海外日本語教師の養成・研修

平成23年度海外日本語教師上級研修プログラム

日本語国際センターでは毎年、「海外日本語教師上級研修」を実施しています。このプログラムは、世界各国において日本語教育のリーダーとしての役割を果たしている方々で実際に日本語教育の現場で日本語教材制作、教授法、カリキュラムの開発等の課題や解決したい問題点を具体的に有する方を対象に行う研修で、自立的に問題を解決する能力の育成を目的としています。
平成23(2011)年度上級研修は10月26日~12月22日まで、5カ国から11名が参加しました。 この間、11月1日~11月16日までフィリピンの「中等教育における日本語教育導入支援担当チーム」がこの研修の講義の一部に参加しました。

JFサポーターズクラブのWebサイトでは、研修の終了式のもようや研修生のインタビュー、修学旅行生との交流のもようを紹介しています。

横スクロールできます

平成23年度海外日本語教師上級研修プログラム参加者
No 氏名 所属機関 プロジェクト・テーマ
1 金 小泳 韓国 南倉中学校 ひらがな学習パワーポイント
教材の作成
2 戴 斌 中国 厦門大学嘉庚学院 『中日通訳入門』 教材開発
3 三浦 久仁子
4 余 逸文
5 沈 麗芳 西安交通大学 西安交通大学日本語学科の
シラバス改善における
JFスタンダードの応用
6 王 精誠
7 趙 蔚青
8 黄 源利 マレーシア トンクサイドプラト中等学校 マレーシア中等学校
日本語科目の
評価方法の開発
9 ノーラアジザ オスマン トゥン・ファティマ中等学校
10 ヴァシレヴァ マグダレナ ブルガリア ヴェリコ・タルノヴォ大学 映像教材を取り入れた
日本語教育のデザイン
11 阿部 弘 ロシア イルクーツク国立言語大学 新教育課程における
シラバスの作成と
教科書(副教材)の作成

「出会い」
金 小泳 KIM, So Young(韓国)

金 小泳さんの写真 韓国のウルサンの南倉中学校で日本語を教えています。‘やる気を失いつつある中学生向けのひらがな学習パワーポイントの作成’というプロジェクトで今回の研修に参加させていただきました。 外国旅行は日本、タイだけの私は今回の研修で世界各国のみんなと出会ってその国に行って、短い旅行してきたような気がします。私たちは人生を生きる中、色々な人と色々な場面で出会います。時には長く永遠に続くような出会い、時には一時期の短い出会い・・・ある出会いからは深い絆が生まれたり、ある出会いからは傷つけられたりもします。どちらにしても、出会い自体はたくさんの何かを残します。私は今回の研修で世界各国の国、マレーシア、ブルガリア、ロシア、中国、そして日本の人と出会いました。その人々と2ヶ月間、時には楽しく、時にはお互いのつらさを支えながら過ごしました。出会いが関係に形が変わると、相手の色々なところがわかります。時にはとげにさされるくらいの言葉できずつくこともあるでしょう。そのとげのせいで苦しんだり、泣いたりすることもあるでしょう。でもその出会いって偶然ではないと韓国のある歌手は歌っています。いつもカラオケのしめを飾る曲でよく歌われています。その歌のように今回の出会いはただ偶然ではなく、これからの強い絆を作ってくれたきっかけになったと思います。そして、この出会いを通して自分を振り返ったり、見つめなおしたりすることもできました。本当に色々な意味で充実した研修でした。2ヶ月間毎日喜怒哀楽しながら過ごした勝手に仲間って呼びたいみなさん、今後とも世界各国での活発な活躍を期待しています。そして最後にセンターの先生方々に感謝の言葉を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。また、どこかでみなさんと素敵な再会ができることを楽しみにしています。


「上級研修の感想」
戴 斌 DAI, Bin(中国)

