国際シンポジウム2008 Count 10 Before You Say AsiaAsian Art after Postmodernism

国際シンポジウム2008 Count 10 Before You Say Asia ―Asian Art after Postmodernism―

アジアの現代美術が注目されるようになって約20年。国際交流基金では、1990年代より最新のトピックを取り上げ、現場の声を拾いながら、変化の目まぐるしいアジアの美術の状況を把握し、事業を展開してきました。国際シンポジウムとして第6回目となる今回は、2008年を基点に、これまでのアジア美術の言説を再検証し、将来像を導き出す作業を行ないます。

概要
日時 2008年11月22日 土曜日 14時から17時30分
2008年11月23日 日曜日 10時30分から17時30分
会場

国際交流基金(ジャパンファウンデーション)
JFICホール〔さくら〕東京都新宿区四谷4-4-1 アクセス

主催 ジャパンファウンデーション
参加費 無料(事前申込必要) 定員:100名/日英同時通訳付
企画趣旨

過去20年ほどで、非西欧圏の現代美術は急激にグローバルなアートシーンへと組み入れられました。このプロセスを加速したのは、多文化主義やポストコロニアリズム、つまり西洋のモダニズムの行き詰まりから提起されたポストモダニズム理論の枠組みでした。ただし、ポストモダンの言説とグローバル化する資本主義の共犯関係、そして表層的な多文化主義への進展/退行の可能性が認識されつつある現在、私たちは時代の曲がり角に立たされており、ポストモダンの言説がなし得たものとその問題点、そしてアジアの文脈における影響を改めて評価することが必要となっています。この問題意識に答えるべく、本シンポジウムはポストモダンにおいて現代美術の世界が再編される中で何が起こったのかを振り返り、この流れに棹さすのみでなく、抗することを目指しています。

シンポジウムは3つのセッションで構成されることになります。そもそも「アジア美術」というカテゴリーは様々な地域の文脈でどう形成され、使われ、変容を遂げたのか? 最初のセッションではポストモダン理論との関係から、また、必要であればモダニズムの歴史にさかのぼって、歴史的・理論的に探ります。このセッションの抽象的な性格を補う意味もあり、第2セッションでは、具体例となる作家のケーススタディを行います。異なる地域で生まれた作家たちの国際的な受容に注目することで、ポストモダン的な見方がどう新たな視界を開き、他方で偏りや盲点を生み出してきたのか、そのメカニズムを掘り下げます。そして最後のセッションでは、「アジア的」「アジア性」という概念の再検討を試みます。特にアジア的な特質が現れると見なされている中心的な分野――例えばドローイング、装飾的美術に力点が置かれることになるでしょう。

本質主義的な言説に対するポストモダン批評は、「アジア性」といった概念を信じにくくしましたが、この脱構築は「アジア的」な文化における意味ある地域性を液状化/消失させる危険性につながらないか、という疑問は残ります。相互に関連するセッションを通じて、本シンポジウムは回答ないしは新たな道筋を示し、複雑で、しばしば入れ子状態となるローカルとグローバルの関係をめぐる生産的な思考に、アジアの文脈から、来たるポスト-ポストモダン時代に向けて関与していくことを期しています。

パネリスト

フロリナ・H.・カピストラーノ=ベーカー(アヤラ美術館海外展ディレクター)
范迪安|ファン・ディアン(中国美術館館長)
パトリック・D.・フローレス(フィリピン大学ディリマン校美術学部教授)
林 道郎(上智大学国際教養学部教授)
平芳幸浩(京都工芸繊維大学美術工芸館准教授)
保坂健二朗(東京国立近代美術館研究員)
加治屋健司(広島市立大学芸術学部准教授)
神谷幸江(広島市現代美術館学芸担当課長)
キム・ボッキ(『art in culture』『art in ASIA』編集長)
黒田雷児(福岡アジア美術館学芸課長)
金井 直(信州大学人文学部准教授)
前田恭二(読売新聞社記者)
田中正之(武蔵野美術大学造形学部准教授)

