アジア理解講座 2003年度 第3期




2003年度 第3期
その他の
異文化理解講座
アジア理解講座
実績について
出版について

[月曜日] (2004年1月19日~2月16日)全5回
ラオスを知ろう
東南アジア大陸部の中心に位置するラオスは、メコン河に抱かれた豊かな自然と人々のやさしい微笑にあふれているが、グローバル経済の波にも直面し、人々の暮らしにも変化が起きている。少数民族のおかれている状況や民族のアイデンティティーと切り離せない言語状況等、ラオスの今をともに考える。

[火曜日] (2004年1月13日~3月16日)全10回
インドの近現代文学―人々の心と暮らしにふれるために
古典文学と各地域の伝承を糧に10世紀ころから形成されてきた、ヒンディー語、ベンガル語、タミル語など近代語によるインドの文学が今日のインドの人々の暮らしのなかでどのように享受されているか。10人の専門家が多面的にアプローチする。

[木曜日] (2004年2月19日~3月18日)全5回
ブータンを知ろう 
ブータンは、世界中の国々が近代化の道をまっしぐらに進んでいる今日、「抑制された近代化の道」をとり、国民総幸福度の向上を目指している。他民族との共生等も含め、現在のブータンを紹介する。

[金曜日] (2004年1月16日~3月19日)全10回
東アジアの農業問題―不足・所得格差・構造調整
東アジア各国・地域における農業問題の現状を、歴史的かつ比較の視点にたって解説するとともに、視野を東南アジア、南アジア、さらにアメリカに広げ、より国際的な視点からアジアの農業を論じる。

* 講師、講座内容等、詳細につきましては、各曜日のリンクをクリックしてください。

月曜日(全5回)

「ラオスを知ろう」

コーディネーター

菊池陽子(東京外国語大学外国語学部講師)

講師

  • 菊池陽子(東京外国語大学外国語学部講師)
  • 鈴木基義(鈴鹿国際大学学長/経済学博士)
  • 安井清子(東京外国語大学非常勤講師)
  • 鈴木玲子(東京外国語大学外国語学部助教授)
  • 星野龍夫(東京女子大学/宇都宮大学非常勤講師)

コーディネーターからのメッセージ (菊池陽子)

 今回、アジア理解講座に初めてラオスが登場します。東南アジア大陸部の中心に位置するラオスは、メコン河に抱かれた豊かな自然と人々のやさしい微笑にあふれています。市場経済化、開放化の影響で、近年、日本との関係も密接になり情報も増えてきましたが、その一方でこれまでにない速さで大きな変化に見舞われています。
 本講座では、現在までの歴史を国家の成立を軸に解説した後、ラオスの今を考える上で欠かせないテーマに焦点をあてます。ベトナムの影に隠れていますが、同じように市場経済化へ向けて歩みだしたラオスはグローバル経済の波にも直面しています。人々の暮らしにどのような変化が起こっているのでしょうか。
 人や物の往来が増える中で、人口の4割以上を占める様々な少数民族のおかれている状況や民族のアイデンティティーと切り離せない言語状況はどうなっているのでしょうか。さらに、変化の時代にあっても変わらないラオスらしさとは何なのでしょうか。歴史的な文脈からラオス文化についても言及します。受講生のみなさまにラオスの魅力をできるだけお伝えし、ラオスの今をともに考える時間を共有したいと思います。

講座概要 【PDF:53KB】

火曜日(全10回)

「インドの近現代文学―人々の心と暮らしにふれるために」

コーディネーター

坂田貞ニ(拓殖大学商学部教授)

講師

  • 坂田貞ニ(拓殖大学商学部教授)
  • 徳永宗雄(京都大学大学院文学研究科教授)
  • 津島佑子(小説家)
  • 松村耕光(大阪外国語大学外国語学部助教授)
  • 丹羽京子(東海大学/亜細亜大学非常勤講師)
  • 石田英明(大東文化大学国際関係学部助教授)
  • 高橋孝信(東京大学大学院人文社会学研究科教授)
  • 高橋 明(大阪外国語大学外国語学部教授)
  • 鈴木千歳(インド児童文学の会代表)
  • 岡口良子(拓殖大学言語文化研究所講師、インド児童文学の会会員)

コーディネーターからのメッセージ (坂田貞ニ)

インドの町を歩いていると、神像を祀った寺から神にささげる歌が聞こえてくる。スピーカーからは賑やかな映画音楽が流れてきて、それに合わせて踊る仕草をする人がいる。本屋には表紙が茶色で厚い宗教書が積まれている。
鉄道の駅では派手な表紙の娯楽読物が目立つ。こういう音や本それぞれが、インドに暮らす人たちの心を表している。
これらは、公用語のヒンディー語、詩人タゴールの母語ベンガル語、南インドのタミル語などさまざまな言語で歌われ、語られ、読まれる。古典文学と各地域の伝承を糧に10世紀ころから形成されてきた近代語によるインドの文学は、今日のインドの人たちの暮らしのなかでどのように享受されているのだろうか、そこには人々の暮らしがどう描かれているのだろうか。こういう問いかけをしながら、講座を進めたい。

