世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート)日本語・日本文化の普及を目指して

カザフ国立大学
愛木 佳代

博物館オープン

博物館の写真
博物館内

先日、東洋学部内に設置された『東洋博物館』の開会式がありました。当学部内には、アラビア・イラン学科、中国学科、韓国・日本学科、トルコ・インド学科があります。その各国や地域の伝統や文化に直接触れ、理解を深めることを目的に設置されました。博物館というよりは展示室という規模ではありますが、各機関や企業、個人から寄贈された品々はなかなかの充実ぶりです。学生だけではなく、一般へも公開されるということですので、美しく、珍しい品々、そしてその類似性から、東洋のつながりをぜひ多くの人に体感してもらえればと思います。

日本語・日本文化の普及(高校編)

授業の様子
高校で日本紹介

ここ数年で、大学や、初・中等教育機関にあった日本語関係の学科やコース、クラスなどが次々と閉鎖になっています。理由の一つに学生数の減少が挙げられますが、その一方で独学しているという人にもよく出会います。決して日本に対する興味が失われているわけではなさそうですが、教育機関だけが拠り所だった時期は終わり、目標や学び方が多様化してきているのではないかと思います。

情報化社会に生まれ育った若者にとって、日本はすでにそれほど不思議で遠い国ではないようです。しかし、一度はメディアを通して見聞きした日本文化であっても、コミュニケーションを取りながら、あるいは直接モノに触れ、体感することから得られる印象はもっと違うのではないかと思います。日本に興味を持ってくれるのであれば、どんな形でも構わないのですが、高等教育機関に所属している以上、そんな悠長なことを言ってはいられません。同僚の先生方と今まで以上に日本語や日本文化の普及に力を入れようということになりました。もちろん、大学で勉強することに興味を持ってくれる人が出てくれば……という下心があってのことです。

まず、手始めに近くの高校へ日本語・日本文化の紹介に行きました。高校生ということを考慮し、前半はクイズ形式にし、知的なアプローチを心掛けました。日本の人口をズバリ答えた学生には驚きましたが、学生同士、お互いが知っていること知らないことが共有でき、準備した教材以上に盛り上がることができました。後半は、けん玉やじゃんけん大会、おにぎりの試食とさまざまな<初めて>を体験してもらいました。大変好評だったため、今後は対象を中学生や小学生にも広げ、定期的に行おうと話しています。

これまで日本語教育機関の充実や講師の育成に力を入れていましたが、それが整いつつあるこれからは、並行してこのような普及活動や裾野を広げていく活動がもっと必要となるのかもしれません。カザフスタンは広い国です。現地の講師たちは、近いうちに地方都市でもこのような活動を行いたいというやる気に満ちています。

派遣先機関の情報
派遣先機関名称
Al-Farabi Kazakh National University
派遣先機関の位置付け
及び業務内容
カザフ国立大学東洋学部韓国・日本学科は、カザフスタン国内で最も歴史ある日本語・日本学専門課程である。設置目的は、日本語・日本学研究者及び教師、企業において日本語で業務が行える人材、日本語通訳・翻訳者の育成であり、言語のみならず、歴史や文化などの専門科目にも重点を置いた教育が行われている。日本語専門家は、学習者の日本語能力向上及び現地講師への日本語教育の質の向上に対する支援を行う。
所在地 95a Karasai-batyr str., Almaty, 050012, Republic of Kazakhstan
国際交流基金からの派遣者数 専門家:1名
日本語講座の所属学部、
学科名称
東洋学部韓国・日本学科
日本語講座の概要
沿革
  講座(業務)開始年 1992年
  国際交流基金からの派遣開始年 1995年
 
コース種別
  専攻(日本学科)
 
現地教授スタッフ
  主専攻:常勤17名(うち邦人3名)
※日本学科歴史講師含む
学生の履修状況
  履修者の内訳 1年9名 2年14名 3年13名 4年20名 大学院7名
  学習の主な動機 日本文化への関心と、日本留学や日系企業就職の希望
  卒業後の主な進路 日系企業就職、一般企業就職、大学院進学等
  卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力試験N2~N3合格程度
  日本への留学人数 1年間7~10名程度

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