インド・イラン・ウズベキスタン・日本 コラボレーション「《演じる女たち》3部作 ~ ギリシャ悲劇からの断章 ~」

イラン・ウズベキスタン・インド・日本共同制作演劇 「演じる女たち3部作 ~ギリシャからの断章~ メデイア、イオカステ、ヘレネ」

3人の精鋭演出家が、ギリシャ悲劇の女性をとおして、現代を再構築する。

この作品の記録映像が国際交流基金で上映されます(2011年4月2日)
国際交流基金招へい・制作 現代演劇作品記録上映シリーズ
記録映像で見るアジア現代演劇―― 1990年代から2000年代へ

PANJPerforming Arts Network Japan では、日本公演のダイジェスト映像を公開しています。(ページ左下の“View Clip”をクリックすると表示されます)

『演じる女たち』第3部「ヘレネ」が、2008年1月20日にニューデリーで再演

TV放映のお知らせ(*終了しました)
東京とソウルにて上演した『<演じる女たち>3部作~ギリシャ悲劇からの断章~』が、
テレビ放映されます。
NHK教育テレビ「芸術劇場」にて、東京公演の編集版(約2時間)、
内野儀氏(東京大学教授)による解説付きです。ぜひご覧ください。
日時:2008年1月11日(金) 22時25分~0時40分
番組名:NHK教育テレビ「芸術劇場」
*ノーカット版は、後日改めてBSで放映される予定。

チケット取り扱いの「e+(イープラス)」のWebサイトに、ダイジェスト映像が公開されています。
Blog公式Blogでは、演劇をプロデュースした職員のインタビューを掲載しています。
創作活動が行なわれたもようを紹介しています。(前編後編)

1.公演概要 / 2.あらたなコラボレーションめざして / 3.《演じる女たち》 3部作 作品概要 /
4.第1部 メデイア / 5.第2部 イオカステ / 6.第3部 ヘレネ /
7.インターリュード(3つのパートを繋ぐ部分)、舞台美術、プロジェクト・アドバイザー

1.公演概要

演出: オブリヤクリ・コジャクリ (第1部)
モハメド・アゲバティ (第2部)
アビラシュ・ピライ (第3部)
アヌラダ・カプール (インターリュード(3つのパートを繋ぐ部分) 演出)
作曲・ボーカル: 国広和毅 (インターリュード 作曲・ボーカル)
柴田暦 (インターリュード ボーカル)
舞台美術: 中山ダイスケ
プロジェクト・アドバイザー: アヌラダ・カプール
内野儀
プログラム: 公演プログラム PDF【PDF:3,257KB】
日本 ■日時
2007年10月6日 土曜日 開演18時
2007年10月7日 日曜日 開演13時、開演18時
2007年10月8日 月曜日・祝日 開演13時
*8日の終演後、ポスト・パフォーマンス・トークあり(司会=内野儀)
*開場は各30分前
■会場
Bunkamuraシアターコクーン(東京・渋谷) アクセス
■入場料(全席指定)
S席 6,500円、A席5,000円、コクーンシート3,500円 (税込み)
*小学生未満のお子様はご入場いただけません。
■チケット発売
2007年7月14日 土曜日
■チケット取り扱い
Bunkamura チケットセンター Tel: 03-3477-9999 <10時から17時30分>
電子チケットぴあ Tel: 0570-02-9999 Pコード:377-944
イープラス http://eplus.jp/ (パソコン&携帯)
ローソンチケット 0570-084-003(Lコード:35754)、0570-000-407(オペレーター)
■お問い合わせ
Bunkamura Tel: 03-3477-3244 <10時から19時>
■主催
国際交流基金(ジャパンファウンデーション)、Bunkamura、朝日新聞社
日印交流年日印交流年事業
韓国 日時:2007年10月13日 土曜日 開演:19時
10月14日 日曜日 開演:15時
会場:南山ドラマ・センター (ソウル)
*ソウル・パフォーミング・アーツ・フェスティバル参加
ウズベキスタン 日時:2007年2月15日 木曜日 開演:18時
会場:Youth Spectators Theater (タシケント)
*3部作のうちの『メデイア』を上演
*公演は終了しました。
インド 『演じる女たち』第3部「ヘレネ」がニューデリーで再演
インド・イラン・ウズベキスタン・日本コラボレーション『<演じる女たち>3部作~ギリシャ悲劇からの断章~』の第3部、アビラシュ・ピライ演出「ヘレネ」が、インドの第10回ナショナル・シアター・フェスティバルにて上演されます。日本から、国広和毅氏がオレステス役として出演します。
日程:2008年1月20日(日)
会場:国立演劇学校アビマンチ劇場(インド、ニューデリー)
フェスティバル名:第10回ナショナル・シアター・フェスティバル

