世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) インドネシアにおける教育改革、改善の動きと派遣専門家の役割

スラバヤ国立大学
松本 剛次

 皆さん、こんにちは。インドネシアはスラバヤ国立大学に派遣されています松本剛次です。インドネシアへの赴任は私にとっては2回目で、前回はスマトラでした。今回は東ジャワですが、また、スマトラとは違った文化で毎日が刺激的で、とても充実した日々を送っています。

 さて、今回は、こちらでの私の活動についてご報告いたします。インドネシアでは、今、教育改革の動きが進行中で、教員の質を上げる、ということが大きな課題になっています。私の派遣先であるスラバヤ国立大学はその前身が教育大学ということもあり、現在でも、教員養成的な性格が強い大学で、東ジャワ州の教師の多くはこの大学の出身者です。2011年9月からは、新たに日本語教育・文学教育専攻の修士課程が開講しました。さらに、2012年7月からは、「教師専門研修プログラム(Plogram Latihan Profesi Guru (以下「PLPG」))という10日間の教師研修プログラムが、2012年9月からは「教師養成特別過程(Pendidikan Profesi Guru(以下「PPG」))という1年間の教師養成課程が始まる予定です。前者は、経験がある程度以上ある教師を対象にしたプログラムで、後者はまだ経験が浅い教師、あるいはこれから教師になろうとする人のための1年間のプログラムです。インドネシアでは、いままでは4年制の大学を卒業すれば、それが自動的に教師の資格とされていたのですが、今後は、このように研修を積んだ教師でなければ、正式な教師とは認められない、ということになります。  

大学院での授業風景の写真1
大学院での授業風景 1
大学院での授業風景の写真2
大学院での授業風景 2

 そのようなインドネシアにおける大きな教育改革、改善の動きの中で、私の仕事は、前述の修士課程や、PLPGPPGの立ち上げにアドバイザーとして関わることで、日本語教育の面において、その改革、改善に協力するところにあります。非常に有意義で、やりがいのある仕事です。具体的には、修士課程での授業を担当しているほか(写真1、2)、コースデザインに対する助言を行い、また、学内での勉強会を立ち上げて、PLPGPPGを指導する大学教員の意識を高めたり、準備を進めたり、アドバイスを行う、という活動をしています。また、大学外では、東ジャワには東ジャワ州高校日本語教師会(以下、教師会)という主に高校で日本語を教えている先生達の組織があるのですが、そこにもアドバイザーとして積極的に関わり、研修や勉強会のお手伝いをしています。この教師会は毎年、高校日本語文化祭という東ジャワ地区で日本語を学習している高校生を集めた、大きな文化祭も開催しています。コスプレ大会やバンドコンテストなども行われ、非常に盛り上がります。

 所属大学でのPLPGPPGといった動きと、この教師会の活動をどうつなげていくか、つないでいくか、といったことが今後の大きな課題です。私のような派遣専門家が間に入ることによって、それが実現できれば、と考えています。

派遣先機関の情報
派遣先機関名称 スラバヤ国立大学
The State University of Surabaya
派遣先機関の位置付け
及び業務内容
1981年国立スラバヤ大学(以下、「UNESA」)の前身スラバヤ教育大学に東部ジャワで初めて日本語プログラムが設けられた。1999年に総合大学へ改組。しかし現在でも教員養成的な性格は強い。2011年には、日本語教育・文学教育の修士課程も開講。日本語上級専門家の業務は大学院での指導、コースデザインのアドバイスと、教員養成特別課程開講に向けての支援が中心。また、地域業務として、域内の高等教育機関へのサポートも行う。
所在地 Lidah Wetan, Surabaya, Indonesia
国際交流基金からの派遣者数 上級専門家:1名、指導助手:1名
日本語講座の所属学部、
学科名称
言語芸術学部外国語外国文学科日本語プログラム
日本語講座の概要
沿革
講座(業務)開始年   1981年
国際交流基金からの派遣開始年 1981年
コース種別
主専攻
現地教授スタッフ
常勤17名(うち邦人0名、3名留学中)
学生の履修状況
履修者の内訳   1年~4年 各学年とも80名程度
学習の主な動機 「日本文化への興味」、「日系企業への就職」、「日本語教師志望」等
卒業後の主な進路 一般企業(日系企業を含む)、中等教育の日本語教育機関
卒業時の平均的な
日本語能力レベル
N3以上N2未満
日本への留学人数 毎年数名

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