アジア理解講座 1999年度 第2期




1999年度 第2期
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[月曜日] 「民族との出会い~島嶼部東南アジアから~」

[火曜日] 「フィリピンを知ろう」

[水曜日] 「建築家たちの『夢』~近代アジアの異文化体験~」

[木曜日] 「東アジアの20世紀~抗争から共生へ~」

※講師、講座内容等、詳細につきましては、各曜日のボタンをクリックしてください。

月曜日

「民族との出会い~島嶼部東南アジアから~」

1999年9月27日~12月6日の毎週月曜日(10月11日は休講)

講師【講義順】

  • 宮崎 恒二(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授)
  • 伊藤 眞(東京都立大学人文学部助教授)
  • 上杉 富之(国立民族学博物館助教授)
  • 津上 誠(東北学院大学教養学部助教授)
  • 床呂 郁哉(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助手)

多くの船が行き交う東南アジアの海は、古い時代から交流の盛んな海域でした 。単に中国やヨーロッパといった大きな「文明」の十字路であったばかりではありません。島々は海で隔てられた、というよりも海で結ばれ、そこに暮らす人々は、互いに混じり合い、ときには反目し合いながら、ひとつの世界を形作ってきました。

そこに見られる「民族」は一つ一つが古い起源を持つかのように考えられがちですが、外部との接触、相互関係などによって、歴史的に作られてきました。また、この「民族の形成」は今、目の当たりにすることのできる過程でもあります。  この講座では、特に植民地支配によって引かれた境界線が、このような人々の関係にどのような影響を及ぼしたか、また集団と集団意識がどのようにして形作られるかといった問題を、人の移動と接触の過程を追うことによって考えてみます。

火曜日

「フィリピンを知ろう」

1999年9月28日~12月7日の毎週火曜日(11月23日は休講)

講師【講義順】

  • 池端 雪浦(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授)
  • 中野 聡(一橋大学社会学部助教授)
  • 片山 裕(神戸大学大学院国際協力研究科教授)
  • 中西 徹(東京大学大学院経済学研究科・総合文化研究科助教授)
  • 小川 英文(東京外国語大学外国語学部助教授)
  • 寺田 勇文(上智大学外国語学部教授)
  • 川島 緑(上智大学外国語学部助教授)

ここ数年、フィリピンでは建国百周年を記念するさまざまな行事が政府ならびに民間レベルで盛大に行なわれています。フィリピンという国家が初めて誕生したのは、19世紀末に勃発した「フィリピン革命」においてでしたから、それから百年が経過したのです。しかし、第一次フィリピン共和国は短命に終わり、20世紀のフィリピン史は前半が米国・日本の植民地支配時代、後半が激動の国造りの時代でした。建国百周年を契機にフィリピンでは、自国の歴史を読み直し、書き直す試みが盛んです。植民地領域をそのまま引き継いで造り上げられた国家の枠組み。しかし、それを構成する個々の地域には、多様な、そして独自の歴史的展開があったのです。

この講座は「フィリピンを知ろう」の第1回目の企画ということで、フィリピン社会の特質を骨太なタッチで描き出すことに重点を置きました。2本の柱があります。一つは、フィリピンという国家と社会のありようを大きな歴史の流れのなかで複眼的に捉えること。二つは、今日のフィリピン社会の「構造と変動」を、政治・経済・宗教の諸側面から検討することです。長年にわたるフィールド・ワークを実施してこられた講師陣に、生き生きとしたフィリピンの「いま」を伝えていただきます。

水曜日

「建築家たちの『夢』~近代アジアの異文化体験~」

9月29日~12月15日の毎週水曜日(11月3日、12月8日は休講)

講師【講義順】

  • 村松 伸(東京大学生産技術研究所助手)
  • 大田 省一(ハノイ建設大学客員研究員)
  • 泉田 英雄(豊橋技術科学大学助教授)
  • 徐蘇斌(東京造形大学非常勤講師)
  • 富井 正憲(神奈川大学助手)

アジアの都市やリゾートに出かけていった際、我々が滞在し、見学する建物のほとんどがこの200年程の間、つまり「近代」に作られたものです。建物は何かを包み込んだ「殻」にとどまるものではありません。単に「偉人たちの生活の痕跡を残したもの」でもありません。建物のなかには、多くの人々の営みが歴々と刻み込まれているのです。

今回の講座では、「建築物に刻み込まれた人々の思い」の一例を、近代アジアを舞台に「建築家たちの『夢』」と題して、5人の建築史家に紹介していただきます。  建築家たちが移動し、異なった文化と出会った時、それまでとは違った建物が生まれてきます。「アジア近代の建築」は、この15年程の間に日本を中心に関心が高まり、アジア各地に広まった若い学問で、未だ広く周知されているとはいえません。ハノイ、ジャカルタ、東南アジアのチャイナタウン、ソウル、北京、そんな都市で育まれた「建築家たちの『夢』」。これまで日本では多くを紹介されていない建築家たちの行動と作品、悩みと悦楽を紹介します。

木曜日

「東アジアの20世紀~抗争から共生へ~」

1999年9月30日~12月2日の毎週木曜日

講師【講義順】

  • 毛里 和子(早稲田大学政治経済学部教授)
  • 李廷江(亜細亜大学国際関係学部教授)
  • 和田 春樹(元東京大学社会科学研究所教授、東京大学名誉教授)
  • 中見 立夫(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所教授)
  • 天児慧(青山学院大学国際政治経済学部教授)

東アジアの20世紀は前半と後半でかなり様子が異なっています。前半の50年、この地域は中国・朝鮮半島を舞台に侵略と戦争を何回経験したことでしょう。義和団事件に明けて、日露戦争、第一次世界大戦、シベリア干渉戦争、日中戦争、そして朝鮮戦争と、思えば、東アジアの人々は、ほとんど平和の時期を経験することができませんでした。  20世紀後半の冷戦期には、米中対決、朝鮮半島の緊張など戦争の影は完全に消えたわけではないものの、少なくとも大国による侵略は止み、それぞれの国がそれぞれの方式で新国家の建設を目指しました。東アジアの様相が根本的に変わるのは日本の高度経済成長を受けた80年代からでしょう。台湾・韓国の経済成長と民主化の進展、中国の対外開放と経済成長、そして大国のはざまで翻弄されてきたモンゴルの自立と民主化。この地域で実現した経済発展と民主化は、「東アジアモデル」と称揚されるまでになっています。

いまなお朝鮮半島の緊張は終わっておらず半島は分断されたままですし、台湾をめぐって新たな紛争が生まれる可能性を否定はできないにしても、東アジアの国々は21世紀を目前にようやく共生と協力の時代を迎えようとしています。  日本、中国、朝鮮半島、モンゴル、そして東アジア地域の激動の100年を5人の専門家が新しい視角から大胆にふり返る本講座では、自立と発展を求めた苦闘の歴史の多様性が浮かび上がってくると共に、共生と協力のために何ができるか、何をすべきかについてさまざまな展望が提示されることでしょう。

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