世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) ぺらぺら、すらすら 話したい! -増加するベトナムの日本語学習者-

ベトナム日本人材協力センター(ホーチミン)
藤井 明子

 日本語がぺらぺら話せるようになりたい、すらすら話せるようになりたい、そんな受講生たちがベトナム日本人材協力センター(ホーチミン)(以下VJCCHCMC)日本語コースの一般クラスに通っています。VJCCHCMCはホーチミン市内中心から少し離れたデーナンD5 通りにあります。敷地内にはカウンターパート校である貿易大学ホーチミン分校の校舎もあり、学生達でいつもにぎやかです。以前は静かだったD5通り界隈にも最近は学生相手の喫茶店や食堂ができました。VJCCHCMCでは現在夜間、学校や会社帰りの人達が日本語を学んでいますが、受講生も常時100人を数えるようになっています。

 日本語コースの開講講座は中級会話が中心です。「ぺらぺら」「すらすら」は会話クラスの名前です。会話クラスを中心に開講している日本語教育機関はホーチミン市市内には少ないので、受講を希望する人は多く、プレイスメントテストを行って受講生を決定しています。また、日本語コースでは日本語能力試験1級・2級対策クラスもそれぞれ開講しています。ホーチミンには現在日系企業が約360社(ホーチミン日本商工会加盟数)あり、日系企業への就職のためにも日本語能力試験2級合格は欠かせない条件となりつつあります。最近当地でも、試験対策クラスはどこの日本語教育機関でも人気があります。VJCCHCMCでもクラスの募集案内を開始する前に応募申込者が登録にやってくるほどです。日本語学習者の増加、その学習者の日本語レベルの向上がこのようなところにも現れています。現在、ベトナム南部地域だけで、約1万8千人の日本語学習者がいると予測されます。VJCCHCMCでも、 2007年度後半には、増加する学習者のさまざまなニーズに応えるために、ビジネス会話、通訳入門クラス等、目的別クラスも開講する予定です。

第13回(2007年度)ホーチミン市スピーチコンテストの写真
第13回(2007年度)ホーチミン市スピーチコンテスト
日本語教授法クラスの写真
日本語教授法クラス

 毎年5月に開催されるホーチミン市スピーチコンテストにも、日本語学校、大学から多数の募集があります。このコンテストは市内有志の日本語教師で運営されており、VJCCHCMCは事務局を担当させていただいています。地域の先生方のお手伝いがVJCCHCMCの役割です。今後、どのように、より効率的に協力できるかが私達の課題だと思っています。

 日本語教育セミナー、日本語教授法クラスの開講もVJCCHCMC日本語コースの重要な活動の一つです。2007年4月に開催した日本語教育セミナーには約130名の日本語教師がホーチミン市内からだけでなく、カントー市、ダラット市からも参加しました。新しい知識を吸収したいという先生方の要望に応えられるよう、今後もセミナーや教授法クラスを予定しています。 

 ベトナム南部地域での日本語教育の歴史は10年余りとまだ浅く、ホーチミン市内でも日本語を主専攻として学習できる大学は2校しかありません。日本語教師もまだまだ不足しており、さまざまな大学、日本語学校で、掛け持ちで教えている例は少なくありません。教材の入手も非常に困難な状態が続いています。そのような厳しい教育環境の中でも日本語を熱心に教えている先生方のお手伝いができるよう、今後もVJCCHCMC日本語コースとして、活動していきたいと思っています。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
JICA(国際協力機構)の市場経済移行国支援プロジェクト日本センターの一つ。
ベトナム南部における日本語教育モデル校となると同時に、日本語教師研修も行いホーチミン市に優良日本語教師を輩出する役割も果たす。また、市内日本語教師ネットワークの維持・強化のためにも注力。通常は、一般日本語コースの開講のほか、ビジネス日本語コースなども行い、日系企業で即戦力となる人材育成をサポート。他、付属図書館は日本語関連リソースセンター機能を持つ。
ロ.派遣先機関名称 ベトナム日本人材協力センター(ホーチミン)
Vietnam-Japan Human Resoueces Cooperation Center
ハ.所在地 15, D5 Road, Van Thanh Bac, Ward 25, Binh Thanh Dist.,
Ho Chi Minh City, VIETNAM
ニ.国際交流基金派遣者数 日本語教育専門家1名(現在3代目、計3名)
日本語教育指導助手1名(現在2代目、計2名)

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