平成25年度海外日本語教師長期研修 修了者の帰国後の報告(2018年4月)

日本語教師長期研修参加者の集合写真
(日本訪問を記念して作った旗を前に記念撮影。左端がハシム先生)
インドネシアから、平成25年度長期研修に参加したハシム・ムハマッド先生が、インドネシア東ジャワ州にあるプログレシフ・ブミ・シャラワット宗教高校の生徒10人と、アスミラ校長先生、日本語教師のイファ先生を引率して、日本語国際センターを訪問しました。
ハシム先生は、長期研修に参加した2013年には、PGRIルマジャン専門高校の教師でした。 その後、PGRIルマジャン専門高校では日本語の授業がなくなってしまい、2014年に自分で日本語学校※を設立して、生徒に日本語を教えています。中学生から大学生、成人まで、学校以外でも勉強したい熱心な生徒が260人ほど学んでいます。
今回、ハシム先生は、マ・プログレシフ・ブミ・シャルワット高校の生徒達に、ぜひ日本を紹介したいと引率を引き受けたとのことです。

センターの図書館での活動の写真
(センターの図書館では、日本語の本について紹介しました。中央左がハシム先生)
マ・プログレシフ・ブミ・シャルワット高校は、生徒約500人が学んでおり、日本語は週2時間の必須科目になっています。
センターを訪問した生徒さん10名は、日本語の勉強を始めたばかりとのこと。全員が初めての来日で、日本の文化や言葉を学ぶのが面白いと話してくれました。
同校では、日本語は週2時間の通常授業の他に、特別クラスやカリキュラム外の授業があり、熱心な生徒が勉強しています。また、日本語パートナーズが全学年の授業に参加しています。ほとんどの生徒は卒業後、大学に進学し、中には海外の大学に留学する生徒もいます。日本の大学への進学を希望する生徒も多く、日本への留学生第一号が出ることが期待されています。

センターでの活動の写真1
(アプリの体験が終わり、満足気な表情の生徒さん)
生徒の皆さんは、日本語国際センターの施設を見学したあと、当センターが開発したスマートフォンアプリ「エリンと挑戦!にほんごテスト」を体験しました。このアプリでは、ゲームやクイズを通して、日本語入門期の語彙や表現を学びます。声に出したセリフが正解かを、音声認識システムで判定するゲームでは、皆さん積極的に声を出してくれました。全体を通して「楽しく学べる」「アプリは便利です」等の嬉しい感想がありました。

センターでの活動の写真2
(左からハシム先生、アスミラ校長先生、イファ先生)
生徒さんがアプリの体験をしている間に、ハシム先生へのインタビューを行いました。
2013年に参加した長期研修について、ハシム先生は以下のように語ってくれました。
「もともと教えることが好きでした。日本語国際センターで、教授法や教材の作り方なども学び、自分で授業の方法を工夫できるようになりました。世界各地から集まった当時の研修参加者とは国を超えてSNSで連絡を取りあっており、たとえばエジプトの研修参加者とも教え方や練習問題などについて情報交換しています。また、インドネシア国内では教師の勉強会で、日本語国際センターで学んだことを生かしてみんなで勉強しています。研修のおかげで自信を持って教えることができます。」
ハシム先生と一緒に、日本語国際センターを訪れたイファ先生は、平成30年度の短期研修(冬期)に参加を予定しています。イファ先生は、日本語の授業でゲームや映像を使い、生徒達が楽しく学べる工夫をしているそうです。半年後に、日本語国際センターで研修を受け、インドネシアでより良い授業を生徒に提供できるのが楽しみと話してくれました。 NEXS JAPANESE LANGUAGE CENTER SURABAYA