海外日本語教師の養成・研修

平成19年度 中国大学日本語教師研修

参加者の声

担当講師の声

担当者の声

ゼン・ブンギンさん

修了式の松尾所長のごあいさつの中で、「さあ、みなさん、51日間、どのような日々があったか」と聞かれたとき、頭の中に浮かんできたのは茶道デモンストレーションの時、茶道の先生が教えてくださった「一期一会」という言葉でした。生涯に一度しかないと考え、その一度にすべてを賭けます。教授法の勉強に専念したり、図書館で資料収集に夢中になったり、久しぶりの学生生活を存分に楽しんだりして、この51日間の一瞬一瞬を大切に過ごしてきました。

はじめて研修団の皆さんに出会った時の興奮、成田空港に着いた時のちょっとした不安、教室で新しい知識を得た時の喜び、パスケット場で汗を流した時の満足、そして、緑に囲まれた茶室でお茶を飲みながら身をもって感じた心の安らぎ……何もかもまだ昨日のように鮮明に思われるが、もう北京へ戻る日が迫ってきました。

最後の教授法の授業で、同グループのゲンキさんと共同で、研修で勉強した「第二言語習得」の理論を生かして、最近中国で新しく出版された『総合日本語』という教科書の一課を具体例として発表しました。それは、帰国して、さっそく研修で得た知識を自分の授業に取り入れ、学生たちに伝えたいという気持ちがあったからのことでしょう。
あっという間に51日間が過ぎてしまいました。センターでの生活を一生の思い出としたいのですが。まず、やるべきことは、この51日間の研修で身につけた知識を生かして、中国の教壇で再現できるようにがんばることでしょう。


修了式挨拶:Aクラス代表 チョウ・ゲンキさん

こんにちは!
一週間前、センターでの研修を終え、関西見学の旅に出た私たちは、明日北京に戻ることになります。北京首都国際空港を飛び立ってから50日間が、あっという間に経ってしまいました。この50日間、とても短いにもかかわらず、感謝や感激、忘れられないことがたくさん詰めてありまして、今日この場をお借りして、Aクラスの代表として一言ご挨拶をさせていただきます。

4年前、当時私は交換留学生として、初めて日本の土を踏むことになりました。日本は一体どのような国だろうか、学校で勉強した日本語がうまく表現できるだろうか。また、日本人は私の日本語を聞いて理解できるだろうかなど、不安を抱きながら、日本での生活をスタートしました。その一年間、幸せと感動を味わい、同時に苦痛を乗り越えたことで、私は大きく成長しました。4年後、今度は大学の1名教師として、また母親として、再び日本に来ることになりました。しかも、今回は1人ではなく、中国全土にわたる日本語先生と一緒に来日し、楽しく勉強したり、スポーツをやったり、関西見学に出かけたりして、忘れられない思い出をたくさん作りました。

2004年、私が初めて日本語教師になったとき、国際交流基金と出会いました。それは、大学の新入生に日本語を教える前に、日本のことについてもっと理解してもらおうとした思いで、日本大使館見学を企画したことがきっかけでした。当時、日本語業界の新人である私が、国際交流基金の北京日本文化センターに電話しました。公使の講演、ビデオ室の活用法、日本語コーナーの説明など豊富な見学活動を手配していただいて、当時まだ自己紹介しかできなかった学生たちの情熱を燃やしました。

今回の研修を通して、日本語教育における理念や方法などを勉強することができました。帰国したら、教育現場で着実に実践してみようと思います。Aクラス最後の授業で、八田先生から貴重なお土産を頂きました。それは、教師としての責任に関する話でした。「私たちが教えるのは、他の科目でなく、外国語を教えているのです。言葉の一番基本的な役割が交流で、教室で私たちを見つめている学生たちに何をどうやって教えてくのか。常に内省しなければならないのです」。それに「自分が身についた知識のみならず、異文化経験からもらった心得も伝えておくべき」だと、私は思いました。

あと二ヶ月ぐらいで2007年が終わります。今年は、日本と中国、両国が今までの国交35年の歩みを振り返る一年であり、また未来に向けて進む重要な一年でもあります。私も、これから20年間も、30年間も日本語を教え続けるかもしれないのですけど、まだまだ「人重くして道遠し」を感じます。必ず、最後の授業で提出した自分の宣言を忘れず、教師として「やるべき時に、やるべきことをやります」を貫きたいと思います。

最後に、センターの諸先生方に心から感謝の気持ちを表したいと思います。諸先生方のご健康とご発展を心からお祈りします。機会があれば、ぜひ中国に足を運んで、私たちに連絡してください。中国での再開を楽しみにしております。2008年は北京五輪の年で、中国だけの盛大な大会ではなく、アジア及び全世界の方々のご到来を歓迎しています。