戴 斌さんの写真 今回は日本語教師のための上級研修に参加させていただきまして、誠にありがとうございました。 来日前、中日通訳入門のための教材を作るために、通訳理論に関する論文や市販されている通訳教材などに対して、いろいろ研究・分析を行いましたが、なかなか糸口が見つからなくて、着手することすらできませんでした。来日して最初の段階ではかなりリラックスした気分で授業を受け、余裕を感じられましたが、研修旅行から帰ってきてから、授業を重ねるごとにそのボリュームの大きさを感じました。少しずつ宿題に追われる毎日になりつつ、知らないうちに五里霧中の状態に陥ってしまいました。「JFスタンダード」や「Can-do」なども徐々に生活のキーワード的な存在になってきています。 学習目標をまとめるために、Can-doの内容を何回も読んでみました。知らないうちになんとなく分かったような気がしました。やっぱり理解するには時間がかかりますよね。来日する前、どんな成果が得られるのか、ずっと心配していましたが、Can-doを理解できたら、まるで糸口を見つけたように、順調にプロジェクトを進めることができて、授業の学習目標そして授業成果の評価基準なども難なく設定することができて、山場を越えたような感じでした。快晴が戻ってきました。先生たちのご指導、ご協力の下で、シラバス全体、本文、一部の本文の録音までできました。これは来日前の予想を上回った成果を遂げたと思っています。 2ヶ月の研修は短かったんですが、各国からいらっしゃった先生たちと出会い、いろんな交流活動を通じて教師のネットワークもできました。これも一つの大きな成果ではないかと思っています。帰国後も引き続き残った作業を終わらせ、日本語国際センターで学んだことを実際の日本語教育現場に活用しようと考えております。


「思い出の詰まった2ヶ月間」
三浦 久仁子 MIURA, Kuniko (中国)

三浦 久仁子さんの写真 中国福建省の厦門(アモイ)大学嘉庚学院から参加しました。北海道出身のせいか南国に憧れてアモイにやってきて、早いものでもう7年になります。中日通訳の授業で使用する通訳入門教材開発というプロジェクトで、3人のチームの1人として上級研修に参加しました。 世界各国からの11名の研修生が緊張の面持ちで参加した開講式。その翌日からの秩父への一泊二日の研修旅行では、先生方も含めて自分のライフラインを紹介し合い、一緒に和気あいあいと温泉に入り、楽しい研修になりそうな予感がしました。 11月はインプットの授業を受け、毎回のように課される宿題をこなすうちに瞬く間に過ぎていきました。12月は授業で学んだ方法を用いて現状を再度整理し、企画書にまとめながら、プロトタイプを形作っていきました。「コースデザイン」の授業で学んだ学習者のニーズやレディネス分析から教材のテーマや教室活動を考えました。「教材分析」の授業では既存教材を分析し長所と短所を見抜く目を培い、「第2言語習得研究」の授業で学んだ第2言語習得モデルなどに基づいて教材構成をデザインしました。研修を終える頃には、教材2課分のプロトタイプが完成し、センターの方のご協力で日本語音声も録音することができました。 プロジェクトを指導してくださった先生方からは、毎回研究相談の際に的確なアドバイスと進むべき方向を指し示していただきました。寄り道する余裕のない短い期間だっただけに、先生方からのご指導がなければプロトタイプを完成するまで至らなかったことでしょう。 また、研修においてプロトタイプと同じく重要なものに企画書がありました。プロトタイプは今後試用と共に形を変えていきますが、企画書にはこのプロジェクトの意義と方針といった原点が集約されており、研修の成果が詰まっています。教材作成にはたくさんの方々の協力が必要です。今後教材作成に関わっていく方々に本プロジェクトの意義と方針を共有してもらう際にこの企画書が非常に役立つでしょう。 最終報告会前の二週間は、企画書とプロトタイプの本文の執筆、録音作業など、非常に忙しい毎日でした。プロジェクトは違っても、研修生のみなさんが作業に真剣に取り組む姿に刺激されたり、つらいときに声を掛け合って励ましあったりしながら、最終報告会までたどりつけたという気持ちでいます。名残惜しい中みんな笑顔で迎えた修了式でしたが、それはきっとまた会えると思っているからでしょう。二ヶ月という短い時間でしたが、笑顔や涙、いろいろな思い出の詰まった研修になりました。


「センターは、われわれ日本語教師のガソリンスタンドです」
余 逸文 YU, Yi Wen (中国)

