世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) タイ東北部の中等教育事情

ウドンピッタヤヌクーン校
吉川景子

高校2年生の授業風景の写真
高校2年生の授業風景
高校3年生の授業風景(発表)の写真
高校3年生の授業風景(発表)

 ホームページをご覧のみなさん、こんにちは。

 2006年7月より異動になった東北部ウドンターニーにあるウドンピッタヤヌクーン校は、学生数約5200人を抱えるタイ国内最大規模の学校です。高校生から専門科目を選ぶようになっていて、日本語は日本語+英語コースを選んだ学生が週5時間勉強しています。主な動機は日本のポップカルチャーへの興味からです。ウドンターニーは特に観光地でもなく、在住日本人も非常に少ないため、生の日本人、日本語に触れる機会はほとんどありません。教室の中でしか日本語を使う機会がないのですが、できるだけ発表の場を作るようにしています。

 学校での仕事以外に、近隣にある日本語を教えている学校を訪問しています。日本人がいない学校では慣れていないので最初は学生が恥ずかしがったりしますが、必ず、また来てください、と言われます。遠い学校だと公共バスで片道5時間ぐらいかかるので、1学期に1回ぐらいしかいけませんが、できるだけいろいろな学校を回りたいと思っています。

 また、地域のタイ人日本語教師を対象に月に2回のペースで土曜日に勉強会を行っています。地域に日本人がいない先生は日本語能力を維持するのに苦労しています。日本語を忘れないように、もっと勉強したいから、という理由ももちろんですが、同じように普段は1人でがんばっているほかの先生たちに定期的に会えるというのも大切なことです。学校の情報交換をしたり、悩みを相談しあったり、教師間のつながりを深めるのにも勉強会は役に立っていると思います。

 タイ国内だけではありません。ウドンターニーから隣国ラオスの首都ビエンチャンまでは70キロ、車で1-2時間ぐらいで国境を越えることができます。また、タイ東北部で話されているイサーン語とラオス語はほとんど同じなので、コミュニケーション上でも問題がありません。ですから、国を超えてタイ東北部とビエンチャンでネットワークを構築することができないか、と現在活動中です。今までにラオス人の先生をタイ側に招聘して授業を見学してもらったり、タイ人の先生がビエンチャンへ行って見学したり、意見交換をして交流を深めています。今後は、日本語を使ったイベントを企画して、学生同士の交流ができないか、と考えています。

 国を超えてのネットワーク作りはまだ始まったばかりですが、継続できるよう、協力して行きたいと思っています。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
ウドンピッタヤヌクーン校は国立の6年制中等学校である。1998年に選択科目として開講、現在は専門科目として日本語クラスが開講されている。ジュニア専門家は日本語クラスをタイ人教師と協力して運営している。それ以外の業務として(1)タイ東北部の日本語教育実施中等教育機関への学校訪問および情報収集、(2)同地域のタイ人日本語教員に対する研修、(3)同地域、隣国ラオス間のネットワーク構築への協力、などがある。
ロ.派遣先機関名称 ウドンピッタヤヌクーン校
Udonpittayanukoon School
ハ.所在地 77 Srisuk. Rd., A. Muang, Udonthani 41000 Thailand
ニ.国際交流基金派遣者数 ジュニア専門家:1名
ホ.日本語講座の所属学部、
  学科名称
外国語部
ヘ.日本語講座の概要
(イ)沿革
(1)講座(業務)開始年   1998年
(2)専門家・ジュニア専門家派遣開始年 2006年
(ロ)コース種別
専門科目(週5コマ)、クラブ活動(週1コマ)
(ハ)現地教授スタッフ
常勤2名(うち邦人1名)
(ニ)学生の履修状況
(1) 履修者の内訳   高1:50名、高2:44名、高3:35名
(2) 学習の主な動機 日本のポップカルチャーへの興味
(3) 卒業後の主な進路 大学進学
(4) 卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力試験3級受験可能
(5) 日本への留学人数 ほとんどなし

ページトップへ戻る