2007年度上半期 調査研究プロジェクト
ノンネイティブ日本語教師のビリーフ調査(ビリーフの要因、教授活動との関係に着目して)(報告書)

2007年度上半期 調査研究プロジェクト
ノンネイティブ日本語教師のビリーフ調査(ビリーフの要因、教授活動との関係に着目して) 概要
計画者 久保田美子
プロジェクト参加者 阿部洋子、横山紀子
外部協力者 なし
日程

(2007年度) 開始2007年5月~終了2008年3月

2007年5月~7月:
調査方法(アンケート・インタビュー等)の検討、調査準備
2007年8月~12月:
調査実施(アンケート)、データの集計
2008年1月~3月:
調査実施(インタビュー)、調査結果のまとめ、分析方法の検討

目的と概要

○調査の実施

アンケート調査:

<対象>
2007年度海外日本語教師長期研修参加者68名(28カ国)
<調査項目>
  1. (1) 初級学習時の経験(教科書、教師、大事にされた技能、経験した教室活動、 授業における聴解の取り扱いなど)
  2. (2) ビリーフ(言語観、教授観に関する72項目)

インタビュー調査:

<対象>
2007年度海外日本語教師長期研修参加者10名
<調査内容>
アンケート内容の確認、初級学習時の経験をより具体的に説明してもらう

○調査結果の集計

  1. 項目ごとの集計などを修了し、分析段階に入った。2008年度プロジェクトで継続的に分析を行ない、補足調査や分析を続行する予定である。
  2. 現集計段階で特徴的と思われた結果は以下の通りである。
    1. (1) 初級学習時の経験について:
      • 習った教師(ネイティブかノンネイティブかその両方か)によって経験した教室活動(「コミュニカティブな活動型」か「作文・発表・ディベート型」か、「文法・暗記・訳読型」か)の頻度(いつも~ぜんぜん行なわなかった)に差がある。
      • 期待された能力に関する質問で、1位、2位の順位を概観したところ、「読む」「書く」技能が「聞く」「話す」よりも高い割合を示し、「聞く」は一番低かった。
      • 聴解練習を始めた時期は、習った教師によって異なり、ノンネイティブ日本語教師のみに習った場合、最初から定期的に聴解練習を取り入れた割合は、約20%で、ネイティブ日本語教師のみに習った場合が60%弱、ネイティブとノンネイティブの両方の教師に習った場合が約50%であるのに比してかなり少ない割合となった。
    2. (2) ビリーフの異なりが多様であり、さらにデータを増やし、傾向を見る必要性があることがわかった。

○今後の予定

前述の通り、本年(2007)度は、3年計画の1年目に当たる。今年度の結果をもとに、分析、検討を行ない、さらに新たな調査分析を進めていく予定である。