つぎの文献に目を通しておかれるようお奨めしたい。
〇辛島昇(監修)『世界の歴史と文化 インド』(新潮社、1992)の「文学」の章。
〇徳永宗雄・坂田貞ニ(編)『世界の文学 インド』(週刊朝日百科 115・116号)2001。

講座概要 【PDF:69KB】

木曜日(全5回)

「ブータンを知ろう」

コーディネーター

栗田靖之(国立民族学博物館名誉教授)

講師

  • 月原敏博(福井大学教育地域科学部地域環境講座助教授)
  • 西岡里子
  • 津川智明((社)青年海外協力協会)
  • 山本けいこ
  • 三戸雅義(東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻後期博士課程)

コーディネーターからのメッセージ  (栗田靖之)

この度、国際交流基金アジアセンターの「アジア理解講座」の一環として、ブータン王国を取り上げることとなりました。ブータンは、世界中の国々が近代化の道をまっしぐらに進んでいる今日、「抑制された近代化の道」をとろうとしています。
そのことは、現ジグメ・シンゲ・ワンチュク国王の「我々は、国民総生産(GNP Gross National Products)を目指すのではなく、国民総幸福度(GNH Gross National Happiness)を目指したい」という言葉に象徴されているでしょう。このようなユニークな国の方針を持っているブータンを多方面から紹介いたします。
ブータンは、この国を訪問した旅行者のほとんどの人が、ブータンが好きなるという魅力を持っています。このような魅力は何に由来するのかも、紹介していきたいと思います。
しかしこのようなブータンも、他民族との共生について問題を抱えています。このようなブータンの今日の姿についても紹介する予定です。ブータンを通して、我々日本が歩んできた近代化とはどのようなものであったのかを、皆さんが考えていただく機会になれば幸いです。

金曜日(全10回)

「東アジアの農業問題―不足・所得格差・構造調整」

コーディネーター

田島俊雄(東京大学社会科学研究所教授)

講師

  • 田島俊雄(東京大学社会科学研究所教授)
  • 本間正義(東京大学大学院農学生命科学研究科教授)
  • 岩本純明(東京大学大学院農学生命科学研究科教授
  • 倉持和雄(横浜市立大学国際文化学部国際関係学科教授)
  • 池上彰英(明治大学農学部農業経済学科助教授)
  • 高見邦雄(特定非営利活動法人緑の地球ネットワーク事務局長)
  • 菊池眞夫(千葉大学園芸学部園芸経済学科教授)
  • 藤田幸一(京都大学東南アジア研究センター助教授)
  • 小澤健二(新潟大学経済学部教授)

コーディネーターからのメッセージ (田島俊雄)

2003年9月にメキシコのカンクンで行なわれたWTO閣僚会議は、関税の上限設定や割り当て拡大などの問題をめぐり物別れに終わった。日本、韓国および台湾は足並みをそろえ、スイスやノルウェーなどとともに農業保護の削減に消極的であった。対照的に同じ東アジアの中国は、2001年末のWTO加盟以降、昨年にはASEANとの間でFTA(自由貿易協定)締結に向けた協議を開始するなど、農産物を含めた貿易自由化に対し、積極的に取り組む姿勢を示している。
日本・韓国と中国の間の農産物貿易に対するスタンスの違いは、2000年に起きたニンニクの輸入関税引き上げをめぐる中韓貿易摩擦や、翌年のネギ、シイタケ、畳表の輸入拡大をめぐる日中間の貿易摩擦に、より端的に示されている。
50年前には誰もが食糧不足にあえぎ、アメリカからの穀物援助に頼っていた日本、韓国、それに台湾は、輸出指向型経済発展戦略のもとで、いつの間に農業保護に転じたのだろうか。しかも米などの過剰をかかえる一方、飼料作物などの輸入依存度はきわめて高い。
絶好調にみえる中国も、ほんの10数年前までは食糧の配給切符がなければ暮らしていけなかった。今は過剰基調だが、数年おきに不足の周期が訪れるなど、13億の人口大国であるが故に、供給面での変動が気になる。都市と農村の格差も大きく、政治的社会的な摩擦も少なくない。黄河の断流に象徴される水資源の不足も、中国農業の長期的な発展にとって不安材料である。
東アジアの農業をめぐる現状の対立は、このような資源制約と歴史的な発展段階を異にする問題が同時代的に噴出していることから複雑化している、とも理解できる。
本講座では東アジア各国・地域における農業問題の現状を、歴史的かつ比較の視点にたって解説するとともに、視野を東南アジア、南アジア、さらにアメリカに広げ、より国際的な視点からアジアの農業を論じたい。講座の最終回には、参加者とコーディネーターとの討論も予定している。

講座概要 【PDF:65KB】

ページトップへ戻る