日本語教育通信 本ばこ 『日本語教師のための多読授業入門』

本ばこ
このコーナーでは、最近出版された日本語教材や参考書の中から、「海外の先生にとって使いやすい教材」「授業や研究の役に立つ本」「知っていると便利な図書・資料」などを紹介します。

『日本語教師のための多読授業入門』

監修:NPO法人日本語多読研究会
編著者:粟野真紀子・川本かず子・松田緑
出版社:アスク出版

日本語教師のための多読授業入門

URLhttp://www.ask-digital.co.jp/
書籍情報:http://www.ask-shop.net/shopdetail/042004000018/
発行日:2012年5月
ISBN:978-4-87217-813-5
判型・頁数:A5判 136ページ

 皆さんの中にも、多読ということばをご存知で、この方法で日本語学習の効果があがっていることをご存知の方も多いと思います。
 この本は、あらためて多読をふりかえり、その方法・効果・実践例について述べ、これから多読を授業に取り入れたいと思っている教師への入門書となっています。

本書の構成

第1章 多読のすすめ
1 多読とは?
2 多読の方法
3 教師の役割
第2章 多読に向く読みものとは?
1 レベル別読みものの作成
2 読みもの作りの方針
3 語彙・文法のレベル分け
4 リライトの実際
第3章 多読授業を始めよう
1 授業の進め方
2 多読の道すじ
3 指導のコツ
多読授業Q&A
第4章 実践報告(4ヶ国6例)
第5章 体験者の声(5件)
付録 多読向け図書案内

とにかく読めるものからたくさん読む

 多読では、文法積み上げによらず、大量のインプットにより、日本語力をつけることが目標となっています。そのために、一人一人別の本を読むことが基本です。
 多読授業には「やさしいレベルから読む」「辞書を引かないで読む」「わからないところは飛ばして読む」「進まなくなったら、他の本を読む」という4つのルールがあります。大切なのは、読解のように読むのではなく、「読みたい」または「面白い」と思う本を読み、「読み手が本の内容とどこまで通じ合えるか」ということだそうです。
 教師の役割としては、「教えない」こと、つまり「支援者に徹する」ことがすすめられています。具体的には、本の用意・時間の確保など多読をする環境づくりやアドバイスをすることなどです。また、声かけ、学習者のペース作りなど一人一人を見つめることが重要とされています。学習者が4つのルールを守っているか、内容を楽しんでいるかが観察できます。

多読にふさわしい読みものとは

 日本語多読研究会(現・NPO多言語多読)は読みものの作成も手がけています。多読にふさわしい読みものの作成方針として、①1話1冊である②話の展開がはっきりしている③挿絵が多い④漢字を制限せずにルビを使う⑤縦書きにする、の5点をあげています。レベルは入門(350語、400字)から中級(1300語、5000~10000字)までの5レベルまであります。リライトも単に表現を言い換えるのではなく場面展開をわかりやすくする試みがされています。
 現在、多読研究会(NPO多言語多読)からは、「にほんごよむよむ文庫」(67タイトル)と「JGR多読文庫」(34タイトル)が出されています。(付録で一般図書とともに紹介されています。)
 本書には、このほかにも、国内外の大学・高校・日本語学校での実践例や学習者の体験談が載っています。

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冒頭ページ

(生田 守/日本語国際センター専任講師)

日本語国際センター図書館

「日本語教育通信」の「本ばこ」では、新しく出版された図書の紹介を行っていますが、日本語の教材や、日本語、日本語教育関連の図書についての情報がほしいときは、日本語国際センター図書館のホームページもぜひ利用してください。

日本語国際センター図書館
http://www.jpf.go.jp/j/urawa/j_library/j_lbrary.html

図書館蔵書検索
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