- キャリアパス
- 平成22年採用、政治経済学部卒
テニス、アメリカ留学(1年間)、海外バックパック旅行に熱中した学生時代を経て、国際文化交流の面白さを多くの人に伝えたいと考え、国際交流基金に就職。経理部会計課にて2年間の勤務後、現在は日本研究・知的交流部と青少年交流室の2部署を兼任。
学生時代の経験を通じ、世界の多様な文化や人との出会いに感動したりショックを受けたりして自分自身の世界観がどんどん変わっていき、異文化交流を通して人生が豊かになるのを感じていました。そんな国際交流の経験を自分以外の方にも持っていただきたい、国際交流を通じて世界と日本をより良くしたい、という想いから国際交流基金を志望しました。
最初の2年間は、経理部会計課にて調達や財産管理業務を担当しました。文房具等の消耗品の購入から国際宅配便の入札業務、本部ビルや職員宿舎の管理業務までを経験し、プロジェクト管理や経理の基礎を学べたことは、事業の現場に来た今も非常に役立っています。
その後は日本研究・知的交流部に異動し『キズナ強化プロジェクト』と題した東日本大震災復興支援事業を担当、被災地の復興状況や海外からの支援への感謝の気持ちを発信したり、「日米交流の担い手育成」を目的に、2,000名規模の日米青少年交流事業を実施しました。
「国際文化交流とニューメディアの今後」についての主催シンポジウム(写真撮影や記録をとっているのが私です)
青少年交流室は、特に次世代を担う日米の若者を対象に、日本の魅力発信、相互理解の深化、ネットワーク強化等を目的に、国際交流の機会を設けるKAKEHASHI Project
を実施しています。このプロジェクトでは、4,600人規模で日米の多くの若者に交流機会を設けることを目指し、様々なテーマでの青少年交流を実施しており、私は大学生交流やクリエイター交流(日本への招へい【PDF:96.6KB】
・米国への派遣【PDF:288.3KB】
)といった事業から、交流の際に役立つようなコミュニケーション・ツール(自己紹介カード兼グリーティングカード)の開発といった事業に携わっています。
大規模なプロジェクトですので、多くの協力機関と密接に連携しながら、交流の機会を多く設定し、相互理解が深まるよう意識してプログラムを設計しています。
「どうすれば、より良い国際交流の機会を生み出せるのか」。その答えは一つではなく、どこまでも追求できる問いなので、日頃から人に会ったり本を読んだりして、アンテナを張ってはいるものの、プロジェクト企画時はいつも悩みが尽きません。
しかし、自分だけで考えてもわからない時は、同僚や外部の専門家の方々に、積極的に相談するように意識しています。すると、「こんな事例があるよ」「あの人を紹介するよ」等周囲の人達のアドバイスや助けによって突破口が見えてくることが多々あります。日頃から支えてくれている周囲に感謝しつつ、自分のできることから周囲にお返ししていけたらと思って仕事をしています。
2年前に携わっていた『キズナ強化プロジェクト』にて、被災地の高校生約150名を米国の西海岸に派遣しました。初めて海外に行く学生が多く、みな英語でコミュニケーションをとれるかどうか、という不安や期待を抱えて旅立ちますが、旅の終わりに、ホストファミリーや2週間一緒に案内してくれたアメリカ人ガイドと離れる際、別れを惜しんで泣く子も少なくありませんでした。
それを見たとき、私は自分の国際交流の原点を思い出し、深いやりがいに包まれたのを覚えています。(私自身、英語が苦手な高校生でしたが、修学旅行で行った北京で中国の人と友達になり、国際交流の楽しさに目覚めました。)
プロジェクトに関わった人が、その国に対して理解を深め、誰か一人でも友達ができた時、その友達をきっかけにその国への考え方が大きく変わっていく、そのような機会を提供できることは大きな醍醐味です。