「東南アジア1997 来るべき美術のために」

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 アジアセンターでは、東京都現代美術館と広島市現代美術館との共催で、東南アジア5カ国の最新の現代美術を紹介する「東南アジア1997 来るべき美術のために」を開催致します。
 90年代に入り東南アジア各国は、急激な経済成長の一方で、都市問題の深刻化、農村の疲弊、自然環境の破壊など、種々の困難な社会的矛盾に直面しています。また、国ごとに事情は異なるとはいえ、これらの国々は伝統的な民族文化、西洋的な植民地文化、あるいは国境を超えて移民がもたらした中国文化やインド文化など、多様な文化が混在する地域ですが、近年はさらにアメリカナイズされた都市型消費文化の圧倒的な影響のもと、多文化の交流と混沌の中から新たな文化的アイデンティティの探究が試みられつつあります。
 東南アジアの美術家たちは、こうした社会的・文化的現実に向き合い、自らの表現を模索しつつ作品を生み出しており、それらの作品は東南アジアならではの独特の表現となって現在注目されています。美術家や美術のありかた自体が、欧米や日本とは異なった独特のものであるようにも思われます。多くの美術家は、共同体に根ざした活動を旨とし、その探究は道徳的(モラリスティック)とも呼びうるような傾向を帯びています。彼らは社会の様々な矛盾や不正に異議を申し立て、より良き未来を築くためのメッセージを共同体の人々に向けて発しているのです。
 本展では、こうした美術や美術家の根源的なあり方にまで思いを馳せ、インドネシア、シンガポール、フィリピン、マレーシア、タイ、東南アジア5カ国の美術の現在を、それぞれの国を代表する17作家/グループの新作を含む約80点の作品によって、次のような3つのカテゴリーのもとに分類し、紹介致します。

 I  民族固有の文化や伝統に言及し、その今日的意味を問うもの
 II  個人の内面世界やアイデンティティをテーマとするもの
 III 政治や社会環境など、実生活と関わるもの

 当基金では1992年に「美術前線北上中-東南アジアのニュー・アート」展を開催し、急激に変貌しようとする過渡期の東南アジアの現代美術を紹介致しましたが、それから5年、益々成熟したこれらの国々の美術表現を実感していただきたいと思います。


〔東京〕
会期 1997年4月12日(土)~6月1日(日)
会場 東京都現代美術館(東京都江東区三好4-1-1 tel: 03―5245―4111)
主催 東京都現代美術館、国際交流基金アジアセンター
協賛 資生堂、アサヒビール
開館時間 11:00~18:00(金曜日は21:00まで)
毎週月曜休館(但し、5月5日は開館、5月6日は休館)
観覧料 一般 1,000円  団体(20名以上) 800円
児童・生徒500円 団体(20名以上)400円
関連事業 4月12日(土)  オープニング・イベント
・パフォーマンス(アラフマヤーニ+チャンドラセカラン)
・アーティストトーク(各出品作家、通訳付)
4月13日(日)  14:00~17:00 記念シンポジウム「共同体、モラル、メッセージ」
パネリスト: ジム・スパンカット(美術評論家、インドネシア)
  加藤剛(京都大学東南アジア研究センター教授)
  後小路雅弘(福岡市美術館学芸員アジア美術館開設担当)
  塩田純一(東京都現代美術館学芸員)
4月上旬~4月19日  「サンガワ」によるペインティング公開共同制作(約15日間)

〔広島〕
会期 1997年8月2日(土)~9月15日(月・祝)
会場 広島市現代美術館(広島市南区比治山公園1-1 tel: 082-264-1121 )
主催 広島市現代美術館、国際交流基金アジアセンター

  • リュウ・クンユウ氏の作品画像
    Ikhlas I
  • シャムの微笑:シャムの知性
    チャーチャイ・プイピア「シャムの微笑:シャムの知性」1995
    200×300
    Siamese Smile : Siamese Intellectual

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