アジア理解講座 2002年度 第2期




2002年度 第2期
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水曜日

「経済開放最前線」

日程

 2002年9月25日~12月4日の毎週水曜日(10月2日は基金設立記念日のため休講)

コーディネーター

 絵所秀紀(法政大学経済学部教授)

講師

  • 絵所秀紀(法政大学経済学部教授)
  • 佐藤隆広(大阪市立大学経済学部助教授)
  • 服部民夫(東京大学大学院人文社会系研究科教授)
  • 吉村真子(法政大学社会学部教授)
  • 米倉等(東北大学大学院農学研究科資源環境経済学専攻教授)
  • 今井健一(アジア経済研究所地域研究第1部研究員)
  • 平川均(名古屋大学大学院経済学研究科教授)
  • 野沢勝美(亜細亜大学国際関係学部教授)
  • トラン・ヴァン・トゥ(早稲田大学社会科学部教授)
  • 三重野文晴(法政大学経済学部助教授)

コーディネーターからのメッセージ

本講座は、東アジア、東南アジア、南アジア9カ国の最新の経済情勢を伝えることを目的にしています。しかし「アジア」と一言でいっても、この地域はきわめて多様な国々から成り立っています。最貧困国から豊かな先進工業国までが含まれているだけでなく、中国、インドという2つの超大国が含まれています。
アジアは、世界で最も顕著な成長拠点です。1993年の報告書で世界銀行が「東アジアの奇跡」との賛辞を贈るほどの、目覚しい成長を記録してきました。しかし同時に、世界最大の絶対的貧困者数を抱えているのもアジアなのです。
「奇跡の」アジア諸国は、1997年から始まった通貨危機・経済危機に見舞われました。グローバリズムの荒波にもまれた結果ですが、それはアジア諸国の経済開放が進展していることの証でもあります。危機以降、アジア諸国はどのような経済運営・改革に立ち向かっているのでしょうか?その経済パフォーマンスはどのようなものであり、今後どのような展望が描けるのでしょうか?10名の専門家とともに、こうした諸問題を考えてみたいと思っています。

(絵所秀紀)

木曜日

「中国の心を知るために」

日程

 2002年10月3日~12月5日の毎週木曜日

コーディネーター

 溝口雄三(大東文化大学教授/東京大学名誉教授)

講師

  • 溝口雄三(大東文化大学教授/東京大学名誉教授)
  • 寺田浩明(京都大学法学部大学院法学研究科教授)

コーディネーターからのメッセージ

21世紀には中国は、経済・社会面でさらに大きな変化を遂げると思われます。日本との経済関係も、例えば家電製品の製造プロセスへの相互乗り入れや、トラックの委託製造など、工業製品のプロダクションからマーケティングにいたる各分野に変化を生じつつあります。私たちは、ここで改めて、身近な場面において日本人と違う中国人の生活感覚や、伝統文化、社会倫理に裏うちされた中国思想の伝統を知り、あわせて日本という国の文化的特質にも思いをいたす必要があるのではないでしょうか。
こうした意図から、本講座は、第一部で中国の伝統的観念である「天」「理」「自然」「公」などの中国的な特性を、日本のそれらとの比較を通して学び、第二部で、中国の法と倫理、法と社会、社会と倫理などのテーマを通じて、中国の民衆の生きた生活感覚や規範意識を理解し、第三部で中国の近代化が伝統文化との関わりから、どのような固有のプロセスを経て現在に至っているかを読み取るなど、全体として中国の内側から中国を知り、中国人の心情まで届くような理解を遂げるよう努めたいと思います。

(溝口雄三)

金曜日

「移動するアジア人―文化とアイデンティティ」

日程

2002年10月4日~12月13日の毎週金曜日(12月6日は休講)

コーディネーター

斎藤照子(東京外国語大学教授)

講師

  • 斎藤照子(東京外国語大学教授)
  • 伊豫谷登士翁(一橋大学大学院社会研究科教授)
  • 丹羽 泉(東京外国語大学大学院地域文化研究科助教授)
  • 内藤雅雄(専修大学文学部人文学科教授)
  • 原不二夫(南山大学外国語学部アジア学科教授)
  • 高畑 幸(日本学術振興会特別研究員/大阪市立大学)
  • 吉村真子(法政大学社会学部教授)
  • 田村慶子(北九州市立大学法学部政策科学学科教授)
  • 小泉順子(東京外国語大学助教授)
  • 岩渕功一(国際基督教大学国際関係学科助教授)

