日本語専門家 派遣先情報・レポート
ドゥーレットマーメット・アザディ名称世界言語大学/トルクメニスタン国民教育大学
派遣先機関の情報
- 派遣先機関名称
- ドゥーレットマーメット・アザディ名称世界言語大学/トルクメニスタン国民教育大学
- 派遣先機関の位置付け及び業務内容
- アザディ名称世界言語大学は、国内で最初(2007年)に日本語専攻が置かれた大学であり、国内唯一の日本語教師養成機関である。同大学での専門家業務は、トルクメン人教師支援(日本語・日本語教授法研修/授業支援他)、専攻科目の担当、学生の余暇学習活動支援などである。トルクメニスタン国民教育大学は、教育省管轄の調査・研究機関であり、各分野の専門家が、教育に関する基礎調査の計画と実施、カリキュラムや教科書などの作成・改善、現職教師研修などを行っている。専門家・指導助手の執務室は同大学内にあり、初中等向け日本語教科書の制作を中心に、トルクメニスタン国内の日本語教育支援に関する諸業務を行 っている。
- 所在地
- Bld.47, 2060 street, Ashgabat, Turkmenistan/Magtymguly sayolistr. 136, Ashgabat, Turkmenistan
- 国際交流基金からの派遣者数
- 日本語上級専門家:1名
日本語指導助手:1名 - 日本語講座の所属学部、学科名称
- 東洋言語・文学部日本語専攻
- 日本語講座の概要
-
沿革 講座(業務)開始年 2007年 国際交流基金からの派遣開始年 2016年 コース種別 主専攻(アザディ名称世界言語大学) 現地教授スタッフ アザディ名称世界言語大学:常勤7人
トルクメニスタン国民教育大学:なし学生の履修状況 履修者の内訳 1年:40、2年:45、3年:40、4年:57、5年:30 学習の主な動機 日本語そのものへの興味、留学、観光旅行、将来の就職 卒業後の主な進路 初中等・高等教育機関の日本語教師 卒業時の平均的な
日本語能力レベルJF日本語教育スタンダードA2/B1程度 日本への留学人数 毎年2人程度
国内業務を経て、トルクメニスタン赴任・・この一年
ドゥーレットマーメット・アザディ名称世界言語大学
トルクメニスタン国民教育大学
伊藤 寛
わたしと日本語指導助手(以下、指導助手)が、トルクメニスタンへの赴任が叶ったのは2022年12月下旬のこと。2020年3月以来、2年9か月ぶりの日本語上級専門家(以下、専門家)の派遣でした。
そのおよそ8か月前、2022年度の専門家としての業務はいまだコロナ禍の中、日本国内からの遠隔業務というかたちで始まりました。
遠隔業務と言っても、通常想定されるオンライン授業やオンライン研修などとは縁がなく、任地との連絡は専らEメールに頼らざるを得ない、そういう状況での業務となりました。それだけ、トルクメニスタンのインターネット環境は日本と大きく異なるということです。そうしたことから、2022年度の業務は、赴任後の業務(教科書作成や教師研修、大学の授業など)を想定した準備作業と5月に任地で開催される「日本語コンテスト」(スピーチコンテスト)の遠隔支援が主なものになりました。
本稿では、国内業務に関してはスピーチコンテストについて、赴任後については、着任後数か月の活動と、今後の業務の課題について取り上げます。
2022年「トルクメニスタン日本語コンテスト」支援
トルクメニスタン派遣専門家と指導助手は、着任後、ドゥーレットマーメット・アザディ名称世界言語大学(以下、アザディ大学)とトルクメニスタン国民教育大学(教育関連の研究所、以下教育大学)の二つの受入機関で勤務することになります。
そのアザディ大学からトルクメニスタンの国内スピーチコンテストの話が届いたのは、2022年4月上旬。実は、これが任地の先生との最初の接触でした。これをきっかけとして、直接やりとりができるようになり、まずは、スピーチコンテストの運営とその準備に関して、Eメールでの調整が始まりました。短い期間でしたが、何度も連絡と調整を繰り返し、少しずつコンテストの形が出来上がっていくのを感じました。その甲斐あって、当日のプログラムも順調に進み、コンテストは無事に終了。少しほっとしたのを覚えています。
とはいっても、問題がなかったわけではありません。現地との連絡のほとんどはEメールに限られ、コンテスト当日こそ日本からはZoomで参加できたものの、結局、その機能は十分に生かせず、会場の様子がわかる程度に終始したため、さまざまな面で日本大使館の方々のご協力を仰ぐことになりました。これは、当初の計画では全く想定していないことでした。そういえば、本番までのEメールのみのやりとりも、気を揉むことが多かったように思います。
遠隔支援として任地のコンテストに関わり、そこから改めて感じたことは、当地において遠隔業務を行うには、解決しなければならない問題が多く、現時点ではまだまだ難しい状況にあるということでした。
2年9か月ぶりの赴任から
先ほども触れましたが、専門家と指導助手は、当地ではアザディ大学と教育大学の二つの機関で日本語教育関連の業務を行うことになります。その業務も、高等教育関連のものは主にアザディ大学の管轄、初等中等教育に関するものは教育大学が管轄というのが原則です。例えば、アザディ大学では、当大学の授業担当、高等教育機関所属日本語講師に対する教師研修など。一方、教育大学では、初等中等学校教科書の制作や日本語科目を開講している中等学校への学校訪問や教育支援などが主なものとなります。
さて、着任後しばらくの間は、2年9か月の空白期間で何がどう変わったのか、または変わっていないのかを確かめつつ、まずは目の前の課題にどう対処するかということを考えながら業務をすすめることになりました。具体的には、1月はアザディ大学で行われた教師研修、2月からはアザディ大学の授業担当、そして、3月は、高等教育機関教師研修と教科書制作の準備と調整といった業務が主なものです。
戸惑いもある中で何とか業務に向き合ううちに、トルクメニスタンの状況も少しずつ理解できるようになってきました。これまで、知識としては聞き及んでいたものも、改めて確認すると “現実”とのずれはどうしても感じてしまいます。例えば、大学の教育制度の変更によるカリキュラムの変更とその影響、教育に関する大学側の考え方や方針の変化などなど、まさに“百聞不如一見”。これらにどのように対処するかは、改めて今後の業務を進める上で大きな課題になると感じています。
私たち専門家と指導助手のトルクメニスタンにおける活動は、まだその緒についたばかり。ここから、トルクメニスタンの日本語教育を支援するために、“現実”を目の前にさまざまな取り組みを行っていくことになります。

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