日程:2007年1月7日 日曜日 21時30分、
1月8日 月曜日 17時30分、21時30分
会場:インド/国立演劇学校アビマンチ劇場(ニューデリー)
*インドの「NSDインド演劇フェスティバル」で初演
*公演は終了しました。
日印交流年日印交流年事業

2.あらたなコラボレーションをめざして

近年、舞台芸術の世界では、国、ジャンルを超えたコラボレーションが活発に行なわれ、新しい世界観の提示に大きな役割を果たしています。

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)では90年代より、アジアの演劇人とのコラボレーションに力を注ぎ、シンガポール・マレーシア・日本による『スリー・チルドレン』(1992年。オン・ケンセン、クリシェン・ジット共同演出、串田和美演出協力、吉田日出子ほか出演)、インドネシア、シンガポール、タイ、マレーシア、中国、日本による『リア』(1997年初演。岸田理生脚本、オン・ケンセン演出、片桐はいりほか出演)、タイと日本による『赤鬼』(1999年初演、野田秀樹作・演出・出演)などを創り上げました。

特に、足かけ3年の制作期間をかけた大型作品『リア』は、97年秋の日本初演の後、アジア、ヨーロッパをツアーし、各地で“アジア演劇”とは何かを問いかける重要な場となりました。


『スリー・チルドレン』の写真
『スリー・チルドレン』(1992年)

『リア』の写真
『リア』東京公演(1997年)

こうした一連の試みから、東南アジアとの演劇交流が民間ベースでも始まったことを確認し、今度は、交流の立ち遅れていた南アジアに照準をあてつつ、新たな共同作業のあり方を追求するプロジェクトを、インド、スリランカ、ネパール、パキスタン、バングラデシュと立ち上げました。ここでは、一人の演出家を中心とする従来の方法ではなく、各国から一人ずつ演出家が参加するという方法を取りました。

この新たな、しかし極めて困難な方法は、政治あるいは経済的理由で共同作業の機会が限られてきたものの、歴史的・文化的に多くのものを共有する南アジアの演劇人が、自らの地域が孕む問題を普遍的な視点から見つめなおそうとするものであり、共同演出は、問題を共に考えるという目的を明確にするための方法論でもありました。

「物語の記憶 サマルカンド・カーブル・ヒンドゥスターン」の写真
『物語の記憶-
サマルカンド・カーブル・ヒンドゥスターン』

作業は、マルチメディア作品『物語の記憶-サマルカンド・カーブル・ヒンドゥスターン』として結実し、2004年末に東京と京都で上演された後、翌05年1月に、南アジア最大の国際演劇祭「NSD 演劇フェスティバル」(於デリー)のオープニングを飾りました。(この間のプロセスは、NHK「芸術劇場」で2度にわたって紹介されました。)

本プロジェクトは、ジャパンファウンデーションが、日本から東アジア、東南アジア、南アジアへと段階を踏んで進めてきたコレボレーションを、さらに中央アジア、中東へと進め、新たな関係を築こうとするものです。

作品はさらにパワーアップし、同年10月に、東京Bunkamura シアター コクーンで日本初演を行なった後、ソウル・パフォーミングアーツ・フェスティバル(2006年のフェスティバル情報はこちら)に招かれています。

3.《演じる女たち》 3部作 作品概要

舞台のもようの写真

インドは、映画と共に演劇大国でもあり、特に、南アジア最大の演劇学校として知られる、デリーの国立演劇学校(National School of Drama、通称NSD)からは、多くの著名演劇人が輩出しています。

第2次大戦中にモスクワから多くの文化人が自由を求めて移り住んだ、現ウズベキスタンの首都タシケントは、モスクワ、サントペテルブルグと並ぶロシア演劇の中心地で、ロシアからの独立(91年)以後も、ロシア・アカデミズムの流れを汲む演劇と中央アジア的美学の拮抗する、刺激的な演劇都市です。