コーディネーターからのメッセージ

奇跡と言われるほどの高度な経済成長をなしとげ、植民地とそれに続く朝鮮戦争 かつて19世紀後半から20世紀初頭にかけてアジア大陸の二つの大きな文化圏インド、中国から数多くの人々が海を渡り、国境を越えて世界に離散移住(ディアスポラ)してゆきました。その多くが年季契約労働者として輸出経済の拡大する植民地に運ばれた人々、あるいは交易のネットワークに乗って商業や金融活動を広く海外で営んだ人々、あるいは中間層として植民地統治機構に組み込まれた人たちなどでした。20世紀の終わりの時点で、世界におよそ2500万人の中国系移民と約1600万人のインド系移民が存在すると数えられています。
グローバル化が進み、技術や交通の発達で移動が容易になった今日、いっそう多くの人々が国境を越えています。 移民、難民、外国人労働者、そして時には観光客も含めて、現在移動する人々の事情、そして顔ぶれはさまざまです。従来域外に移動することが少なかった東南アジア諸地域の人々も、女性の姿も多く含まれています。
この講座では、なぜ人が動くのかを考え、古いディアスポラの帰結としての現在を尋ね、新しいディアスポラの姿を捉えようと試みます。国境を越え、海を渡っていった人々、そしてその子供たち、孫たちはどのように暮らしているのだろうか。「移民から市民へ」という変化は進んだのだろうか。 「異境」で生きた人々のアイデンティティはどのように揺れ動き、変化したのか。越境者と定住者との出会いによってそれぞれの社会にどのような混交文化が生まれたのだろうか。そして新しいディアスポラはどんな形で起こっているのか。これからどんな文化が花咲くのだろうか。こうした問いかけを共有しながら、第一線の研究者たちが具体的な例をもって語りかけます。

(斎藤照子)




国際交流基金設立30周年記念事業 特別講座

「現代アジアを概観する」

 2002年10月、国際交流基金が設立30周年を迎える機会を捉え「アジア理解講座」ではアジアに対する広範な関心を持つ方々を対象に特別講座『現代アジアを概観する』を実施します。特別講座では6回の講義で北東アジアからイスラム圏までアジア各地域をバランスよく取り上げ、講師の先生方の個人的な体験も織り交ぜながら、さまざまな角度から現代アジアを考察する講義をしていただきます。
既にアジアについて知識をお持ちの方はもちろんのこと、これからアジアへの関心の扉を開こうとしている方に是非受講していただきたい講座です。

日程

 2002年10月1日(火)~11月5日(火)(毎週火曜6回)19:00~20:30

講師・タイトル

10月1日(火)  片倉もとこ(中央大学総合政策学部教授)
『アジアとイスラーム ―グローバル化のなかで―』
アジアは、世界で最多のイスラーム教徒をかかえている地域である。グローバル化と、グローバリズムの違いを明確にしたうえで、アジア社会におけるイスラームについて概観する。

10月8日(火) 津島佑子(作家)
『アジアの作家との交流から』
韓国・中国などの作家たちとの交流をはじめ、昨年からは日本とインドの複数の作家たちが直接出会い語り合うことによって文学的交流を行なう「日印作家キャラバン」を主宰している。このプロジェクトの体験、そしてアジアの作家との数々の交流を通じて、現代を生きる文学者と社会における文学の役割などについて考えてみたい。

10月15日(火) グェン・ティ・ヒュ―・ティエン(Nguyen Thi Hieu Thien) (ホーチミン市教育大学英語学部副学部長、アジア・リーダーシップ・フェロー)
『異文化から学ぶこと~あるベトナム知識人の経験』
Thien女史は、ベトナムにおける米国文学研究の第一人者であり、同国の教育分野の改革にも大きな役割を果たしてきた。外国(旧ソ連、オーストラリア)への留学、ベトナム戦争等を経験しながら、現在は高等教育の分野で活躍している同氏に、ご自身の遍歴に触れつつ、異文化理解の意味などについてお話しいただく。

10月22日(火) 川勝平太(国際日本文化研究センター教授)
『海洋アジアと日本~過去・現在・未来~ 沖縄を中心に』
「大陸アジア」と区別した「海洋アジア」に着目し、近代文明が島国の英国と日本で出現したのは「海洋アジア」のインパクト(衝撃的影響)に対するレスポンスであったという海洋史観を提示してきた。「日本は海洋アジアの一部」という認識のもとに、海洋アジアを含む西太平洋地域の津々浦々連合を提唱する。

10月29日(火) 四方田犬彦(明治学院大学文学部教授)
『日本映画と比較してみた東南アジア映画』
タイ人であれば、誰もが知っている『メー・ナーク・プラカノーン』の物語。わたしはつい最近になって、ノンシー・ニミプッド監督が撮った最新版を観て、日本の『雨月物語』とのあまりの近しさに驚いた。タイ映画と日本映画は、どこがどう似ているのだろうか。今回はこの9月にバンコクの映画基金に通いつめて勉強したことを、お話したいと思う。

11月5日(火) 姜尚中 Kang Sang jung(東京大学社会情報研究所教授)
『東北アジアの地域秩序の構想』
東北アジアは経済的な相互依存関係を深めながらも、緊張と対立の火種をかかえたままである。そうしたなかで日韓関係をひとつのコアにしてどのようにしたら東北アジアの多極分散的な地域主義的な秩序の形成が可能となるのか、その構想を披瀝してみたい。

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