世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) タイ東北部、ウドンターニーから

ウドンピッタヤーヌクン校/東北部地域
武井康次郎

 タイの都市といえばバンコクやチェンマイ、そしてプーケットを思い浮かべる方が多いと思いますが、ウドンターニーを思い浮かべるという方はまずいないのではないでしょうか。

デパートの中は日本と変わらず物がいっぱいの写真
デパートの中は日本と変わらず物がいっぱい

 ウドンターニーはタイ語で「北部の都市」という意味を表します。しかし、ウドンターニーはタイの東北部に位置しています。バンコクから約500km離れていて、飛行機で約1時間かかります。バンコクよりラオスの首都であるビエンチャンの方が近く、ビエンチャンまでバスで2時間ぐらいで行けます。

 首都から遠いウドンターニーを含む東北部の都市でもメディアの発達のためか、バンコクと同じように日本や韓国のポップカルチャーに興味を持っている若者が増えており、ポップカルチャーをきっかけに日本語学習を始める人も多いです。

県下一の名門校ウドンピッタヤーヌクン校の写真
県下一の名門校ウドンピッタヤーヌクン校

 タイの学校制度は日本と同じ6・3・3・4年制を採用しています。各学年は2学期制をとり、年や学校によって多少変わりますが、1学期は5月中旬から9月下旬まで、2学期は11月上旬から3月中旬までとなり、これで1年度が修了します。義務教育期間は日本と同じく9年間ですが、中学と高校が日本とは違い、同じ学校でありながら、前期中等学校(中学)、後期中等学校(高校)という形をとっています。わかりやすく言うと、日本で言う中高一貫教育のような形です。私が派遣されているウドンピッタヤーヌクーン校は108年前に創立された伝統ある中等教育機関で、学生数も5000人を超えるマンモス校です。後期(高校)から専門科目として日本語を選択することができ、週5時間勉強しています。ウドンピッターヤーヌクン校は東北部での中核校であり、ここでの日本語の授業が他の東北部の学校の良いモデルになるようにと、日々タイ人の先生と協力して、質の向上に努めています。

 私の仕事はウドンピッタヤーヌクン校での仕事以外に東北部で日本語科目を開講している中等教育機関を訪問し、現地で活躍しているタイ人または日本人の教師に対しアドバイスしたり、地域で開かれるスピーチコンテストなどの日本語を使ったイベントを企画したり、参加したりします。

 東北部には日本人が少なく、ほとんど日本人と接する機会がないというタイ人の先生も少なくありません。そんな先生たちの日本語能力のアップやお互いの情報交換のため、今までは勉強会が開かれていましたが、この地域はとても広く、また、交通の便が悪いため、なかなか参加できないという先生もいました。そこで、前任者から通信教育が始まり、以前より多くの先生方が参加できるようになりました。まだ、こちらから先生方への情報提供というトップダウンの関係ですが、将来的にはタイ人の先生同士が情報交換できる自由な場にして行こうと考えています。

派遣先機関の情報
派遣先機関名称 ウドンピッタヤヌクーン校
Udonpittayanukoon School
派遣先機関の位置付け
及び業務内容
本校は国立の6年制中等学校である。1998年に選択科目として開講、現在は専門科目として開講されている。専門家は日本語クラスをタイ人教師と協力して運営している。それ以外の業務として(1)タイ東北部の日本語教育実施中等教育機関への学校訪問および情報収集、(2)同地域のタイ人日本語教員に対する研修、(3)同地域、隣国ラオス間のネットワーク構築への協力、などがある。
所在地 77 Srisuk. Rd., A. Muang, Udonthani 41000 Thailand
国際交流基金からの派遣者数 専門家:1名
日本語講座の所属学部、
学科名称
外国語部
日本語講座の概要
沿革
講座(業務)開始年   1998年
国際交流基金からの派遣開始年 2006年
コース種別
専門科目(週5コマ)、クラブ活動(週1コマ)
現地教授スタッフ
常勤2名(うち邦人1名)
学生の履修状況
履修者の内訳   高1:53名 高2:45名  高3:45名 (2009年度)
学習の主な動機 日本のポップカルチャーへの興味
卒業後の主な進路 大学進学
卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力試験3級受験可能
日本への留学人数 ほとんどなし

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