日本語専門家 派遣先情報・レポート
ニューデリー日本文化センター(南インド)
派遣先機関の情報
- 派遣先機関名称
- 国際交流基金ニューデリー日本文化センター(南インド)
- The Japan Foundation, New Delhi
- 派遣先機関の位置付け及び業務内容
- ニューデリー日本文化センターより南インドのバンガロールに赴任し、インド南部5州と1連邦直轄地域を中心に日本語教育の質の向上と拡大を図る。具体的には、1) 現地人教師・教育機関支援、ネットワーク形成 2) 機関訪問等による情報収集、調査、分析 3) 南アジアの近隣諸国も含めたセミナーや勉強会など、各種支援活動の実施
- 所在地
- 5-A, Ring Road, Lajpat Nagar-(4), New Delhi, 110024, India
- 国際交流基金からの派遣者数
- 専門家:1名
- 国際交流基金からの派遣開始年
- 2005年
ツイッターで学ぶ日本語
ニューデリー日本文化センター
村上吉文
冒険家の皆さん、こんにちは。
最近の日本語学習者は「デジタルネイティブ」と呼ばれる世代が中心で、僕のように成人してから初めてパソコンを見た世代はすっかりマイノリティーになってしまいました。でも、その割には、このインターネットという自由で危険な世界を授業に活用する人が少ないと思いませんか?
そこでこの原稿では、僕がインドで行っている研修のうち、インターネットを活用している「ツイッターで学ぶ日本語」というコースをご紹介したいと思います。
このコースはコース内で日本語を身につけるというより、ツイッターで日本人のフォロワーを増やすことによって、みなさんとの交流により日本語力を伸ばしてもらうことを目的にしていました。実際の授業の様子は以下の反転授業用の動画からご覧になれます。
中でも積極的な参加者としてご紹介したいのは @japanmanabu さん(Rakhiさん)です。Rakhiさんは、たとえばツイッター上で知り合った「広瀬公巳のインドの衝撃」というアカウントと知り合いになり、広瀬氏の主催するライブ音声配信「スペース」にゲストとして招待され、インドの食文化について日本語で話したこともあります。
さて、昨年の記事でもご紹介したオンライン交流会を実施するプロジェクト学習のコースでは、参加者の皆さんが自分たちで「印日キズナ」というグループを作って、プロジェクトと同じスタイルのオンライン交流会を自分たちで実施するようになってくれました。これは僕の活動からの波及効果として、たいへん嬉しく思っています。一人の専門家が直接与えることのできる影響は小さくても、間接的に日本とインドの交流がこのように波及してくれたら、それよりずっと大きなインパクトを持つことができるからです。
その意味で、今回の「ツイッターで学ぶ日本語」の参加者の皆さんの中にも、この経験をさまざまに生かしてくれている人がいるのはありがたいことです。
例えば、上記のRakhiさんは日本語教師でもあるのですが、ツイッター上で知り合った日本人を自分のクラスに招待する活動も積極的に行っています。僕もゲストとして授業参観させていただいたことがあるのですが、その時はRakhiさんがツイッターで知り合った日本人をゲストに呼んで、おにぎりや味噌汁を作るところをライブで見せてもらっていました。
冒頭に書きましたように、このようにインターネット、特にソーシャルメディアを使った日本語学習は、現代の学習者に与えられた特権です。僕が学生のときに英語などを学んだときとは全く次元の違う体験ができるのです。また、本人の日本語力のブラッシュアップだけでなく、両国の文化交流においても波及効果が期待されます。できる範囲で、今後もコースの実施を続けていきたいと思っております。