日本語教育通信 日本語教育ニュース 「みんなの「Can-do」サイト」を使ってみてください!

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このコーナーでは、国際交流基金の行う日本語教育事業の中から、海外の日本語教育関係者から関心の高いことがらについて最新情報を紹介します。

「みんなの「Can-do」サイト」を使ってみてください!

日本語国際センター 事業化開発チーム

日本語で何が、どれだけ「できる」?

 あなたは日本語教師です。ヤンさんは、あなたが受け持っている入門クラスで、半年前に日本語の勉強を始めました。来週から日本人の加藤さんの家にホームステイをします。
 加藤さんがあなたに、ヤンさんの日本語能力についてたずねました。
「ヤンさんは、どのくらい日本語ができるんでしょうか?」
 あなただったら、どのように答えますか。

熟達度を表す「ものさし」=「Can-do

 何年勉強した、漢字や文法などをいくつ知っている、などから、学習者のおおよその熟達度を言い表すことはできるかもしれません。しかし、学習者は「勉強した」ことや「知っている」ことを使って、日本語で何が「できる」のでしょうか。そして、何が「できた」らどのような学習の段階にいる、といえるのでしょうか。
 「日本語でこういうことができたら、この段階」という、日本語能力の熟達度をはかる「ものさし」があり、それを的確に表現することができれば、 教師は授業の目標を学習者と共有しやすくなります。また、この「ものさし」を教師どうしや教育機関などで共有できれば、学習の継続が円滑になるでしょう。教育機関、国、言語を越えて日本語教育に関する情報を交換することも可能になります。

 国際交流基金は、日本語能力の「ものさし」を日本語教育機関、教師、学習者などで共通のものとするために、2010年に「JF日本語教育スタンダード」を開発しました。「JF日本語教育スタンダード」では、熟達度のレベルをA1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階とし、それぞれのレベルで、日本語で何がどれだけ「できる」かが「Can-do」という形式の文(「~できる」の文)を使って表されています。
 例えば、上のヤンさんのレベルについて説明する際に、「家でのルールに関するホストファミリーのごく簡単な指示を聞いて、理解することができる」や「食事のとき、食べ物や飲み物についての好き嫌いを聞かれて、答えることができる」などの「Can-do」を使って説明すれば、加藤さんは具体的にヤンさんの日本語能力をイメージすることができるでしょう。

 このような「Can-do」をデータベース化して公開しているのが、「みんなの「Can-do」サイト」(以下、「Can-doサイト」)(http://jfstandard.jp/cando/)です。ここでは、「Can-doサイト」の概要、活用方法などを紹介します。

Can-doサイト」とは?

Can-doの画面画像1  「Can-doサイト」は、それぞれのレベルでできる「Can-do」を集めたデータベースです。493の「CEFR(※1)Can-do」と、国際交流基金が作成した342の「JF Can-do」の中から、自分の目的に合った「Can-do」を検索、閲覧、編集、保存、出力して活用することができます。
 また、「Can-doサイト」が提供する「Can-do」をそのまま使うことが難しい場合、自分のオリジナルの「Can-do」(「MY Can-do」)をサイト上で作成し、既存の「Can-do」と同様に編集、保存、出力することもできます。
 「Can-doサイト」を使うにはユーザー登録が必要ですが、すでに「みんなの教材サイト」(http://minnanokyozai.jp/)のIDとパスワードを持っている方は、それでログインできます。

Can-doサイト」を使ってできること

 では、実際に「Can-doサイト」を使ってできることを詳しく見てみましょう。
 「Can-doサイト」は、「わたしのページ」、「Can-doを探す」、「サイトの使い方」から構成されています。ここでは「Can-doサイト」の使い方を、「探す」「選んで入れる」「編集する」「出力する」の4つのステップにそって詳しく説明します(「Can-doサイト」は2012年4月に一部機能を加え、リニューアルしました。ここでは、リニューアルした部分も含めて説明します。)

Can-doの画面画像2

①探す
Can-doを探す」ページでは、キーワードや条件を指定して、自分の目的に合った「Can-do」を検索することができます。「キーワードで探す」と「詳細条件で探す」の2つの方法があります。「キーワードで探す」では、「Can-do」本文中に含まれるキーワードや、レベル、トピックなどを入力して探します。「詳細条件を探す」では、レベル、種別、トピック、カテゴリーなどの詳しい条件を表から選んで探します。必要に応じて、どちらかの方法を選んでください。
(リニューアルに際して、ヒットするキーワードの幅を広げました。また、詳細条件にチェックをつけると、ヒット件数が画面右に表示されるようになりました。)

Can-doの画面画像3

②選んで入れる
Can-doを選んで入れる」ページ(検索結果画面)では、検索結果から使いたい「Can-do」を選び、自分のフォルダに入れて保存することができます。
(リニューアルに際して、フォルダに階層をつけられるようにしました。)

Can-doの画面画像4

③編集する
Can-doフォルダ」(「わたしのページ」内)では、フォルダの基本情報を編集したり、フォルダに保存した「Can-do」を自分の目的に合わせて編集することができます。また、新しい「MY Can-do」を作成することもできます。
(リニューアル後の「Can-do」編集/「MY Can-do」作成画面では、レベルとカテゴリーを選択すると、そのカテゴリーにおけるそのレベルの特徴となるキーワードが表示されるようになりました。これらをヒントにして、「MY Can-do」を作成することができます。)

Can-doの画面画像5

④出力する
Can-doフォルダ」をExcelファイルに出力することができます。出力する前に、フォルダ内の「Can-do」をグラフで分析したり、絞り込み機能を使って出力したい「Can-do」を整理することもできます。(リニューアル後は、CSVファイルにも出力できるようになりました。)

Can-doの画面画像6

このほか、「Can-doサイト」の詳しい使い方は、サイト内の「サイトの使い方」ページ(https://jfstandard.jp/cando/about/site/ja/render.do)にも掲載されています。リニューアル後の機能の使い方については近日中に掲載予定です。

進化し続ける「Can-doサイト」

 2010年4月に運営を開始した「Can-doサイト」は、2年を経て、ユーザーの皆さんから寄せられたご意見などを反映し、より使いやすくなるようにと考え、リニューアルしました。今後は、ユーザーが作成した「Can-do」や「Can-doフォルダ」をユーザーどうしで共有できるような機能なども追加していく予定です。これからも「Can-doサイト」の発展にご期待ください!

※1
CEFRとは、“Common European Framework of Reference for Languages: Learning, teaching, assessment”(外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠)の略で、ヨーロッパの言語教育・学習の場で共有される枠組みです。詳細は以下の文献をご覧ください。
Council of Europe(2004)『外国語の学習、教授、評価のためのヨーロッパ共通参照枠』吉島茂、大橋理枝(訳、編)朝日出版社

<関連サイト>
「JF日本語教育スタンダード」http://jfstandard.jp/
JF日本語教育スタンダードの概要を確認したり、資料や「Can-do」一覧を見たりしたいときはこちらをご覧下さい。資料のダウンロードもできます。

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