世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) タイ中北部の高校における日本語教育(2005)

ウドムダルニー・スクール
吉川景子

高校3年生の授業風景の写真
高校3年生の授業風景
「先生の日」のセレモニーの写真
「先生の日」のセレモニー

ウドムダルニー・スクールはタイの中北部、スコータイにある中高一貫の学校です。この学校は外国語科目に力を入れていて、英語のほかにフランス語、日本語、中国語の授業が行われています。英語には「英語プログラム」といってすべての授業を英語で行う特別なクラスもあります。また高校生になると5つの科目から専門を選択しますが、その中にフランス語もあります。日本語の授業はフランス語を専門として選んだ学生に対して必修科目として行われます。今年度は各クラス週2時間、日本語を勉強しています。それ以外にクラブ活動として週1時間、日本や日本語に興味のある学生が参加しています。

この学校にはタイ人の日本語の先生が1人います。元々は英語の先生でしたが、国際交流基金バンコク日本文化センターで行われた「中等学校現職教員日本語教師養成プロジェクト」に参加した後、英語と日本語の両方を教えるようになりました。私はこの先生といっしょに日本語の授業に入り、学生の練習をチェックしたりしてサポートをしています。また、授業後、いっしょに授業を振り返って、フィードバックしています。

私の担当する地域はスコータイだけではなく、タイ中北部全域にわたります。この地域内で日本語教育が行われている中等教育機関は約15校あります。これらの学校を随時訪問し、情報交換を行ったり、日本語の授業を見学・サポートしたりします。地方の学校ではなかなか日本人に会うチャンスがないので、そういう地域で勉強している学生に対し、モチベーションを高める効果もあります。地方ですから、公共交通機関を使って訪問するのにはとても時間がかかりますが、学校により日本語の授業の学生数も、クラスの雰囲気も先生の教え方のタイプも違い、いろいろな形の日本語教育にふれることができます。

地方では学生だけでなく、教師もクラス以外で日本語を使う機会がほとんどなく、自分の日本語能力を維持するのに苦労しています。タイ北部のチェンマイや南部のソンクラーでは各地域のジュニア専門家が地域のタイ人日本語教員に対して教師研修を行っています。タイ中北部でも同様に教師に対する支援が求められており、2学期(タイの高校は2学期制)からスタートできるよう、現在、準備を進めています。この地域では教師間の特定のネットワークがまだ存在しないので、この研修で定期的に顔を合わせることが何かのきっかけになれば、と思っています。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
本校は国立の6年生中等学校である。2002年度からフランス語を専門とする学生に対して選択必修科目として開講。ジュニア専門家は日本語クラスをタイ人教師と協力して運営している。それ以外の業務として(1)タイ中北部の日本語教育実施中等教育機関への学校訪問および情報収集、(2)同地域のタイ人日本語教員に対する研修、(3)同地域における日本語教員のネットワーク構築への協力、などがある。
ロ.派遣先機関名称 ウドムダルニー・スクール
Udomdarunee School
ハ.所在地 Tambon Thanee, Muang District, Sukhothai 64000 Thailand
ニ.国際交流基金派遣者数 ジュニア専門家:1名
ホ.日本語講座の所属学部、
  学科名称
外国語学科
ヘ.日本語講座の概要
(イ)沿革
(1)講座(業務)開始年   2002年
(2)専門家・ジュニア専門家派遣開始年 2005年
(ロ)コース種別
選択必修(週2時間)・課外活動(週1時間)
(ハ)現地教授スタッフ
常勤2名(うち邦人1名)
(ニ)学生の履修状況
(1) 履修者の内訳   中2:49名 高1:55名 高2:39名 高3:36名
(2) 学習の主な動機 学校の方針
(3) 卒業後の主な進路 大学進学
(4) 卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力試験4級を受験可能な程度
(5) 日本への留学人数 なし

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