6月20日に、JFサポーターズクラブ6月のイベントを行ないました。今回は「日本と韓国、まつり文化を比較して」と題して、韓国研究者の小倉紀蔵さんにご講演いただきました。
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| 本を紹介する小倉紀蔵さん |
小倉さんは、小倉さんと金容雲さんが監修され、2008年12月に発行された、『お祭と祝祭が出会うとき―日韓のまつり文化を比較して』(アドニス書房)を最初に紹介されました。この本では、日韓のまつり文化を歴史や文化、民俗学、シャーマニズム、言語など、様々な切り口から読み解き、古代から現代、未来に至るまでのおまつりを巡る考察が繰り広げられています。
韓国には、日本にあるようなおまつりはありません。日本も韓国も古代はまつりのようなものを行なって人の心を動かしていて、共通のものがあったはずですが、今は違っているようです。その理由として、韓国では、日本のおまつりのようなものを知識人が肯定していないことが大きいと小倉さんはいいます。
まつりは民衆の力によるものです。韓国にももちろん民衆がいて、例えば市場などでは非常にパワフルな民衆の力を感じることができますが、そういうものを知識人は蔑視しています。韓国という国は、公と私、上と下がはっきりと分離しています。それに対し、日本はくっついているといいます。
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| 韓国の状況を語る小倉さん |
数年前、日本の首相が外国の要人を案内して、京都の祇園祭を見に来たときに、その要人の都合に合わせて祭の練り歩くコースを変えられないか、といったところ、すごい反発が起こりました。まつりをやっている町人のパワーがすごく強く、上層階級もそれを受け入れているのです。韓国ではこういうことは考えられません。
小倉さんは1988年に韓国に留学しました。目的は、韓国のシャーマニズムを哲学的に研究するためでした。80年代の韓国は、シャーマニズムの再発見の時期で、記録に残すため、儀式が行なわれるという情報があるとテレビのクルーや学者たちが駆けつけるという様子でした。この頃の様子を、前述の『お祭と祝祭が出会うとき―日韓のまつり文化を比較して』の中で、当時大学生だった神谷丹路さんが書いています。
小倉さん自身も、シャーマンに会いに行ったり、神や死者が降りてくる「クッ」という儀式を見に行ったりしたそうです。韓国のシャーマニズムというのはすごくて、刀の刃を上にして置いてその上でシャーマンが踊ったり、豚や牛を生贄として奉げたり、お金が飛び交ったりと、原初的なエネルギーに溢れていたそうです。日本のシャーマニズムも朝鮮から入ってきたといわれますが、日本ではそれがソフトシャーマニズムに変わって、祭になっていったといわれています。日本ではある時点でおまつりのやり方が統合されていき、各地で公式行事として保存されましたが、韓国ではシャーマニズムの公式な位置付けはほとんどありません。
そういうわけで、日本では各地でいろいろなまつりが残っており、韓国では日本のようなまつりはありません。自分の祖先をまつる祝祭などはありますが、民衆の行なうまつりは見られません。それには、儒教の影響が見逃せません。
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| 会場は満席。たくさんの方にご参加いただきました。 |
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