2007年にジャパンファウンデーションが招へいしたイルホム劇場も、同国を代表する劇団です(プーシキン原作『コーランに倣いて』を上演)。イランは中東地域随一の演劇大国で、近年欧州に活躍の場を拡げつつある若手演出家たちの才能は注目に値します。

舞台のもようの写真

演出には、インド、イラン、ウズベキスタンから、先鋭的な仕事で注目される4人が参加。作品は3部からなるオムニバスで、素材をギリシャ悲劇に取り、“女性”をテーマにしています。

第1部がウズベキスタンのオブリヤクリ・コジャクリ演出「メデイア」、第2部がイランのモハメド・アゲバティ演出「イオカステ」、第3部がインドのアビラシュ・ピライ演出「ヘレネ」で、各パートを繋ぐ部分を、インドの女性演出家アヌラダ・カプールが担当します。

全体をビジュアル的に統合する舞台美術は、気鋭の現代アート作家、中山ダイスケ

音楽は各国の作曲家が担当しますが、3つの部分を繋ぐ音楽は、個性的な詩とボーカルの国広和毅柴田暦が担当。出演は各国からの参加です。

プロジェクトの目的は、ギリシャ悲劇そのものを上演することではなく、ギリシャ悲劇を解体・再構築することで、今日の世界を考えることにあります。従って、ここでの女性は、誕生、死、人間の尊厳、苦悩、破壊、戦争、神、無神論、その他今日世界でおこっている様々なことのメタファーとして捉えられています。

4.第1部 メデイア

舞台のもよう
撮影:古屋均

コルキスの王女メデイアは、すべてを捧げた夫イアソンに裏切られ、夫との間の子を殺すことで復讐する。メデイアは犠牲者なのか、裁きを与える審判なのか。裁きを与える審判なのか。

エウリピデス、セネカ、ロシアの現代女性劇作家ルドミラ・ラズモフスカヤの3つの「メデイア」から再構成。

中央アジアのオペラ的歌唱が圧倒的な迫力。音楽は、この2月に東京芸術祭で上演された、ウズベキスタンのイルホム劇場『コーランに倣いて』の音楽で高い評価を得た、アルチョム・キム

第1部演出

オブリヤクリ・コジャクリ Ovlyakuli Khodjakuli

オブリヤクリ・コジャクリ Ovlyakuli Khodjakuli
中央アジアのトルクメニスタン出身。ウズベキスタンのタシケントの演劇学院で学んだ後、母国に戻るが、事実上の一党独裁のトルクメニスタンでは演劇活動に制限が課せられたため、1991年にウズベキスタンに逃れる。現在はタシケントを中心に活躍中。ロシア演劇の流れを濃厚に汲む中央アジアの演劇界にあって、中央アジア的色彩、スーフィズム的感性、時に伝統的な語り物や音楽などを取り込んだ独特なスタイルは異彩を放つ。

海外からも大きな注目を集め、作品はこれまで仏、独、伊、ポーランド、フィンランド、ロシア等で上演されている。主要な海外上演作品に、2001年モスクワ「第3回シアター・オリンピックス」、2007年仏・ナンシー「パッサージュ07」フェスティバル他で上演された『リア王』、2006年キルギスのビシュケク「第2回ビシュケク国際演劇フェスティバル」他で上演された『鳥の歌』、2007年5月ナンシーの国立演劇センターの制作によるフランス人俳優との『ハムレット』など。

5.第2部 イオカステ

舞台のもよう
撮影:古屋均

ソホクレスの『オイディプス王』より。テーバイの王妃イオカステは、夫亡き後、そうと知らず実の息子オイディプスと結婚する。2人が交わったのは神の意思か、それとも自らの意思か? 自らの意思ならば、ひとはなぜ罪と知りつつ罪を犯すのか、罪とはなにか、タブーとはなにか。

第2部演出

モハメド・アゲバティ Mohammad Aghebati

モハメド・アゲバティ Mohammad Aghebati
イラン北部のマシャード出身。イラン映画・演劇大学で演出を専攻。同国で最も勢いのあるのは若手演出家であるが、その一人として注目されている(同氏は32歳)。2006 年「リーブ(太陽)II劇団」創設。

