トルクメニスタン(2014年度)

日本語教育 国・地域別情報

2012年度日本語教育機関調査結果

機関数 教師数 学習者数
初等教育 中等教育 高等教育 学校教育
以外
合計
1 5 0 0 48 0 48
0.0% 0.0% 100% 0.0% 100%

(注) 2012年度日本語教育機関調査は、2012年7月~2013年3月に国際交流基金が実施した調査です。また、調査対象となった機関の中から、回答のあった機関の結果を取りまとめたものです。そのため、当ページの文中の数値とは異なる場合があります。

日本語教育の実施状況

全体的状況

沿革

 トルクメニスタンにおける日本語教育は、2007年からアザディ名称世界言語大学東洋学言語・文学部日本語学科のみで行われている。同大学は、1984年にロシア語・文学教育大学として創立され、2007年に現大統領の命により名称変更され、現在に至っている。
 同大学における学生総数は約1,000名で、東洋言語・文学部には日本語・韓国語・中国語・トルコ語・ペルシア語・アラビア語及びヒンディー語の合計7外国語学科、ロシア語学部・文学部にはロシア語の1外国学科、ロマンス・ゲルマン語学部には、英語・ドイツ語・フランス語及びスペイン語の合計4外国語学科があり、総合計で12の外国語学科が設置されている。
 日本語学科は各学年平均10名の学生が在籍し、現在学生総数は49(内2名は2013年度日本政府(文部科学省)奨学金留学生(日本語・日本文化研修留学生)のプログラムにて留学中)名である。学生の選考基準は、首都のあるアハル州から2名、首都アシガバット市から4名、その他の4州から各1名と地域ごとに決められている。入学試験は3種類行われ、①英語試験、②トルクメン語試験及び③トルクメニスタンの文化・歴史及び社会学試験である。
 2007年日本語学科開設当初、約1か月間、日本語教師の派遣が間に合わず、当地駐在の日本企業の事務所長や大使館関係者が臨時講師を努めた経緯がある。2007年から2年間は外務省の準派遣として日本語教師が派遣され、2010年から1年間は、日本シルバーボランティアズから2名派遣されていた。現在は、同大学との個人契約となった2名の日本語教師による授業が行われている。

背景

 トルクメニスタンでは、高品質で耐久性に優れた日本車や日本製家電製品が人気を博しており、アシガバット市内の半数以上の自動車は日本車である。トルクメニスタン国民は親日的であり、特に日本を技術大国の象徴として認識している傾向が強い。
 天然資源が豊富であり、2000年以降、毎年の経済成長率が概ね10%以上を記録しているトルクメニスタンとハイテク技術を擁する日本は幅広い分野での協力が可能であるとの認識の下で、近年両国関係は、政治、経済を中心に急速に発展している。
 2013年5月には東京にトルクメニスタン大使館が開設され、同年9月にはベルディムハメドフ大統領の2回目の訪日が実現した。更に、2012年以降、トルクメニスタンを訪問する日本企業関係者数は急増しており、2013年は5~6倍以上に急増している。現在、両国間には「総額1兆円規模」の複数の大型経済案件が商談中であり、日本のビジネス界もトルクメニスタン市場の動向に注目している。
 このような両国関係の急速な発展を背景に、トルクメニスタンの政府関係者もまた、「日本語を話せるトルクメン人・学生の育成」に注目するようになり、(アザディ名称世界言語大学以外にも)トルクメニスタンの大学に日本語学科を増設する可能性が示されている。

特徴

 トルクメニスタンの日本語教育は、アザディ名称世界言語大学のみであり、ロシア語やトルコ語及び英語の方が、日本語よりも国民の認知度は高く、人気も高い。
 アザディ名称世界言語大学の日本語学科には約50名の学生が在籍しているが、同大学の日本語学科の定員枠を増やしたり、他の大学に日本語学科が増設されたりすれば、学習者の規模は必然的に増加する。昨今の両国関係、特に経済関係の発展は、トルクメニスタンの日本語学習者の規模を拡大させる可能性を秘めている。
 日本語学習者の多くは、日本の伝統文化(生け花、茶道等)、武道(柔道、空手等)、歴史・文学、ハイテク技術及びサブカルチャー(アニメ等)を通じて日本に関心を持ち、日本語学習を始めている。更に、2013年8月からは国際交流基金事業(テレビ番組紹介事業)の枠組みを活用して、NHKの連続テレビ小説「カーネーション」が、トルクメン語吹き替えにより、トルクメニスタン全土で毎週土曜日に3話ずつ放送されている。毎回の視聴率は15~25%と高く、同番組を通じて、トルクメニスタンにおける日本語学習者の増加と日本及び日本語の人気向上が期待される。

最新動向

 2012年、アザディ名称世界言語大学の女子学生の日本政府(文部科学省)奨学金留学生(日本語・日本文化研修留学生)試験への受験がトルクメニスタン政府から初めて認められた。
 2013年9月には、筑波大学とアザディ名称世界言語大学間で学術協定が締結され、今後学生及び教師の交換留学・交流が期待される。

教育段階別の状況

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 日本語教育は実施されていない。

高等教育

 トルクメニスタンの日本語教育機関はアザディ名称世界言語大学のみ。科目については、後述の「シラパス・ガイドライン」を参照。大学を卒業した者は、自分の出身州に戻り2年間の国家機関での勤務が義務づけられている。外務省やアザディ名称世界言語大学の教師として採用され、継続的に日本語を活用する卒業生もいるが、卒業生の多くは地方奉仕で日本語を全く活用しない生活を余儀なくされている。日本への留学については、トルクメニスタン政府の厳しい管理体制の下では、私費留学の例はほとんどみられず、日本政府(文部科学省)奨学金留学生(日本語・日本文化研修留学生)試験が最も現実的な留学手段となっている。

