世界の日本語教育の現場から(国際交流基金日本語専門家レポート)日本、ウズベキスタン、中央アジアをつなぐ日本語

ウズベキスタン日本人材開発センター
鶴田靖行

ウズベキスタン日本人材開発センター(以下、UJC)のこの1年の出来事を中心に、ウズベキスタンの日本語教育に関する話題をいくつかご紹介します。

安倍総理夫人がUJCを訪問されました

2015年10月安倍総理がウズベキスタン、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタンの中央アジア5ヵ国を訪問されました。ウズベキスタンの訪問では、安倍総理夫人がUJCにおこしくださり、日本語コースやビジネスコースの受講生と交流されました。日本語コースでは、中上級クラスと会話クラスの代表者十数名が歓迎のスピーチとウズベキスタン紹介の発表を行いました。総理夫人からは発表に関するご質問と受講生へ心のこもったあたたかいメッセージをいただきました。受講生は総理夫人の飾らないお人柄にとても感銘を受けたようでした。

第24回ウズベキスタン日本語弁論大会が開催されました

多くの観客を集めたウズベキスタン日本語弁論大会の様子の画像
多くの観客を集めたウズベキスタン
日本語弁論大会の様子

2016年3月に第24回ウズベキスタン日本語弁論大会が開催されました。この大会はウズベキスタン日本語教師会と在ウズベキスタン日本国大使館、UJCが協力し行っているものです。今回はタシケント、サマルカンド、ブハラ、フェルガナ、リシタンにある10の日本語教育機関の代表19名が日頃の学習の成果を披露しました。また、大会委員長の駐ウズベキスタン日本国大使をはじめ、在留邦人や現地の方々合わせて約200名の観客を集めました。

優勝したのはリシタンの「のりこ学級」で日本語を学ぶジロラさん。彼女はその後2016年4月にカザフスタンで開催された中央アジア日本語弁論大会でも優勝の栄誉に輝きました。UJCタシケントからは3名が出場し、数年ぶりに2名が入賞を果たしました。またUJCブハラ分室の出場者も入賞を果たし、UJCとして非常にうれしい結果となりました。審査員や観客の方々からはどの出場者の発表もすばらしく、ウズベキスタンの日本語学習者の熱心さとレベルの高さに感動したという声が聞かれました。

さて、今年も9月に弁論大会実行委員会が組織され、2017年3月の第25回大会に向け、新たなメンバーで準備がスタートします。次回はどんな発表が見られるのか、今からとても楽しみです。

中央アジア5ヵ国日本語学習者訪日研修が行われました

訪日研修報告会の様子の画像
訪日研修報告会の様子

2015年10月に安倍総理が中央アジア5ヵ国を訪問されたときの話をさきほど紹介しましたが、この訪問を機に、2016年4月と5月の2週間、中央アジア5ヵ国日本語学習者訪日研修が国際交流基金関西国際センターで実施されました。UJCタシケントからは6名が参加しました。UJCの日本語講座では10歳から年配の方まで200名以上の方が日本語を学んでいますが、訪日研修へ参加するチャンスはほとんどありません。ですから今回6名の受講生が訪日研修に参加できたことは、受講生本人にとっても、私たちスタッフにとっても大変喜ばしいことでした。

研修終了後、この貴重な機会を得た6名の受講生がUJCで研修報告会を行いました。まだ日本語を学んで間もない初級クラスの受講生から、もう何年もUJCに通う受講生まで、多くの方が研修参加者の話に耳を傾けました。6名の発表を聞いて、私がもっとも興味深かったのは、彼らの多くがウズベキスタン国内の他の日本語教育機関の学習者や中央アジア諸国の参加者との思い出をうれしそうに語っていたことでした。実はウズベキスタン国内でも、学習者が他の教育機関の学習者と顔を合わせる機会はほとんどありません。中央アジアの他の国の学習者ならなおさらです。彼らは研修が終わったあともSNSなどを通じてやりとりを続けているそうです。日本語が国内の他地域や隣国の人たちとの友好関係を育むきっかけとなっている。このことを知り、日本語を学ぶことが現地と日本の2国間関係のみならず中央アジアや世界の人々と良好な関係を築くツールになりうるということに、海外の日本語教育の新たな希望の光を見た思いがしました。日本語を通じて人と人が出会う場をいかに作っていくか。私の活動の課題がまたひとつ増えた出来事でした。

派遣先機関の情報
派遣先機関名称
The Uzbekistan-Japan Center For Human Resources Development
派遣先機関の位置付け
及び業務内容
ウズベキスタン日本人材開発センター(UJC)は、国際協力機構(JICA)とウズベキスタン政府との協定に基づき2001年に設立されたNPOである。現在ビジネスコース、日本語教育、相互理解促進事業、聴覚障碍者向けITコースの4事業を活動の柱としている。日本語教育事業では、一般向け日本語講座の運営を中心に、教材の現地語化や日本語に関するイベントを実施している。また、ウズベキスタン全体の日本語教育に対する支援として、日本語弁論大会や日本語教育セミナー、教師研修など、ウズベキスタン日本語教師会などと協同して様々な催しを行っている。
所在地 6th Floor, International Business Center, 107-B, Amir Temur str., Tashkent,100084, UZBEKISTAN
国際交流基金からの派遣者数 専門家:1名
国際交流基金からの派遣開始年 2001年。2010年度に一度中断し、2012年度に派遣再開。

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