主な作品に、イエイツの『煉獄』(2000年。「第18回ファジル国際演劇祭」演出賞と最優秀作品賞)、ジャン・ジュネ作『女中たち』(2001年。「第20回ファジル国際演劇祭」演出賞と最優秀作品賞)、チェコの反体制指導者、ファーツラフ・ハヴェルの『プラハ獄中期―妻オルガへの手紙』から題材を取った『君にキスと涙を』(2004年。「第22回ファジル国際演劇祭演出賞」と最優秀作品賞)、パトリック・ムディアノの小説を下敷きにした『行かなければ、遅れてしまう』(2005年)など。

Kiss You and Tears”は2004年から2005年にかけて、ベルリン世界文化の家ほか、ドイツ各地で公演。2007年には、新作『私を起こせるのは神様だけ』が国際フライベルク演劇フェスティバルで上演された。

6.第3部 ヘレネ

舞台のもようの写真
撮影:古屋均

アイスキュロスの『オレステイア』、エウリピデスの『ヘレネ』と『トロイアの女』を素材に、大胆に再構築。

トロイアに連れ去られたヘレネを取り戻す、大義の侵攻、殺戮。ヘレネは本当にいたのか。ポスト黙示録世界に約束の地はあるのか。狂気と混沌の世界を、時空を超えて描く。

第3部演出

アビラシュ・ピライ氏の写真

アビラシュ・ピライ Abhilash Pillai
南インドのケーララ出身。デリーの国立演劇学校(NSD)、ロンドンのRADA などで演出と舞台美術を学んだ、インドの実力派演出家。

取り上げる素材は古典から現代まで幅広いが、いずれも現代的な様式美が特徴。

主な作品に、サンスクリット古典劇の様式美を斬新に取り入れた『サケータム』(2001年日本公演)、ギリシャ悲劇『縛られたプロメテウス』、南アジアの様々な紛争を映像を大胆に用いて描いた『血の島』(2003年ドイツ、2004年日本公演)、サルマン・ルシュディ原作『真夜中の子供たち』(2006年ボン公演)など。

前回の『南アジア・プロジェクト』他、韓国人俳優との『カルナ』(「マハーバーラタ」の一節、2004年北京公演)、ロシア人俳優と『シャクンタラー』(サンスクリット古典劇、2004年モスクワ公演)など、国際コラボレーションも多い。

7.インターリュード、舞台美術、プロジェクト・アドバイザー

インターリュード(3つのパートを繋ぐ部分)

作曲・ボーカル

国広和毅氏の写真

国広和毅 Kazuki Kunihiro
作曲とボーカルは国広和毅。自ら書く詩は反逆の言葉のコラージュをなし、曲はコンセプチュアルでありながら、ポップな魅力にあふれる。

ミクスチャーバンド「ダた」、パンクバンドAujourd’hui il fait beau を率いるほか、演劇作品、映像作品への楽曲提供や演奏も多く、『幽霊はここにいる』(串田和美演出)、時々自動の「dance no dance」「music no music」ほか。

舞台美術

中山ダイスケ氏の写真

中山ダイスケ
現代美術作家。飴屋法水の元東京グランギニョールに参加。1992年の個展(銀座)で美術界デビュー。武器の形のオブジェに優しさと暴力性を共存させ、観客の記憶や身体感覚、官能性を喚起させる。

97年から2001年まで、アジアン・カルチュラル・カウンシル・フェローシップ、文化庁在外研修等でニューヨークに滞在。98年、第1回岡本太郎記念現代芸術大賞準大賞。最近は、スペース・デザイン、舞台美術(野田秀樹作、井上尊晶演出『障子の国のティンカーベル』他)など、美術以外の分野でも幅広く活躍。

プロジェクト・アドバイザー

・内野儀
・アヌラダ・カプール
プロジェクトの方向性に関して客観的な立場から助言を行うアドバイザーとして、企画段階から、インドのアヌラダ・カプール氏(演出兼務)、日本の内野儀氏(東京大学大学院総合文化研究科教授、表象文化論)が参加。カプールの思索に満ち且つ実践的なアドバイス、内野の幅広い知識と精緻な理論的裏付けは、演出家たちに常に刺激を与える。

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