余 逸文さんの写真 16年前、当時の研修訪問団の中の一番若手の日本語教師として、一ヶ月間日本語国際センターで研修を受けました。それ以来、ずっと懐かしくて、センターでの研修生活を何回も何回も思い出して、いつかまた行きたいなあと思って、やっと、2011年10月に私の長年の夢が実現できました。16年ぶりに再びセンターのロビーに入ってきたその瞬間、涙が出るほどの感動で、言葉に言い尽くせない喜びでした。 16年前、ここで学んだこと、感じていたことは、16年間の日本語教育に携わってきた私の堅固な基礎と柱となりました。ですが、時代が変わるにつれて、時々教えることに自信がなくなり、心細くなって、落ち込む日々がよくありました。 今度の上級研修で、最初の“コミュニケーション言語能力とは何か”という検討から、コースデザイン、学習目標設定とCan-do、教材分析、学習の評価、テストの作成などにわたって、豊富で多様な教授法の授業に出会わせていただきました。また同様にボリュームの豊富な特別講義やシンポジウム、交流会などに参加させていただきました。いろいろな新しい情報や知識や技能を身につけたり、新しい視点や方法を学び取ることができました。どうやら充分に充電されたような感じがしております。 それに、もっとも収穫が多かったことは、うちのプロジェクトの大躍進です。勤めているアモイ大学嘉庚学院の日本語専門の3年次学生を対象とした中日通訳入門の授業デザインと教材開発のプロジェクトなのですが、指導してくださった先生をはじめ、センターの他の先生の方々および研修生の皆様から、丁寧なご指導、貴重なご意見を賜って、先生のお力をお借りして、一番困難な時期を乗り越えて、今日の成果を得られました。もちろん残りの作業がまだまだありますが、先生のおかげで、自信を取り戻しましたので、頑張ればいけそうと思います。 日本語国際センターは、われわれの日本語教師のガソリンスタンドです。今回の研修でいっぱい給油していただきました。また新しいスタートのつもりで、もっと長く、うまく走れるように頑張ります。


「上級研修で学んだこと——チームの力」
沈 麗芳 SHEN, Lifang (中国)

沈 麗芳さんの写真 西安交通大学の沈麗芳です。「西安交通大学日本語科のシラバス改善におけるJFスタンダードの応用」というプロジェクトで上級研修に参加させていただきました。 上級研修に来てから、時間がたつ速さをいっそう強く感じた。1日に48時間、72時間あればいいのにといつも思っていた。ここでいろいろ勉強できた。日本語のことも、日本語教育のことも。そして、もう一つ、チームの力だ。 ここに来て覚えた言葉の一つは「文殊の知恵」である。先生に教えてもらった時は、「こういう言い方があるんだ」と、もう一つの新しい言葉として覚えておいた。しかし、研修が進むにつれて、さすが「文殊の知恵」だなあと、しみじみ感じてきた。上級研修の皆さん、フィリピンのEnTree教材開発チームの皆さんとチームになって、議論したり、学んだりした時のシーンがいつも頭の中に浮かんでくる。最初の合宿の時のメガネチームのコミュニケーション能力「お弁当理論」をいまだに誇りに思っている。チームメンバー全員の力がないと、できないものだと思っていた。 研修が進むほど、チームの力が感じられてきた。「こんなすばらしい考えもあるんだ」、「よくまとめてくれたね」と、自分たちのチームだけではなく、それぞれのチームの成果をシェアしながら、学んできた。それぞれの小さいチームが、大きな一つのチームになっている。 上級研修のみなさん、一緒に授業を受けたフィリピンチームの皆さん、修士コースの皆さん、チームメンバーに入れてくれて、ありがとう。そろそろ帰国になるが、チームの皆さんとさようならを言いたくない。遠く離れていても、チームメンバーで行こう。そして、また新しいすばらしいチームを作ろう。すばらしいチームを作ってくださった先生方々、みなさん、ありがとうございました!


