世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) ジュニア専門家の活動 —北スラウェシ州—

国際交流基金ジャカルタ日本文化センター(北スラウェシ州中等教育機関)
工藤 聖子

 インドネシアでは多くの高校で日本語が第2外国語として教えられていますが、ここ北スラウェシ州でも、約70校で日本語が教えられており、インドネシア人教師も約90名います。同州では日本語教師の公務員採用がインドネシアの他の地域より進んでおり、それに伴い日本語教育を行う学校も増えています。私は北スラウェシ州の首都マナドを拠点にし、日々の業務を行っています。業務は多岐にわたるのですが、今回は、ジュニア専門家として行っている主な活動についてご紹介したいと思います。

配属校業務

配属校での授業の様子の写真
配属校での授業の様子

 配属校業務とは1年間継続して、同じ高校、同じ教師に対して日本語教育に関わるすべてにおいて支援をする業務です。二つの高校に週に1回ずつ通い、インドネシア人教師と交替で授業を行います。より良い授業を行うため、授業の前後には授業の流れや工夫した点、直すべき点などについてディスカッションをします。最初は自分の授業について分析することができなかった先生も、1年間継続して通うことによって、お互い率直な意見を言えるようになり、自分の行った授業を振り返り、より良い授業を行うために何をすべきか考え、実行する力がつきました。また、私自身も先生たちの指摘により学んだこともたくさんあります。今後は、この1年で学んだことを、地域の先生たちにフィードバックしてもらいたいと考えています。

高校日本語教師会・勉強会への支援

弁論大会の写真
弁論大会

 北スラウェシ州では、一か月に一度日本語教師が北スラウェシ州内各地から集まり、教師会が開かれています。模擬授業や、模擬授業後のディスカッション、日本語によるスピーチ、スピーチに関する質疑応答などが行われ、日本語教授力や日本語力を上げるための活動をしています。運営は現地の先生で行われているので、私はディスカッションに参加したり、日本文化を紹介したり、日本語の教え方について講義を行ったりと、先生たちの要望に応じて活動の支援をしています。また1年に一度高校生弁論大会が行われ、スピーチの他に書き取りコンテストや、朗読コンテストも行われています。高校生と指導した先生たち、みんなが楽しんで行われ、今年も和やかな雰囲気で終わりました。

 勉強会については、日本語能力を上げるための活動の場として週に一度行われています。現在のところ私が講義を行っていますが、今後は現地の先生が講義をできるようになってほしいと考えています。

学校訪問業務

 学校訪問業務では配属校以外の地域の学校に出向き、授業を見学し、授業についてのディスカッションを行ったり、学校、学習者の様子を自分の目で確かめ、先生たちが抱えている問題について話し合ったりすることを目的に行っています。今年度は、私自身この地域に派遣されたばかりだったのと、教師会だけでは一人一人の先生とじっくり話すことが難しいことから、より多くの先生たちと話し合うため、多くの学校を訪問しました。学校では高校生たちが日本語の歌を披露してくれたり、一生懸命日本語で話しかけてきたりと、どこの学校でも歓迎してくれます。日本語が広がっていることが感じられ、うれしい限りです。

今後の課題

 同州にジュニア専門家が派遣されるようになって、すでに10年以上がたちました。地域の先生たちのネットワークはすでに構築され、教師会の運営も支障なく行われています。今後は、日本語力を高めるための勉強会も、現地の先生で運営できるようにしていきたいと考えています。また、今年度はマナドまで遠く教師会にもなかなか来ることが難しい遠方への支援に力を入れたいと思っています。そのためにも、特にその地域で中心となって活躍できる先生を育成していきたいと考えています。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
及び業務内容
1997年、北スラウェシ州に初めて日本語教育ジュニア専門家(旧青年日本語教師)が派遣された。ジュニア専門家は国際交流基金ジャカルタ日本文化センターの業務方針に従い、主に以下の業務を行う。
(1)配属校において日本語教育に関する指導を行う。(2)派遣地域の現地教師に対する支援を行う。高校日本語教師会(MGMP等)の活動を支援する。(3)高校日本語教師研修の実施に協力する。(4)高校日本語教材の作成に協力する。(5)派遣地域の日本語教育に関する情報を収集する。
ロ.派遣先機関名称
The Japan Foundation, Jakarta
ハ.所在地 Lantai 2-3, Summitmas I, Jl.Jend.Sudirman Kav. 61-62,
Jakarta 12190, Indonesia
ニ.国際交流基金派遣者数 ジュニア専門家:1名
アドバイザー派遣開始年 1997年

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