企画協力

林 道郎、前田恭二

申込方法 必要事項(お名前、ご所属/ご職業、ご住所、Tel&FaxE-mail、参加希望日)を明記の上、11月14日 金曜日までにメール、もしくはFaxにてお申し込みください。

*以下のファイル(ワードもしくはPDFファイルのどちらか)をダウンロードしてご使用ください。
・申込書 【Word:42KB】   ・申込書【PDF:53KB】

返送先⇒E-mail Fax: 03-5369-6038 (森村宛て)

*受付先着順、定員になり次第、締め切らせていただきます。

お問い合わせ

ジャパンファウンデーション芸術交流部造形美術課
担当:古市保子、帆足亜紀、鈴木慶子
〒160-0004 東京都新宿区四谷4-4-1

Tel: 03-5369-6062 Fax: 03-5369-6038

プログラム

第1日目
11月22日 土曜日 14時から17時30分
14:00-14:10 主催者挨拶 ジャパンファウンデーション
14:10-17:30

セッション1「アジア美術」の言説史:形成と広がりから変容まで
このオープニング・セッションでは、アジア各地の「ポストモダニズム」の文脈の中で、「アジア美術」という言説上の概念が、どのように(再)形成、あるいは変成されたかを検証する。だが各地における検証は、独立した事象としてとりあげられるのではなく、相互決定的な関係性、あるいは非アジア世界とのインターアクションを見据えてなされる。

モデレーター:林 道郎
「セッション1を始めるにあたって」 林 道郎
発表1 パトリック・D.・フローレス
「東南アジアにおけるキュレイションの展開と『近代』の来世」
発表2 加治屋健司 「日本におけるアジアの現代美術と近代の亡霊」
発表3 范迪安|ファン・ディアン「グローバルとローカルの力学―中国の現代美術」
(休憩)
コメント 黒田雷児
討論/質疑応答

第2日目
11月23日 日曜日 10時30分から17時30分
10:30-13:30

セッション 2 「アジア美術」と作家たち:言説・制度の光と影
過去20年ほどの「アジア美術」というカテゴリーの形成を歴史的・理論的に探るセッション1を引き継ぎ、個別のアーティストについて検討することで、このカテゴリーやその背景をなすポストモダン言説が作家たちの活動をどう助け、あるいはまた、障害となる場合がなかったのかを、再考する。

モデレーター:前田恭二(読売新聞美術記者)
「セッション2を始めるにあたって」前田恭二

発表1 キム・ボッキ「文化衝突の接点にて-ソ・ドホ(徐道ソ・ドホの漢字表記の画像)の場合」
発表2 平芳幸浩「黄永「砅」の画像が撹拌する西洋と東洋」
発表3 金井 直「インドとなること―スボード・グプタの『局地性』」
(休憩)
コメント 神谷幸江
討論・質疑応答
13:30-14:30 昼食

14:30-17:30

セッション 3 液状化する「アジア性」:ローカルとグルーバルの狭間で
工芸、ドローイング、装飾美術、そしてインスタレーションなどのジャンルは、これまで「アジア性」のイメージ形成において特権的な役割を果たしてきたところがあるが、現在でもこのような見方は、意味のあることなのだろうか。ローカルな差異が登録される場としていまだに有効なのか、もしそうでないとすれば、現在のローカル/グローバルの相互関係において、それらのジャンルは現在どのような役割を果たしているのだろうか、本セッションでは、そのような問題を多角的に論じる。

モデレーター:林 道郎
「セッション3を始めるにあたって」林 道郎
発表1 保坂健二朗「ドローイングは『近代』を疑う」
発表2 田中正之「『装飾』の政治性」
発表3 フロリナ・H.・カピストラーノ=ベーカー
「真正性を位置づける―これがアジアの衣服なの?」
(休憩)
コメント 前田恭二
討論/質疑応答

全体のまとめ 林 道郎

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