世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート) ハバロフスクでのジュニア専門家の活動

極東国立人文大学
森本由佳子

 新潟空港から約2時間の距離にある、ここハバロフスクでは、大学を始めとする各機関で1100名以上が日本語を学習しており、派遣先機関である極東国立人文大学東洋語学部日本語学科にも約150名の学生が在籍しています。

派遣先機関での活動

日本語クラブ交流イベントの写真
日本語クラブ交流イベント
料理をテーマとした日本語クラブ交流イベントの写真
料理をテーマとした日本語クラブ交流イベント

 国際交流基金派遣の日本語教育ジュニア専門家の主な役割としては、3年生および4年生の授業の担当、現地教師へのアドバイス、学生有志による日本語クラブの顧問等があげられます。通常授業の他に、希望者対象の日本語能力試験対策講座の実施、弁論大会出場者の指導、東洋語学部の研究発表会での発表、高校生向け学部紹介イベントでの日本文化紹介なども行っています。

 また、派遣先機関はハバロフスクの日本語関連行事の実施会場となることも多いため、日本関係機関と大学との間のパイプ役も主な役割の一つです。

 昨年4月のハバロフスク弁論大会で入賞した学生が、その先のステップであるロシア極東・東シベリア弁論大会へ進み、最終ステップである全ロシアおよびCIS諸国の代表者が集まるCIS学生日本語弁論大会で第1位になりました。今年も、派遣先大学の学生が4月のハバロフスク弁論大会で上位入賞し、秋ごろ開催予定のロシア極東・東シベ リア弁論大会に出場することになりました。今回も活躍してくれることを期待しています。

 日本語クラブは毎週1回活動していますが、年に2回、学生の企画のもと、ハバロフスク在住日本人を招待して交流イベントを実施しています。昨年は、部長が新しく変わったばかりだったのでサポートすることも多かったのですが、何度か交流イベントを経験して、そろそろ学生たちだけでもやっていけるような体制が整ってきたのではないかと思います。

地域での活動

 派遣先大学を主な会場として、月に1回ハバロフスク日本語教師会が開催されており、ジュニア専門家はそのまとめ役を任されています。教師会は、ハバロフスクで開催される日本語関連行事を総領事館と共催したり、また協力したりしています。

 ハバロフスクでのいちばん大きな日本語関連行事といえば、やはりハバロフスク弁論大会でしょう。ハバロフスク弁論大会には「暗唱部門」と「スピーチ部門」があり、さまざまな学習段階の学生が参加しています。毎年4月ごろに開催される大会に向けて、教師会では前年から準備を始めています。また、毎年秋に開かれるロシア極東・東シベリア弁論大会は、ハバロフスク、ユジノサハリンスク、ウラジオストク、の3地域が交代で開催地となっています。昨年はハバロフスクの担当で、総領事館、教師会、および会場となった派遣先大学が協力し合って実施運営しました。

 日本語能力試験は昨年で2回目の実施となり、総領事館と試験会場となった派遣先大学、また、ロシア人教師と日本人教師の協力体制が整いつつあります。

 今後も、いろいろな場面でロシア人教師と日本人教師が協力し合える環境づくりを目指し、また、お互いに学び合える勉強会なども実施していければと思います。

派遣先機関の情報
イ.派遣先機関の位置付け
  及び業務内容
ハバロフスク地方における日本語教育の中心的役割を担う。2001年度からは「通訳翻訳コース」が設置され、より実務的な日本語の専門家養成を目指すこととなった。ジュニア専門家の主な業務は、中・上級レベルの学生の指導で、通常の授業のほか、日本語能力試験対策講座や弁論大会出場者指導なども行う。また、学生有志の集まりである日本語クラブの活動もサポートしている。
ロ.派遣先機関名称 極東国立人文大学
Far Eastern State University of the Humanities
ハ.所在地 68 Karl Marx St., Khabarovsk, Russia, 680000
ニ.国際交流基金派遣者数 ジュニア専門家:1名
ホ.日本語講座の所属学部、
  学科名称
東洋語学部日本語学科
ヘ.日本語講座の概要
(イ)沿革
(1)講座(業務)開始年   1991年
(2)専門家・ジュニア専門家派遣開始年 1993年
(ロ)コース種別
主専攻
(ハ)現地教授スタッフ
常勤 11名(うち邦人0名)、非常勤 2名(うち邦人0名)
(ニ)学生の履修状況
(1) 履修者の内訳   1年生31名、2年生33名、3年生22名、4年生34名、5年生30名
(2) 学習の主な動機 通訳者・翻訳家希望、日系企業への就職希望、留学、日本文化への興味
(3) 卒業後の主な進路 日本語教育機関、旅行社、ホテル、一般企業に就職
(4) 卒業時の平均的な
日本語能力レベル
日本語能力試験2級レベル
(5) 日本への留学人数 5、6名程度

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