「忘れがたき日々」
王 精誠 WANG, Jingcheng (中国)

王 精誠さんの写真 私は中国から来た王精誠です。勤めている西安交通大学では、4~5年ごとに各科目のシラバスを更新することになっており、従来のシラバスでは日本語知識の教授を中心に記述され、学習目標が明確ではなく、細かい点で共通理解ができないため、教師の自己流の授業になってしまうという問題点があります。また、「総合日本語」と「聴解」の科目において、教材が、去年から日本語コミュニケーション能力を重視する『基礎日語総合教程』、『基礎日語聴力教程』に変更されました。それで、「総合日本語」と「聴解」の科目のシラバス改善と授業案の作成を行わなければならなくなりました。 ちょうどその頃、ここ日本語国際センターから西安交通大学に戻った張文麗先生からJF日本語教育スタンダードの話を聞きました。早速申し込むとありがたいことに許可され、今年の10月26日から上級研修という形でここへ参りました。そしてあっという間に2ヶ月の研修が終わりました。 研修の間、教授法をはじめ、多分野にわたる特別講義を受講させていただきました。島田先生、生田先生の卓越した研究成果に基づく講義により、勉強できたとともに仕事に専念している先生方の姿勢にも常に感動させられました。授業で学んだ知識は西安交通大学日本語学科のシラバス改善にたいへん役立ちました。時々これらの授業は、まったく私たちのプロジェクトのために設けられたようだなと感嘆しました。 企画書やプロジェクトに当たって、古川先生からは、一文一文だけではなく、制作の発想や方法などを丁寧に、透徹したご指導をしていただきました。そのおかげで私どもは日本語教師としてのスキルが高まったと同時に、これから自立的にプロジェクトを遂行する能力も身につけました。 ほかに、最初から最後までお世話になった職員の方をはじめ、事務、受付の皆さんの笑顔、おいしい料理、美しい環境、完備した施設などなど、全部私の心に焼き付けられました。生涯忘れません。本当にありがとうございました。


「わたしが上級研修で学んだこと」
趙 蔚青 ZHAO, Weiqing (中国)

趙 蔚青さんの写真 西安交通大学の趙蔚青です。「西安交通大学日本語科のシラバス改善におけるJFスタンダードの応用」というプロジェクトで上級研修に参加させていただきました。 JR京浜東北線のすぐ近くにあるのに静かな佇まいの国際交流基金日本語国際センターに、15年ぶりにやってきました。1996年秋、中国日本語教師短期研修に参加し、それは初めての日本訪問でした。そして、今年の秋、上級研修でまたセンターを訪れることができました。 上級研修に参加できて本当によかったです!2ヶ月間、何もかも忘れて学生に戻ってひたすら研修に専念し、いろいろと学ぶことができました。 まず、教材作成やシラバス開発のために企画された教授法の授業や特別講義を通して、日本語教育に関する新しい理論や、JF日本語教育スタンダードについての理解を深めることができました。そして、授業で学んだ知識を即座にプロジェクトに生かし、教育現場の課題を発見し解決策を探るプロジェクト作業の進め方を知り、自力で問題解決する能力を身につけました。 また、グループ活動を通して研修のタスクを一つ一つ達成するとともに、上級研修生のみなさんからも、プロジェクトに積極的に取り組む姿勢、事前調査をしてきた用意周到さ、生徒を思う気持ち、学生の将来を案じる熱心さ、仲間を思う思いやりの気持ち、などなど、すべて自分のものにするのが無理だと知っていますが、すべて学びたいものばかりでした。チームワークの力も身をもって感じました。 そして、2週間しか一緒にいなかったのですが、フィリピンのEnTree教材開発チームのみなさんからもフィリピンパワーをいただきました。おまけに、パワフルな歌もダンスも満喫しました。 静かなセンターで唯一にぎやかな所、それは食堂です。世界各地からの研修参加者がここに集まります。ここでは日本語が共通語。あ、なるほど、これこそ「日本語人」だなと分かってきました。 あっという間に過ぎてしまった2ヶ月間。教室内でもどこでも私たちの背中を押してくださった疲れを知らない熱血の島田徳子先生、振り向くとすぐそばで静かに見守ってくださった生田守先生、どんな提出物を出してもいつも「すばらしい!」とほめてくださった古川嘉子先生、ありがとうございます。そして、研修生のみなさん、やっぱり、上級研修ですばらしい方がたに出会って一番よかったです!
プロジェクトの実を結ぶだけでなく、絆も結びました。


