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日本語教育指導者養成プログラム言語文化研究会
 
日本語教育指導者養成プログラム2009 修士コース概要

1. 修了 (学位取得) 要件
(1) 単位 単位は、必修科目を含め、33単位以上取得しなければならない。
(2) 特定課題研究 原則として、このプログラムでは修士論文を課さず、特定課題研究を課す。
1.特定課題研究報告
学生は、この特定課題研究の成果を、最終学期にある「日本語教育演習III」で「特定課題研究報告」として提出し、教員の前で発表、教員からの口頭試問を受けなければならない。この研究は、3.特定課題研究で後述する趣旨と方法で行ない、報告は、その経緯や考察について作成する。
2.特定課題論文
ただし、博士課程進学希望者や自国の修士に対する考え方などから、どうしても論文執筆が必要な者については、上述の「特定課題研究報告」に代えて、「特定課題論文」を書くことを希望できる。その場合は、秋学期終了時および実習後に、日本語運用力、秋学期の成績、具体的な研究計画等が一定の水準以上であり、論文指導を受けられるかどうかを判定する審査に通らなければならない。

2. 開講予定科目および履修指導
(1)開講予定科目 4領域、計22科目47単位より履修する。
(下記「科目概要」を参考のこと。)
(2) 講師 プログラムのコースデザインやカリキュラム策定、審査等については、連携している3機関 (国際交流基金日本語国際センター、国立国語研究所、政策研究大学院大学) 3名ずつの専任教員(=担当教官) が当たる。授業もすべて、3機関の専任教員によって行なう。ただし、必要に応じ、部分的に客員講師を依頼する。
(3) 履修指導 履修科目は原則として自由に選ぶことができるが、短期間のプログラムであるので、それぞれの背景や研究テーマに沿った科目の選択を、必要に応じ、担当教官が助言、指導する。

3. 特定課題研究
(1) 趣旨 このプログラムの修了生は、帰国後、自国や地域の日本語教育の指導者として活躍することが期待されている。そのため、特定課題研究のテーマも、それに沿って行なう実習も、自分の教授技術を向上させるだけでなく、まわりの教師達にも成果を伝えて意味があるものであることが望ましい。
(2) 手順 1.【来日前】
自国や自分の現場の問題点や課題を踏まえて研究テーマを設定し、実習(必ずしも、教室の中で行なうものだけでなく、調査研究などでもよい)の構想を練って自国での協力者や協力機関もできるだけ決めておく。
2.【秋学期、冬学期】
その研究テーマを深めるために、実習方法と具体的な活動案を、授業や個別指導を通して検討、計画する。
3.【春学期】
原則として自国に戻って、約1カ月の実習する。
4.【春学期、夏学期】
一連の研究計画、実施、報告を、1.(2)に前述したように報告(または論文)としてまとめる。
4.事前課題  
(1)合格が決まった学生には、以下のような事前課題が課される予定である。
  1.指定された教授法関連テキストの予習。
  (来日直後に、理解度を確認する試験を行なう。)
2.自国および自分の地域の日本語教育事情に関する情報収集と整理。
3.特定課題研究のテーマの設定と協力者、協力機関への打診。
4.自分の授業を分析するためのビデオ録画またはテープ録音。
5.その他、各授業の演習で使用するデータ類の収集。

● 科目概要

区分1:言語領域(8単位以上)

科目名

単位

必修/選択

授業概要

日本語表現法演習

2

必修

論文講読、発表、レポート執筆など日本語教育に関する研究活動に必要な日本語運用力を養う。

日本語学I

2

必修

現代日本語の文法について、教授上必要な知識の確認をし、さらに最近の研究を踏まえながら、その研究対象、方法論についても理解を深める。

日本語学II

2

選択

現代日本語をさまざまな側面(音声・音韻・語彙など)から専門的に取り上げ、日本語教授の視点を踏まえつつ、具体的な研究課題を検討する。

言語学概論

2

選択

日本語教育の基礎とすべき言語学の重要な概念、及び研究方法などについて、講義形式で概説する。

社会言語学

2

選択

社会言語学の領域での調査研究の方法論、具体的な研究事例、調査結果などを紹介する。属性差、ことばの使い分け、待遇表現、言語接触、言語意識などについて取り上げる。

対照言語学

2

選択

対照言語学の重要な概念及び方法について、概説する。学習者の母語と日本語の関連について、具体的な論点や言語事象を取り上げて、言語の対照研究について概観する。

認知言語学・心理言語学

2

選択

「人間が言語を学習・理解・産出するとき、心の中ではどのようなメカニズムが働いているのか」というテーマのもとに、日本語教育で必要となる言語の認知科学的な知識と方法について、講義形式で概説する。具体的には、(1)人間の認知モデルと学習プロセス、(2)第1言語・第2言語習得と認知理論、(3)言語学習理論と外国語教授法、(4)言語の読み書き・翻訳の心的メカニズム等を取り上げる。


