海外日本語教師の養成・研修

平成23年度 日本語教育指導者養成プログラム(修士課程)参加者紹介

日本語教育指導者養成プログラム(修士課程)は、日本語教育の分野のリーダーとなるべき人材を養成する目的で、平成13年度に開設されました。平成23年度のプログラム(研修期間:1年)は、平成23年9月から開始され、4カ国4名が参加しております。(平成24年6月現在)

キム ミジンさん: 韓国 蔚山中央女子高校

キム ミジン氏の写真 私は現在、平成23年度「日本語教育指導者養成プログラム」の11期生として研修に参加し、もう9ヶ月目になります。本研修に参加する前、韓国で日本国際交流基金の「夏季集中講義」を受けたことがありました。その時の講義が大変勉強になったので、本研修にも信頼を持っていました。

本研修は韓国での他の大学院の修士課程とは異なる特徴があると思います。それは「①世界各国から来た、②現職の日本語の教師を対象に、③1年間で修士課程を履修させる」ということだと思います。

①について話しますと、今年の修士課程はインドネシア、モンゴル、中国からの教師が参加しています。そのため、海外での日本語教育の事情が分かると共に、普段意識していなかった自国の日本語教育について振り返ることができます。昨年の12月には「自国の日本語教育を語る」シンポジウムがあり、そこで韓国の改定教育課程について発表しました。はずかしい話ですが、その準備をしながら初めて、自国での日本語教育の現状が分かり、教育目標について考え直すきっかけになったと思います。

②現職の日本語の教師を対象にしているため、すべての研修内容が現場の授業の改善につながるという点が本研修の一番の強みだと思います。今まで自分が受けてきた教育学の授業は理論の理解にとどまり、いざ現場で授業をする時には、役立たないことが多かったと思いますが、本研修では優秀な講師陣により充実した授業が受けられるので、貴重な機会だと思っています。

③1年間で修士の学位が取れるという点が、現職の教師としては大変助かる条件だと思います。最初は得するような気がしましたが、その分、授業を受けながら論文(特定改定研究のレポート)を書くというのは、思った以上に大変な点もありました。しかし、その分、ここでの毎日は大学受験以来、一番頑張って勉強していると思われるほど、充実した時間だと思います。

今までは教師としての自分しか考えていませんでしたが、本研修で「学習者」としてまた「研究者」として苦しんだり楽しんだりした時間やここでの様々な出会い— 各国からの個性あふれる研修生、優秀な先生方や優しいスタッフ—は自分の人生の宝物になると思います。今日で研修はちょうど100日残っていますが、現在を大切にしながら最後まで頑張っていきたいと思っています。ありがとうございます。


何 建軍さん: 中国 広東省旅遊学校

何 建軍氏の写真 平成23年9月27日、3時間半の空の旅を経て、日本語教育界において著名な先生方のご指導の下で、勉強する期待や楽しみ一杯でわくわくしながら、この美しい国に着きました。 「朋あり遠方より来る、また楽しからずや」(「論語」)。日本語国際センターは王羲之の曰く「群賢畢く至り、少長咸な集ふ」ところで、世界中の日本語教師・研究者がこちらに集まっています。廊下でも、有名な研究者と出会うチャンスがあります。こちらで日本語を使って、アジア・ヨーロッパ・アフリカ・北南アメリカからの先生方・研究者とお知り合いになることができて、また、メールでもやり取りを続けていて、また楽しからずや!

「日本では、一時間でも無為でいると、何かせねば、と気がせいてくる」と藤原新也の言った通り、私達は忙しいリズムで普通2年か3年の修士コースを1年に濃縮して、進んでいます。幸いに、プログラムの先生方の学業から生活までの行き届いたサポートがあったり、こちらで日本語教育界の名門学者に普通に会うこと、聞くことができたり、指導の先生が熱心に支援してくださったり、無事にいろいろな壁を越すことができました。責任感が強く真面目な先生、充実したカリキュラム、産出が求められている面白い授業、沢山の研究会、最新の研究情報、それから、文楽・歌舞伎・相撲鑑賞などのおかげで、私は、①カリキュラム、シラバス、教案などの改善、②教科書・資料、教授道具等の選択、③語彙、聞く・話す・読む・書く、文化・事情などの指導、④日本語学、日本語教育、問題解決に関する研究、⑤教師、学生、ネイティブの間の協力、⑤話せる、コミュニケーションできる、問題解決できるCan-Do型の人材育成等の多分野に渡り、沢山の知識やスキルを獲得した気がします。