学校教育以外

 日本語教育は実施されていない。

教育制度と外国語教育

教育制度

教育制度

 昨年から、以下の通りの教育年数に改められた。
 初等教育:修学年数4年、対象年齢6歳~9歳
 中等教育:修学年数6年、対象年齢10~15歳
 高等教育:修学年数2年、対象年齢16歳~17歳
 義務教育期間は上述した累計12年間。

教育行政

 学校行政は、大学を含め全て教育省の管理下に置かれ、試験日程等の細部に亘り、教育省に決定権がある。

言語事情

 基本的にはトルクメン語による授業が行われているが、一部トルコ語やロシア語による授業が行われている学校もある。

外国語教育

 トルクメニスタンでは、義務教育課程においては英語が必修科目となっている。
 更に、首都アシガバット市においては、ロシア語についても義務教育課程において必修科目となっている。

外国語の中での日本語の人気

 外国語の中では、トルコ語やロシア語及び英語の人気が高い。
 トルコは、トルクメニスタンと地理的に近く、トルコ文化がトルクメニスタンに深く浸透していることや、トルクメン人が査証なしで渡航が可能な国であることもあり、トルコ語はトルクメニスタンの多くの人に学ばれている。
 トルクメニスタンは旧ソ連構成国の1つであり、国内では広くロシア語が通じることから、トルクメニスタンではロシア語も多くの人々によって学ばれている。
 英語は、トルクメニスタンの義務教育課程の必修科目であり、英語教師としての需要もあることから、多く学ばれている。 上述した3言語した場合、日本語学習者の数は相対的に少ないのが現状である。

大学入試での日本語の扱い

 大学入試で日本語をは扱われていない。

学習環境

教材

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 日本語教育は実施されていない。

高等教育

 日本語教育が行われているのはアザディ名称世界言語大学のみであるため、同大学以外には教材はない。
 なお、使用している教材は教師による自作であるが、以下の教材も一部参照している。

  • 「ニューアプローチ中級日本語[基礎編]」(語文研究社)
  • 「ニューアプローチ中上級日本語[完成編]」(語文研究社)
  • 「みんなの日本語 初級Ⅰ」スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)
  • 「みんなの日本語 中初級Ⅰ」スリーエーネットワーク(スリーエーネットワーク)

学校教育以外

 日本語教育は実施されていない。

マルチメディア、コンピューター

 日本語教育にマルチメディア・コンピューターは使用されていない。
 大学において、教科書(高等教育の欄参照)に付属のCDを使用している。

教師

資格要件

初等教育

 日本語教育は実施されていない。

中等教育

 日本語教育は実施されていない。

高等教育

 トルクメニスタン唯一の日本語教育機関であるアザディ名称世界言語大学の日本語学科では、同大学と個人契約を結んでいる日本人日本語教師2名と同大学を優秀な成績で卒業したトルクメン人教師3名が教鞭を執っている。トルクメニスタンにおける日本語教育は2007年に開始されたばかりであり、現状、日本語教師になるための資格要件もない。現在、トルクメン人教師は2013年に学術協定を締結した筑波大学との交換留学や国際交流基金の日本語教師向け研修プログラムへの参加を通じた日本語教授レベルの向上に意欲的である、

学校教育以外

 日本語教育は実施されていない。

日本語教師養成機関(プログラム)

 日本語教師養成を行っている機関、プログラムはない。

日本語のネイティブ教師(日本人教師)の雇用状況とその役割

 アザディ名称世界言語大学が日本人教師を雇用しており、補助としての教員はいるものの、現在2名の教師による講義が主となっている。トルクメン人教師3名と日本人教師2名で各学年を分担して授業を行っている。

教師研修

 特になし。

現職教師研修プログラム(一覧)

教師会

日本語教育関係のネットワークの状況

 日本語教育関係のネットワークはないが、中央アジア日本語教育関係者のメーリングリストに加わっている。

最新動向

 中央アジア日本語教育関係者のメーリングリストに追加された。

日本語教師派遣情報

国際交流基金からの派遣

国際協力機構(JICA)からの派遣

 国際交流基金、JICAからの派遣は行われていない。

その他からの派遣

シラバス・ガイドライン

 参考までに、アザディ名称世界言語大学で行われている日本語授業のカリキュラムは以下のとおり。なお,講義名は同大学が決めたもの。(単位:時間)

講義名 日本語史 現代日本語 演習日本語 翻訳・通訳 文体論 日本事情 日本語の教授法 日本語・トルクメン語の
比較的な分析
日本語音声学
1年生 540
2年生 558 54
3年生 436 104 68
4年生 32 70 298 80 32
5年生 104 48 36 8 42

評価・試験

評価・試験の種類

 トルクメニスタンでは日本語能力試験が実施されておらず、受験希望者がいる場合には、隣国での受験を余儀なくされるが、学生の出国制限との関係で自由な受験の機会が与えられていない。
 そのため、アザディ名称世界言語大学の日本語教師は、日本語作文能力の問題や日本語学習教材をベースにテストを自作し、各学生の成績評価に活用している。

日本語教育略史

2007年 アザディ名称世界言語大学に日本語学科開設
2012年9月 アザディ名称世界言語大学の女子学生の日本政府(文部科学省)奨学金留学生試験への受験がトルクメニスタン政府から初めて認められた。
2013年9月 筑波大学とアザディ名称世界言語大学間で学術協定が締結される。

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