以上簡単ではありますが、私のご挨拶とさせて頂きます。どうもありがとうございました。


修了式挨拶:Bクラス代表 コ・カイエンさん

みな様、おはようございます。西安から参りました、胡と申します。長安大学に勤めております。本日最終日を迎える、Bクラスの研修生を代表して、あいさつをさせて頂いて、たいへん光栄に思っております。

日本語教師になって、6年になりました。6年間の間に、日本語に関して、いろいろな悩みがありました。さっきの挨拶、「おはようございます」はその中のひとつです。日本に来る前に、3,4限目の授業に行ったら、一年生は「先生、おはようございます」とわたしに挨拶しましたが、2年生はみんな「こんにちは」と挨拶してくれました。2年生に聞いてみたら、「辞書に書いてありますよ。10時前は「おはようございます」で、10時を過ぎたら、『こんにちは』になります。」と答えてくれました。2年生が間違ったと分かっていますが、学生の納得できる証拠が見つかりませんでした。今度日本に来て、日本の方の話しを聞いて、自然にわかりました。日本の方の目から見ると、ごく普通のことですが、私たち外国人の日本語教師にとって、問題になりました。

私は心からすばらしい先生になりたいですが、日本の方と話すチャンスが少なくて、日本語が下手なままです。それに教え子の中に、やる気がない人は多くなったので、私はいつも悩んでいます。いい教師になるのは難しいと思って、頑張らないで、そのまま教え続けようと諦めたときもあります。でも、今度チャンスに恵まれて、中国全国から来た先生方と知り合いになって、みんなそういう悩みがあることがわかりました。また、日本語国際センターの先生方は、日本語教育に関して、深く研究なさっている姿が眼に入りました。ほっとしました。私は、さびしくないです。

昔、ずっと1人で戦っている感じがしましたが、今度の研修で、仲間が見つかりました。日本語国際センターの先生方と39人の中国人の先生です。授業の時、中国人のほかの先生の経験を聞いたり、悩んでいる問題をみんなで議論したりして、日本語の授業について深く考えることができました。自分の授業を振り返ることもできました。そのうちに、自分の教え方の不足点に気がつきました。それに、日本語国際センターの先生方が生き生きしている教え方を教えてくださって、授業改善の方法も分かりました。中国人のみなさんは、今私と同じように、ぜひここで学んだことを自分の授業で実践したいと思って、やる気が沸いているでしょう。日本語国際センターの先生方、センター職員の皆様、ありがとうございました。

研修生の皆さんはもし帰国してから、ああ、今の学生はやる気がないね、日本語を教えるのはたいへんだねと思ったら、中国のほかの日本語教師のことを思い出してください。一人ではないです。みんな違う所でおなじことで笑ったり、悩んだりしていますから。国際センターの先生方も力を尽くして、日本語を教えるよりよい方法を研究なさっていますし、日本から私たちのことも応援しています。

中国に帰っても、ここでのことを忘れないで、みんなメールでお互いに励ましたり、言い経験を交流したりしましょう。そのとき、きっといい教師になれますし、いい授業もできるでしょう。

最後に再び日本語国際センターの先生方をはじめ、センターの職員の皆様心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。ここで学んだことをこれからの仕事や研究に活かしていきたいと思います。

はい、以上です。ご静聴、どうもありがとうございました。


修了式挨拶:Cクラス代表 チョウ・イさん

平成19年度 中国大学日本語教師研修の写真1 ご在席の先生方、研修参加の先生方:
おはようございます。
2007年中国大学教師研修の終了式に際しまして、Cクラスを代表して一言ご挨拶を申し上げます。

Cクラスは、担当の高先生のご指導のもと、さまざまな教授法の授業を受けたり、第二言語習得研究をはじめ新しい理論をお教えいただいたりしていまして、本当に勉強になりました。分からないところがあれば、先生方は親切に教えてくださいました。そのほかにも、いろいろな伝統芸能や芸術を鑑賞し、体験させていただきました。

日本語国際センターでは、日本語教育に関する各分野の文献が揃っていますので、授業の後、Cクラスの私たちは図書館で文献を読んだり、自習室で資料を探したり、晩御飯後、娯楽室で卓球やカラオケをしたりしていて、充実した毎日を過ごさせていただきました。

又、研修旅行では東日本と違う雰囲気を持っている西日本に出会え、本当に感動しました。センターに着いた時に、研修参加者の皆さんは一斉に拍手をしました。おそらく自分の暖かい家に帰ってきてほっとして思わず拍手をしたのだろうと思います。

特に、私が印象に残っていることは、最初の教授法の授業で、全然分からない言葉や知識がいっぱい出てきて、不安になって、発表するのにも非常に緊張したことです。先生や友達からいろいろ教えていただいた後、だんだん分かってきました。又、教材開発の授業では、教材作成の難しさを体験して、みんなの力や知恵を合わせてこそ、良い教材ができることが分かりました。そのほか、初めて来日した私にとって何でも新鮮でしたが、特に女性専用車両やきれいな化粧室のような女性に便利な施設に目を引かれました。

