北京日本文化センター 野口 裕子の写真1

“国際理解の「現場」としての面白さ”

キャリアパス
総務部人事課(2年)→日本語国際センター制作事業課(2年)→在上海日本国総領事館出向(3年)→日本研究・知的交流部アジア・大洋州チーム(2年)→育児休業(1年)→経理部会計課(5年)→日本研究・知的交流部アジア・大洋州チーム(3年)→北京日本文化センター

Q1.国際交流基金への就職を志した理由は?

公益的な仕事をしたいというのと、学んだ語学を生かしたいということが主な理由でした。

Q2.現在はどんな仕事をしていますか? 

主に日本研究や知的交流の促進に関する業務を担当していますので、本部の日本研究・知的交流部と連絡を取りながら、現地での連絡や情報収集を行うことが多いです。具体的には、なるべく多くの学術シンポジウム等に参加し、研究者や知識人の方々とお会いして、どのような事業が効果的かについての情報を収集し、企画につなげるように努めています。

 

そのほか、北京日本文化センターの運営に関する総務、経理、広報等の仕事もあります。総務や経理では、事務所が適正に運営されるよう、日々の各種手続を着実に行い、必要に応じて制度を改善し、それがスタッフの間で受け入れられるようにしなくてはなりません。また広報では、ウェブサイトやSNSなどによる広報のほか、自らが様々な場に出て当センターや国際交流基金のことを紹介し、人々に理解していただくことも重要な業務です

 
日中国交正常化45周年記念シンポジウムの写真
日中国交正常化45周年記念シンポジウムに参加

Q3.海外事務所で働く面白さ・むずかしさとは? 

日本に招いた中国人知識作家の本の写真
日本に招いた中国人知識作家の本(北京ブックフェアにて)

面白いのはやはり、国際交流の現場で事業やその成果を直接目にすることができ、多くの人々と知り合って情報やインスピレーションを得られるということだと思います。また、本部に比べれば比較的臨機応変に動けるということも、自分のアイディアを形にする上では魅力だといえます。

海外事務所で働く場合には、現地のスタッフと協力しながら、チームワーク良く働いていくことが必要ですが、日本の常識だけで判断していてはうまく協力していくことはできません。このような点は難しい点でもありますが、まさに国際理解の「現場」としての面白さがあるところでもあります。また、本部に比べて少人数で働くことになりますので、一人一人がより独立した能力を持ちつつも、互いに協力しながらチーム全体での能力を最大限に発揮していくことが必要です。特に北京日本文化センターは、大きな国土と人口を抱える中国全体を対象としていかなくてはならないので、チーム全体としての能力を最大化して事業に取り組んでいけるよう、日々考えています。

Q4.これまでのキャリアで、忘れられない仕事は? 

大規模イベントを扱う部署で働いた経験がないためか、忘れられない感動的なシーンというのはすぐに思いつきません。また、感動的なシーンに居合わせたとしても、自分が「黒子」でなくてはならないという意識が働いて、「今、自分が感動に浸っている場合ではない。」と抑制してしまう気がします。

ですが、日々の業務の中で触れる人々に美しい面を見て感動することはよくあります。日本や日本語が好きだと純粋に語ってくれる学生さんたち、教育に心血を注がれている先生方、よりよい社会や日中関係の実現のために奮闘されている方々、幅広い学問を収めてそれを素晴らしい人格として昇華されている大先輩など、素晴らしい方々と仕事を通じてお会いできたことは幸いなことであり、さらにその感動を分かち合える同僚と共に仕事に取り組んでいける幸せを感じています。

小さくても感動的なことに気づく心と、それを仕事として次の感動につなげていく日々の努力が必要ではないかと思います。

 
学術シンポジウムでの挨拶の様子の写真
学術シンポジウムでの挨拶

Q5.今後のビジョンは?

日本が将来にわたってある程度の繁栄と平和を維持するには、異なる文化に対する好奇心や柔軟性、寛容性を持ち、世界の人々と良きライバルとして切磋琢磨しながら共存していけるようにならなければならないと思います。

国際文化交流が一人一人にとって不可欠なものであると認識され、国際交流によって人々がより幸せを感じられる社会になるよう、微力を尽くしていきたいと思います。

就活生の皆さんへ 一言メッセージ

国際交流事業で扱う分野は幅広く、いつも勉強していなくてはなりませんが、新しいことを学ぶことに貪欲で、それをより良い社会を作るためにどんどんアウトプットしていこうという意欲のある方、ぜひ仲間に入ってください。