「研修中の私を支えた力」
黄 源利 OOI, Guan Lee(マレーシア)

黄 源利さんの写真 私はマレーシアから参りましたウイ・グアン・リー(黄源利)と申します。現在マレーシア半島の一番北にあるプルリス州の全寮制中等学校で唯一の日本語教師として働いています。日本語の教師になって、もう10年になりました。教育界に入って以来、小学校で英語の教師、留学生、父親、夫、大学院生といった役割を果たしてきました。 この二ヶ月の上級研修に参加して、マレーシアにおける中等教育面での様々なことを見直してきました。日本語教育を実施している全校を対象とした評価方法を開発するのは、決して簡単なことではありません。研修中から有意義なインプットを得られて、役に立ち、いい勉強になりました。大体のプロトタイプができましたが、まだベストの段階までになっていません。これから、教育省試験パネルと一緒に考えて行きたいです。 研修中、学校と離れても、時々同僚や生徒からの暖かいメッセージを受けて、何よりも元気づけられました。家族と暫く離れていましたが、ほぼ毎日連絡があり、励ましてくれて、家族のありがたさを感じました。子供の姿を見ても、しっかりしてきて、成長してきたなと思いました。 パートナーと一緒にプロジェクトの作業をして、研修の終わりには、それまでよりももっと仲良くいいチームになったと実感しています。 センターの先生方に貴重な知識、情報、アドバイスをして頂きまして、とても感謝しております。一生忘れません。私にとって教師の仕事は「料理人」のようなものです。調味料を使ってうまく調理したら、出来上がった料理も絶品となります。一生懸命に工夫して調理した料理をお客様がおいしく味わったら、何よりの満足感を得ることができて、嬉しいです。これから、日本語の教師としてもっと活発にやっていきたいです。
これまで出会いと別れを繰り返して歩んできました。皆さん、元気で、いつか、どこかで会いましょう。


「さようなら日本」
ノーラアジザ オスマン Noraazizah Binti Othman(マレーシア)

ノーラアジザ オスマンさんの写真 2ヶ月という期間は本当にあっという間のことでした。上級研修プログラムがはじまったのがまるで 昨日のことのようです。この2ヶ月間の日本での生活は、楽しかったことも、悲しかったことも、大変なこともありました。浦和に来させていたただいて、突然教師から学生になり、学生の立場になって学生の気持ちがよくわかるようになりました。 授業で色々な教授法を教えていただいて、先生方は様々なストラテジーを使われていて、休みでも私たちの研究について手伝ってくれて、一生忘れられない経験となりました。先生方の熱心なご指導のおかげで、「マレーシア中等学校における日本語科目の評価方法の改善」という研究テーマに取り組むことができました。色々な情報を教えてくれた先生方に感謝しています。この短い研修期間だけでは、国のための研究が終わりません。帰国して、研究を続けなければなりません。先生方からの力がなかったら、本当に大変だと思っています。 1つのクラスで他国の人たちも仲良くなって、よかったと思っています。日本語の研究だけでなく、大切な人生の教訓も学びました。最も重要なことは、私達が友情や人生について、だんだん深く分かってきたことです。私たちは友達に心を開いて、友情を深めて、他の人の考え方や思想をはじめ、他の人の話し方、他の習慣等を受け入れることを学びました。いい勉強になりました。 最後に、浦和の国際交流基金で、お世話になった先生方、浦和センターのスタッフの方々、そして食堂のスタッフの皆様、疲れても、いつも笑顔で私たちのために料理を作っていただきました。日本で特に国際交流基金のみんな様との忘れられない経験を心に残して、日本を離れるとき笑顔でさようならと言って、帰国したいです。上級プログラムに参加させていただいて本当によかったです。また日本のいい思い出、自国の人たちに早く伝えたいです。さようなら日本と言っても、本当に心からさようなら日本と言いたくないです。


「ヒューマン・ファクター(Human Factor)について」
ヴァシレヴァ マグダレナ VASSILEVA, Magdalena(ブルガリア)