残念ながら、51日の研修生活はあっという間に過ぎてしまい、帰国の時間が迫ってきました。帰国してから、ここで勉強したことを応用したり、引き続き研究したりしようと思っております。日本文化や事情を学生に話す時、センターの生活が思い出されて、懐かしくなることでしょう。

最後に、センターの先生方及び職員の皆様方に、心から感謝の意を申し上げます。本当にお世話になりまして、ありがとうございました。


担当講師の声 担当:KiK

私にとっての中国大学研修は今回が初めてではありませんが、前回との間に相当時間の隔たりがあったので、懐かしさと新鮮さを感じました。というのは、研修の基本方針である日本語、教授法、日本事情という3本柱こそ以前と大差ないのですが、重心は日本語と日本事情から教授法のほうへと大きく移ってきているからです。これは近年来の中国の大学教師の日本語力の向上と教授法への関心の高まりと切っても切れない関係にあります。「やる気がない学生が増えています。どういう風に対処したらいいか一人で悩んでいましたが、この研修を通じてこれは自分だけの悩みではなく、みんなが共通して抱えている悩みだということが分かりました」とある研修参加者が修了式の代表挨拶の中で言っているように、どうやら教授法へのニーズの高まりはやる気のない学習者の増加に比例しているようです。

今回の教授法の授業は、第2言語の習得理論を共通講義で学び、クラスごとに文献購読や教材分析を通して理解を深め、技能別指導法(読解・聴解・会話・文法・文化学習、及びインターネット活用)を体験的に学び、自分の教育現場での応用を考え発表する、という流れで進めてきました。私はその中で主に読解指導法と言語研究の授業を担当しました。研修参加者はみな積極的に授業やいろいろな活動に参加してくれました。一番印象に残ったのは最初は新しい理念や実践に対して戸惑いを見せたり、自分の現場に合わないと言って拒否反応を示したりした研修参加者が、研修が進むにつれて、別人のように授業改善に意欲的になったことです。帰国後、それぞれの教室の実情に合わせて実行に移していくことに期待したいところです。

歓送会のあと、研修参加者主催の二次会に呼んでもらい、ゲームをしたり、歌を歌ったり、名残惜しいひと時をともに過ごしました。51日間の研修期間はあっという間に終わりましたが、私にとっても実り多い秋になりました。


担当講師の声 担当:A.T.

平成19年度 中国大学日本語教師研修の写真2 前回担当したインドネシア研修に続き、単国研修である中国大学日本語教師研修を担当しました。といっても、当然全く異なる国ですし、中等教育対象であったインドネシア研修に対し、大学教員のための研修であること、人数もインドネシアの倍である40名ということで、研修の雰囲気も異なるだろうと緊張して初日を迎えました。

参加された先生方は予想と違わずとても真面目で勉強熱心という印象でした。この研修では授業のほかに、茶道、生け花などの文化体験を行いましたが、メモをとったり講師に質問をしたり、常に真剣でした。その印象は終始変わらず、研修に対する熱意を感じると同時に、研修が進むにつれて、先生方の他の一面も見ることができました。

現代日本文化を知ることを目的としてジブリ美術館を訪れた際には、中国でもおなじみだという宮崎駿監督の映画に登場するキャラクターのグッズを前に、嬉しそうに小物などを買う女性の参加者の方々を見て、とても身近に感じました。また、忙しい授業の合間に、本研修参加者の主催で「スポーツ大会」が開かれたのですが、バレーボール、テニス、卓球それぞれに多くの先生方が参加しておられました。自ら大会を企画し、積極的にスポーツに励む先生方の姿もとても印象的でした。

歓送会の後には、参加者主催の謝恩会が開かれました。授業を担当した専任講師の先生方、そして私も呼んで頂いたのですが、この会にはとても驚きました!自由に歓談しているような雰囲気だろうと思ってのぞいてみると、きちんと司会者がいて、クイズやゲームなど様々なプログラムが用意されていたのです。それまでゆっくり話す機会のなかった先生とも打ち解けた雰囲気でお話ができ、いつもとはまた異なる先生方の一面を最後の最後に見ることができました。

「中国」研修とついひとくくりにしてしまいがちですが、参加者の先生方は広い中国の様々な地域から参加されています。同じ中国出身でも、物理的距離という点では日本の方がよっぽど近いような参加者同士もいらっしゃったと思います。中国に戻って同じメンバーが再び集まることが決して容易ではないことを思うと、今回の研修がどの参加者にとって思い出深く意義のあるものであってほしいと願うばかりです。

お問い合わせ

国際交流基金日本語国際センター
教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)