世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 日本語専攻コース in Malaysia

マラヤ大学言語学部
川崎美重子

1.マラヤ大学及び日本語専攻コースの概要

マラヤ大学はマレーシアの国立大学8校のうちの一つで、歴史が古く建国以来高等教育の中心的役割を担ってきた。現在、医学部、法学部、経済学部などの学部に人気が高く、優秀な学生が集まっているといわれている。またキャンパスはクアラルンプールの中心地に近く、日本からの学生も含め、多数の留学生が学んでいる。

大学における日本語講座は、初めに1969年に文学部の選択科目として開講された。1972年には、言語学部の前身であるランゲージセンターが開設された。1996年、文学部東アジア研究学科に日本研究コースがスタートし、この年より、マレーシアの大学は4年制から3年制に改められた。

1997年、ランゲージセンターは、言語学部として新たにスタートし、1年後の1998年、他大学に先駆けてマレーシアで唯一の日本語専攻のBAコースが、言語学部に開設された。現在、このコースはアジア・ヨーロッパ言語学科に属し、日本語の他に、フランス語、イタリア語、スペイン語、ドイツ語がBAコースを開設している。

2.コースの内容

今年度(2002年)入学の1年生は10人であった。今年度より1年生は日本語を週16コマ受講し、かつ週2時間セルフアクセスルームで自習することとなった。それにつれて、成績評価の配分(平常点、最終試験、会話試験)も変更された。日本語の授業は、2年生の前期で終了し、その後は専門の科目を履修することになる。

日本語コースのスタッフは常勤6人(邦人3名)おり、それぞれが選択科目の講座、文学部の講座、専門科目、及び1,2年生の日本語を受け持っている。

3.日本語教育専門家に期待される役割、担当業務

日本語専攻コースの学生の教育、指導、(テスト作成、採点、報告)、カリキュラム、テストへの助言、会議への参加等が担当業務として挙げられている。現在、1年生の日本語16コマの半分、8コマと2年生の日本語12コマのうち7コマの授業を担当している。

4.現在の状況

前学期のテスト(9月試験実施分)作成がやっと終わったところであり、瞬く間に一ヶ月が過ぎた。今年度の新入生においては、10人中、4人が日本語を希望した学生であった。一ヶ月が経ち、再履修の学生も加わり、新入生はようやく学習環境にも慣れ、落ち着いて学習するようになった。学習意欲も出てきたようで、その意欲に答えられるよう、教材面、学習面等、努力したい。

2年生においては、非常に意欲がある学生が多いので、欠けている会話力を伸ばすようにしたい。また、日本語コーススタッフとの良好な関係も日本語教育の現地化、自立化を促進する上で重要であり、目下、その関係確立を目指しているところである。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
 マレーシアで唯一の日本語専攻BAコース。マレー系、中国系、インド系の生徒がおり、それぞれの生徒の特徴にあわせた教授法が求められる。専門家は日本語講座での日本語教授、カリキュラム・教材作成に対する助言を行ったり、学外でのスピーチコンテスト、作文コンテストの審査員を務める。
ロ.派遣先機関名称 マラヤ大学言語学部
University of Malaya Faculty of Languages and Linguistics
ハ.所在地 Jalan Lembah Pantai, 50603 Kuala Lumpur, Malaysia
ニ.国際交流基金派遣者数 専門家:1名
ホ.日本語講座の所属学部、
  学科名称
言語学部 アジア・ヨーロッパ語学科
ヘ.日本語講座の概要
(イ)沿革
(1)講座(業務)開始年   選択:1969年~ 専攻:1998年~
(2)専門家・青年教師派遣開始年 1996年
(ロ)コース種別
言語学部日本語専攻コース、選択科目、文学部日本研究コース
(ハ)現地教授スタッフ
常勤6名(うち邦人3名)
(ニ)学生の履修状況
(1) 履修者の内訳   1年生:14名、 2年生:19名、3年生:18名
(2) 学習の主な動機 留学、中国系は、日本企業への就職、通訳・翻訳家、日本語教師志望者
(3) 卒業後の主な進路
(4) 卒業時の平均的な
日本語能力レベル
2年前期終了時点で初級終了程度
(5) 日本への留学人数 3年生:1名

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