ヴァシレヴァ マグダレナさんの写真 ブルガリアは古い都にあるヴェリコ・タルノヴォ総合大学で日本語を教えているマグダレナ・ヴァシレヴァです。 日本語を勉強しはじめたきっかけは、ある日本語の先生との出会いでした。その先生は学習者にとてもやさしく、心理的距離を感じませんでした。その時、初めて「技術」よりも先に「人」がいるのではないかと思いました。そして、今でも「ヒューマン・ファクター(Human Factor)が教育だけでなく、様々な分野における大きな役割を果たしているのではないかと思います。人との出会いや身近な話からは大きなできごとやアイディアが生まれたりするからだと思います。 今回、参加させていただいた研修も、ヒューマン・ファクターの面で非常に豊富なものでした。充実感と達成感に満ちた毎日を過ごすことができて、大変感謝しています。他の国の日本語教師と意見交換、問題と悩みをシェアできて、とても豊かな気持ちになりました。
取り組んだプロジェクトは「映像を通して社会と文化」というタイトルにしましたが、日本の「社会」と「文化」というものを、どういう観点から取り上げたらいいか分からなかったし、理論もあまり把握していませんでした。特に日本語の授業でどうやって文化を取り扱ったらいいかということが難しかったですが、上級研修の教授法の授業や特別講義で習ったこと、そして指導して下さった先生との相談でいただいたアドバイスのおかげで、ぼんやりとしていたところが少しずつはっきりと見えてきました。
日本語母語話者の日本語教師には言語知識以外に日本文化に関する知識を持つことが期待されています。日本語学習者に日本語を教える際、文法や音声、漢字などと同等に、日本語の背景にある日本人の考え方などにも、十分な注意を払うことも期待されています。実は、ここもヒューマン・ファクターが大いに役割を果たしているのではないかと思います。 文化をどういう観点から見たらいいかというと、その文化を背負っている人に焦点を当てたらいいと思います。「文化」も「人」だからだと思います。


「充実感」
阿部 弘 ABE, Hiroshi (ロシア)

阿部 弘さんの写真 私はロシア連邦のイルクーツク国立言語大学で働いています。今回、北浦和の日本語国際センターで2ヶ月間研修の機会をいただきました。研修では、「実践日本語のシラバス」と「採用教科書の不足項目を補足するための副教材」を作成しました。 ロシアの大学は現在大きな転換期にあります。大学は5年制(専門士)から4年制(学士)の制度へと移行中で、各大学では新しい教育プログラムの開発が急がれています。 イルクーツク国立言語大学でも2011年9月に最初の学士課程の学生が入学しました。学習時間数の多い外国語大学では、より慎重な変更が求められます。目標到達度のレベルを落とさず、効果的な教育を行うためには、教育プログラムの全面的な見直しが必要になります。 今年度入学した学士課程の学生が4年生になるまでに、新しいシラバスを暫定的に導入し、大学が要求する基準との合致、学習目的の達成、学生のニーズ、教材などを検討しなければなりません。シラバスと会話教材を開発することにより、教員全員が教育プログラムの重要性を認識し、4年間で高い日本語レベルを要した学生を養成するという目標に向かって一丸となることができると考えました。 2ヶ月の研修では、プロジェクトのテーマを遂行する上で必要な理論や方法論をセンターの先生達が与えてくれました。この研修は自主性が求められますが、研修参加者と一緒になっていろいろ走り回ってくださるセンターの先生達は本当に頼もしかったですね。本当にいろいろ学びました。 また、中国、韓国、マレーシア、フィリピン、ブルガリアなどから来た、経験豊富な教師の皆さんにも刺激をうけました。夜中まで討論したり共同作業に取り組んだり、時には語り合ったりと、教師としてこれからやっていく自信を彼らにもらいました。 笑いあり、怒りあり、ときには涙もあり!の研修でしたが、今は胸をはってロシアに帰ることができます。こんな充実感は久しぶりでした。10年以上教師をやってきたことに対するご褒美だったのかな、というのは言いすぎでしょうか?

お問い合わせ

国際交流基金日本語国際センター
教師研修チーム
電話:048-834-1181 ファックス:048-834-1170
Eメール:urawakenshu@jpf.go.jp
(メールを送る際は、全角@マークを半角@マークに変更してください。)