区分2:言語教育領域(12単位以上)

科目名

単位

必修/選択

授業概要

日本語教育概論

2

必修

さまざまな外国語教授法の理論及び変遷を扱い、外国語教育の一環としての日本語教育を時間的空間的に概説する。また、各国の言語環境や教育政策の中での日本語教育の位置付けについて考察する。

日本語教授法I

4

必修

自分自身の教授活動を振り返りながら、初級レベルのコースデザイン、カリキュラム等の設定、基本的な教授技術と授業設計、さらに学習成果の評価方法について考える。また、授業における教材の役割や、教授ツールとしてのメディア選択などを検討する。

日本語教授法II

2

選択

中上級レベルの教授法に関する基本的な知識や教授技術、教材(教材分析を含む)、評価方法などを考える。

第二言語習得研究

2

必修

第二言語を習得するときに起こるさまざまな現象について、多方面の観点から議論をし、第二言語の習得を可能にしている要因について探る。また、第二言語習得理論の教育への応用についても検討する。母語干渉・誤用分析に始まり、各種の言語習得理論について講義を行なうほか、実際の言語データを用いた分析も行う。

言語教育研究法

2

必修

学習者に対する調査や教室調査など、言語教育に関連するさまざまな研究分野について、最近の動向を概観する。また、目的や対象に適した調査研究方法(量的アプローチと質的アプローチ)を具体的な事例を用いて検討し、言語教師に必要な実践的な調査研究アプローチを身につけることを目的とする。

教師教育論

2

必修

この科目は年間を通して行なう。まず、教師の役割について考え、教師に求められる資質とその向上のための方法について、特に自らが教師の指導者になるという前提をふまえて検討する。そのため、授業では、参加者間の議論や内省を中心とした各自の課題を重視する。


区分3:社会・文化・地域領域(6単位以上)

科目名

単位

必修/選択

授業概要

現代日本の
社会システム

2

必修

現代日本の社会運営の仕組みと実際を、政治・行政、経済・産業、科学技術、労働・福祉など多様な視点から講義する。関係教員によるオムニバス形式の授業になる。

現代日本の
教育と文化

2

必修

日本の教育の成果と課題、制度の仕組みと改革の動向などを学ぶとともに、それに関連する大衆文化を中心に、現代の身近な日本文化の一端を観察・考察する。

異文化
コミュニケーション

2

選択

異文化接触によって生じる様々な現象とその解決の方法を考える。また、日本語教師自身や教授活動の中で必要なものは何かを考察する。

言語教育政策

2

選択

日本や諸外国における外国語/第二言語としての自国語の教育政策・施策の現状について触れながら、今後期待される言語教育の在り方や学習環境について考察する。希望・状況に応じて関連機関の訪問も行なう予定。

日本文化教育研究

2

選択

日本語教育において、日本を理解するということは、どのように扱われるべきか、また、どのように位置付けることができるかについて考える。さらに、自国で日本がどのように受け入れられているかもふまえて、自国の日本語学習者を意識した日本事情のシラバスを作成する。


区分4:特定課題研究(7単位)

科目名

単位

必修/選択

授業概要

特定課題研究演習I

3

必修

将来、各国で日本語教育における指導者となるために、現場の事情を踏まえた各自の研究テーマを設定し、その課題解決のための全体構想の作成、先行文献の読解などの基礎作業を行なう。

特定課題研究演習II

2

必修

原則として、自国の現場に戻り、研究テーマに添った実習(調査研究を含む)を行なう。また、その準備や発表のための整理を行なう。

特定課題研究演習III

2

選択
必修
(*)

先に自ら設定した課題に沿って、理論と実践を結びつけた研究報告を作成する。

日本語教育特定
課題論文

2

選択
必修
(*)

先に自ら設定したテーマについて、特定課題論文を執筆する。(この科目は、原則として、秋学期終了時と実習後の審査で論文作成の実力があると判断された者のみ、履修することができる)

(*)「特定課題演習III」または「特定課題論文」いずれか一科目を必ず取らなければならない。

参考:学期構成
本プログラムは以下のように4学期構成で行なわれる。各科目(2単位分)には、その科目が開講される学期に、15回の授業が準備される。

秋学期(10月〜1月)、冬学期(2月、3月)、春学期(4月〜7月)、夏学期(8月、9月)


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