世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) ご支援ありがとうございました。

ベトナム日本人材協力センター(ハノイ)
村上 吉文

 2002年の「世界の日本語教育の現場から」の開設以来、初代日本語教育専門家(現:日本語上級専門家)だった柴原専門家から四代目の私まで、ベトナム日本人材協力センター(以下、VJCC)の日本語教育は実に多くの皆様にご支援いただき、順調に発展してまいりました。本欄の最後の更新にあたり、あらためて皆様のご協力に感謝申し上げたいと思います。

ベトナム日本語教育支援の拠点

 これまでハノイの日本語教育の拠点として親しまれてきたVJCCが「最後の更新」というと驚かれる方もいらっしゃるのではないかと思いますが、それは決して日本がベトナムの日本語教育を支援しなくなるというようなことではありません。ベトナムは日本への国別留学生数で中国、韓国、台湾につぐ第四位で、非漢字圏としては第一位です。日本としてもベトナムの日本語教育を重視する姿勢はそう簡単には変えることはないと信じております。

 では、なぜ本欄の更新がこれで終わりになるのでしょうか。それは、国際交流基金が2008年4月にベトナム日本文化交流センター(以下、基金センター)を新たにハノイにオープンさせたからです。それ以来、基金センターは中等教育段階での日本語教育を中心にベトナムを支援してきました。両センターへ基金専門家が派遣されている間は民間の日本語センターや高等教育段階での日本語教育はVJCCが担当してきましたが、徐々に日本語教育支援の軸足はVJCCから基金センターへと移りつつあります。

教師研修もVJCCから基金センターへ

 VJCCはベトナム中部から北部の日本語教育機関を対象にこれまでさまざまな教師研修を行ってきました。ハノイ日本語教育セミナーは現在23回を数えておりますし、それ以外にもハイフォン、ダナン、フエなどの各都市で現地の日本語教育関係者からの要請に応じ、さまざまな内容で研修を行ってきました。これらの教師研修も、2009年下半期から、基金センターとの共催が始まっています。

ダナン集中日本語教育セミナーの写真
ダナン集中日本語教育セミナー

 たとえば右の写真はダナン集中日本語教育セミナーの一コマです。ベトナム中部のダナン外国語大学の日本語専攻の大学生を対象に、これまではVJCCが単独で行ってきたものですが、2009年は基金センターと共催し、VJCCの上級専門家の村上と基金センターの有馬淳一上級専門家が講師として教壇に立ちました。

ハノイ日本語教師会が主催する勉強会の写真
ハノイ日本語教師会が主催する勉強会

 また左の写真はハノイ日本語教師会が主催する勉強会の模様です。こういったイベントもこれまでは会場だけでなく講師もVJCCが提供してきましたが、2010年5月から基金センターが会場を提供してくれるようになりました。

基金センターと教師会への期待

 上記のハノイ日本語教師会は2007年に発足したばかりのまだ若い組織ですが、基金センターの支援を受け、これからハノイの日本語教育界全体を幅広くカバーしてくれるものと期待しております。VJCCはハノイの日本語教育を支援してきた歴史を十年で終えますが、教師会や基金センターが活発に活動していく限り、ハノイの日本語教育は、順調に発展してくれることでしょう。

 最後になりましたが、あらためて、今までの専門家に代わりましてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

派遣先機関の情報
派遣先機関名称 ベトナム日本人材協力センター(ハノイ)
Vietnam-Japan human resources Cooperation Center(VJCC)
派遣先機関の位置付け
及び業務内容
ベトナム日本人材協力センター(通称VJCC)は、ビジネス・日本語・交流事業の3部門を通して、日本とベトナムの人脈を形成する場として期待されています。またこのセンターには図書館があり、日本語教育関連教材が豊富にそろい、日本語学習者だけでなく、日本語教師にとっても大切な情報源となっています。
国際交流基金日本語教育専門家は日本語コース部を担当し、日本語能力試験対策コース、ビジネス日本語コースなどのコース設計・運営・評価の他、教師研修セミナーの開催やコンサルティングなどを行っています。
所在地 C/O Foreign Trade University,91 Chua Lang Dong Da,Hanoi,Vietnams
国際交流基金からの派遣者数 上級専門家:1名
国際交流基金からの派遣開始年 2001年9月

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