世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) 二年で倍以上に! ~急激に拡大するハノイの日本語教育

ベトナム日本人材協力センター ハノイ
村上 吉文

 ハノイは今、大変な日本語教育ブームの中にあります。たとえば、昨年の日本語能力試験のハノイでの受験者数は5,807人で、これは二年前の2.25倍に当たります。中でも学習を始めたばかりの受験者の多い四級は2.34倍となっており、新たに日本語を学び始める人を中心に日本語学習者数が拡大中であることを物語っています。

熱気に包まれる二級コース受講者選抜試験の写真
熱気に包まれる二級コース受講者選抜試験

 そんな熱いハノイにあるベトナム日本人材協力センター(VJCC)は、日本語能力試験の対策コースやビジネス日本語コース、その他、さまざまなコースを開講しております。

 中でも一番人気があるのはやはり日本語能力試験の対策コースで、昨年は受講者の89%を合格に導くことができ、毎年募集人数の何倍もの申し込みがあります。中でも二級コースは、今年6月の募集では、昨年70名しか受け入れられなかったにも関わらず、218名もの申し込みがありました。応募者の中には今から準備してもとても12月の試験には間に合わない人もいますので、申し訳ないとは思いつつ、そうした人々をお断りした上で、今年のコースを開講することになります。

 もう一つの柱であるビジネス日本語コースは、一般的なビジネス日本語を学ぶコースではありません。というのも、実際に働いている人にとってはニーズが多様すぎて対応しにくく、また、在学中の日本語学習者にとっては、まだ就職後のイメージが把握できていないため、誰でも参加できる一般的なコースではニーズはあまり高くないのです。そこで、現在は学生のみに対象を絞って、日系企業に就職することを目的とした日本語を学ぶコースを企画中です。

よろしくお願いいたします

 ハノイには国際交流基金のベトナム日本文化交流センターも2008年にオープンしたため、日本語教師研修は徐々にVJCCから基金のセンターへと軸足を移しているところです。

 特徴的なコースとしては、「自律学習支援通信教育プログラム(通称「nihongo@net」)」が五月から始まっています。日本語教育の新たな潮流である自律学習と、梅田望夫さんのいう「学習の高速道路」を組み合わせた企画で、インターネットの豊富な日本語リソースを使って、自律的に日本語を学習するコースです。

 VJCCは今後ともプロジェクトの続く限りベトナムの人材育成に全力で貢献し続けていきます。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
ベトナム日本人材協力センター(通称VJCC)は、ビジネス・日本語・交流事業の3部門を通して、日本とベトナムの人脈を形成する場として期待されています。またこのセンターには図書館があり、日本語教育関連教材が豊富にそろい、日本語学習者だけでなく、日本語教師にとっても大切な情報源となっています。
国際交流基金日本語教育専門家は日本語コース部を担当し、日本語能力試験対策コース、ビジネス日本語コースなどのコース設計・運営・評価の他、教師研修セミナーの開催やコンサルティングなどを行っています。
ロ.派遣先機関名称 ベトナム日本人材協力センター(ハノイ)
Vietnam-Japan human resources Cooperation Center(VJCC)
ハ.所在地 C/O Foreign Trade University,91 Chua Lang Dong Da,Hanoi,Vietnam
ニ.国際交流基金派遣者数 専門家:1名
ホ.アドバイザー派遣開始年 2001年9月

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