「言葉で語りきれない感動の中で勉強・仕事をしていきたい」(何建軍)。もうすでに「特定課題報告」の決戦に入った私は、次々とやってくる困難で転んだり、起きたり、転んだりすることを予想しております(実はもう転んだことがある)。また、卒業後の道でも様々な難しい問題に遭遇することが考えられますが、この感動を心の底に持ち、頑張っていこうと覚悟しております。


ドルジ・ネルグイさん: モンゴル ダルハンウール県ナラン第23番学校

ドルジ・ネルグイ氏の写真 モンゴルの大学で日本語を勉強し始めた時から、「いつか、是非、日本の大学で勉強したい」という希望と目的を持ち続けてきました。この希望と目的は、ようやく8年後に達成され、現在、国際交流基金と政策研究大学院大学によって実施されている「日本語教育指導養成プログラム(修士コース)」の学生として勉強しています。

こちらに来て、日本語教授法、教師教育論、言語教育研究法等様々な授業を受けた時、分からないこと、理解できないこととぶつかり合い、落ち込んだとき、落胆したときがよくありました。しかし、そのような落ち込みや悩みがあるからこそ、もっと頑張りたい、もっと知りたい、「なぜ、私はできないの」「私はできるはずだ」という自信を持って前向きに進むことができたと思います。

このプログラムを通して、日本語教授法、言葉の研究、教師としての役割等について多くの知識を得るとともに、一番重要なことは、自分の現場での問題点を観察し、正確に意識する力、それを解決するための様々な理論知識、方法が分かったことです。また、8ヶ月間の先生方の丁寧な指導の下で、授業をもっと効果的にし、学習者一人一人を育てるには、教師が現場では、ただ教える立場ではなく研究者としても立つべきだということを理解させてくださったことが貴重な財産です。

このように、ここで気づいたこと、感じたこと、学んだことを、自分の現場に限らず、自国の日本語教育の現場に生かし、拡大していくことが次のステップだと思います。


ドゥイ・アストゥティさん: インドネシア ジャカルタ国立大学

ドゥイ・アストゥティ氏の写真 平成23年度の「日本語教育指導者プログラム(修士課程)」に参加できて、とても恵まれていると思います。日本に来てまもなく当プログラムの10周年記念シンポジウムの準備が始まりました。大変でしたが、初めて日本で日本語でポスター発表ができていい経験になりました。また、授業で日本語教授法、研究方法などの授業を受け、貴重な知識を与えられました。たくさんの授業や発表の後で、振り返り・感想を書かせていただくことによって、私たちが自分が学んだことや進歩の自己モニターが習慣になりました。先生方からのフィードバックもいただいたので、自分が気づいていないことやわからないことが明確になりました。

当プログラム研究に参加する間に研究するチャンスもいただきました。来日前、国では別の機関の日本語教師との協働で研究する経験がありましたが、指導教官の元で一人で研究を計画し、実施し、レポートを書くのは初めてです。今回の経験や得た知識を生かして、これからも研究を続けたいと思います。

私たち4人が最初のころは集団行動がほとんどでしたが、実習を準備して以来、みんな忙しくなり、別行動になってしまいました。それでも、お互いに励ましあい、助け合うことが続きました。これからも仲良く一緒に頑張りたいと思います。残りの3ヶ月は、クラス内だけでなく、文化体験プログラム、大会参加、日本人との交流、旅行などのクラス外のアクティビティを通してもっと勉強していきたいと思います。

自国に戻ったら、所属機関のみならずインドネシアにおける日本語教育の発展に貢献したいと思います。

お問い合わせ

国際交流基金日本語国際センター
教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
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