世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート)カザフスタンの日本文化人気

カザフスタン日本人材開発センター
建木千佳

今年は4月の半ば過ぎにも雪が降り,カザフスタン日本人材開発センター(以下、KJC)の桜の開花は5月になってしまいました。桜はカザフスタンの人にも人気があり,毎年見に来てくれる人も少なくありません。残念ながら開花が遅れたため,今年はつぼみの桜で「桜祭り」を開催しました。

桜祭り前日も冷たい雨が降り、翌日の天気を心配して受講生がてるてる坊主を作りました。そして当日の朝,やはり雨。屋内開催かと思いきや,午後になって雨があがりました。まだコートの要る寒さでしたが,雨があがったので,オープニングセレモニーは外でできました。てるてる坊主効果です!

この桜祭りでは,浴衣,茶道,日本食などを出しましたが,日本文化はカザフスタンでも人気があります。では,以下にカザフスタンでできる日本文化体験を紹介します。

1. 日本文化デー

毎年3月末にアルマティで日本文化デーを開催しています。カザフスタンにおける最大規模の日本関連行事で,KJCも毎回参加しています。今年は国立博物館で行い,3500名もの来場がありました。例年参加型のブースや体験できるものが人気です。浴衣を着せてもらって写真を撮ったり,畳の上で抹茶を飲んだり,来場者は日本文化体験を楽しんだようです。

2. 作りながら食べる「すきやき」

肉が焼けたら醤油を入れますの写真
肉が焼けたら醤油を入れます

日本体験ができることを売りにしているKJCのJF講座も3年目に入りました。「まるごと」1期生も初級レベルが終わり,初中級に入っています。

カザフスタンには日本食材店はありませんが,日本食には人気があります。そこで,鍋料理について学んだ後,実際に「すき焼き」を作ってみることにしました。アルマティにも牛肉のスライスと生卵,ちょっと固い豆腐はありますが,後は色と形が似ている物と,値段が安い物で材料をそろえました。材料は本来の物とは違いますが,受講生は日本人協力者から,すき焼きの作り方と食べ方を学びました。箸をつけてくれるかどうか心配した生卵も「生卵をつけて食べたほうがおいしかったです」という感想が出るほど好評でした。また,カザフ料理にない「甘くてしょっぱい」味は「初めてのおもしろい味」として,受講生の舌に浸透したようです。

3.  ビジターセッション

カザフスタンには在留邦人が少なく,学んだ日本語を使う機会がなかなかありません。KJCでは,メインコースの受講生には受講期間中に最低1回日本人と話す機会を提供しています。受講生は,グループでゲストと話をし,最後にクラス全体でシェアします。日本人のなかにもエコ活動をいろいろやっている人もいれば,あまりしていない人もいます。おせち料理を買う人もいれば,作る人もいます。年越しそばの意味もいくつか説が出てきました。日本人協力者がパーソナルエピソードを語ってくれるので,楽しくグループ発表を聞くことができます。

4. 「おでん」の熱々体験

熱々おでんでほっかほかの写真
熱々おでんでほっかほか

アスタナ分室では,なかなか食べられない日本料理にチャレンジしました。-50度にもなるアスタナの冬には日本の「おでん」がぴったりです。一時帰国で日本へ戻った方がおでんの素,ちくわ,はんぺんなど,アスタナでは手に入らないものを持ってきてくださったので,本格的なおでんを味わうことができました。参加した受講生は,体の芯から温まるおでんを食べて,日本人の冬の楽しみ方を体感できたことでしょう。早く,アスタナにも鍋料理が食べられる日本食レストランがオープンしてほしいですね。

5. 文化交流会 in アスタナ

アスタナ分室では,若手在留邦人の協力を得て,文化交流会を行いました。土曜日のイベントでしたが,30名の受講生が集まりました。日本人グループは日本文化をロシア語で紹介し,受講生はカザフスタンの紹介をしました。

また,2014年5月3日には麻生副総理夫人の訪問があり,アスタナの受講生がカザフスタンについて紹介をしました。

カザフスタンと日本をつなぐKJCを動画でご覧になりたい方は下記のサイトにアクセスしてみてください。今年の日本文化デー,一昨年の桜祭りも紹介されています。KJCの映像は22秒から始まります。(ただし,音声はカザフ語,ロシア語字幕です。)

http://kaztrk.kz/kaz/telekanal/program_archive/51353.html#go

派遣先機関の情報
派遣先機関名称
Japan-Kazakhstan Center for Human Development
派遣先機関の位置付け
及び業務内容
JICAとカザフスタン政府との協定により設立された機関で、日本語コース、ビジネスコース、相互理解の事業を行っている。2011年10月から、日本語はJF講座となり、2012年の2月から、アルマティでJFスタンダード準拠の日本語教育が始まる。同年9月からは首都のアスタナ分室でもJF講座が始まる。日本語専門家は、JF講座をはじめカザフスタンの日本語教育支援を行う。
所在地 55 Jandosov str. Almaty Rep. of Kazakhstan
国際交流基金からの派遣者数 専門家:1名
日本語講座の所属学部、
学科名称
日本語コース
日本語講座の概要
沿革
  講座(業務)開始年 2002年
  国際交流基金からの派遣開始年 2002年
 
コース種別
  メインコース:入門、初級、初中級、中級前半
 
現地教授スタッフ
  専任4名(邦人2名)、常勤2名、非常勤3名
学生の履修状況
  履修者の内訳 アルマティとアスタナ両方で200名弱
  学習の主な動機 日本、日本文化への興味と日本への留学希望
  卒業後の主な進路 一般向け講座なので、受講生のニーズに合わせて講座を開設
  卒業時の平均的な
日本語能力レベル
現在はN3相当レベル
  日本への留学人数 今年は大学院へ2名

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