2大学を時折訪問し、情報交換、コンサルティング等を行っています。

 今年度から、新たに中等教育支援も私の担当となりました。ここでは、現地の先生方といっしょに、西ジャワ高校教師会や小研修を行っています。

インドネシア日本語教育学会

 インドネシア日本語教育学会の本部は現在、バンドンにあります。ここでは1年に1回行われる全国セミナーについて、学会スタッフの先生方と企画を行ったりします。また今年、しばらく休刊していた学会誌を復刊させることができました。私も投稿論文の査読などのお手伝いをしました。

 インドネシアは非常に広い国なので、学会は9つの支部に分かれ、それぞれ独自に活動を行っています。ここ西ジャワ支部でも、1年に1回の支部セミナー、1年に2回発行のジャーナル、月に1回の日本語教育勉強会と論文研究会、月に2回の日本語能力向上勉強会などを現地の先生と協力しながら運営しています。赴任したばかりのころは、勉強会の主導権を私が握っているような感じでしたが、最近では現地の先生の発表や、現地の先生と協働でワークショップを行うことも多くなり、少しずつ現地化・自立化が進んでいるように思えます。

文化祭

習字優秀作品の写真
習字優秀作品(大学生)

 毎年2月から5月ごろまでが文化祭のシーズンです。高校や大学でいろいろな文化祭が行われます。その中でも大きなイベントが、西ジャワ高校文化祭とバンドン日本語日本文化祭です。

 高校の文化祭では西ジャワ地域の高校生がバンドンに集まり、スピーチや朗読、習字などのコンテストが行われます。今年は開催地のバンドン第10国立高校の生徒たちによるアンクロン演奏(スンダ地方の民族楽器)が行われました。

 バンドン日本語日本文化祭ではバンドン地域の大学が一同に集まり、高校文化祭同様、様々なコンテストが行われます。学生たちは1つでも多くのトロフィーを持って帰るために、真剣にコンテストに取り組んでいます。また、開催校のパジャジャラン大学の有志の学生たちによる日本語演劇も楽しみのひとつです。今年はスンダ民族の昔話が日本語で上演され、演技だけではなく、きらびやかな衣装にも魅了されました。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
及び業務内容
当該日本語講座は1965年に創設された。インドネシアの高等教育機関の中では、バンドン市近郊にあるパジャジャラン大学(UNPAD) の日本語講座に次ぐ伝統のある大学である。高校の日本語教師養成を当講座の目標に掲げていることでも分かるように、西ジャワ州の高校の日本語教師の大半が当講座の出身者である。また、スラバヤ国立大学、マナド国立大学など、高等教育機関にも多くの人材を輩出しており、インドネシアにおける日本語教育の中心的・指導的存在の一つといえる。2001年度には、インドネシア初の日本語教育専攻修士課程が大学院に開設された。
ロ.派遣先機関名称 インドネシア教育大学(Indonesia University of Education)
Universitas Pendidikan Indonesia (略称UPI)
ハ.所在地 Jl.Dr.Setiabudhi No.229 Bandung 40154 Jawa Barat Indonesia
ニ.国際交流基金派遣者数 日本語教育専門家:1名 (派遣開始以来、報告者で12人目)
ホ.日本語講座の所属学部、
学科名称
言語芸術教育学部日本語教育学科
Jursan Pendidikan Bahasa Jepang
Fakultas Pendidikan Bahasa dan Seni
ヘ.日本語講座の概要
(イ)沿革
(1)講座(業務)開始年   1965年
(2)専門家・ジュニア専門家派遣開始年 1979年
(ロ)コース種別
日本語教育専攻(学部) 日本語教育専攻(修士課程)
(ハ)現地教授スタッフ
常勤18名 (内留学中 3名)
(ニ)学生の履修状況
(1) 履修者の内訳  
学生総数  (学部) 約500名
(修士課程) 約35名
(2) 学習の主な動機 日本語教師希望、日系企業への就職
(3) 卒業後の主な進路 一般企業・日本語教師
(4) 卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力検定2級を受験可能な程度
(5) 日本への留学人数 1名

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