映像事業部テレビ放送チーム・映画チーム 洪 静華の写真1

“国内外の人々の視野を広げるため、また日本への関心の扉を開くための「種まき」”

キャリアパス
日本語国際センター教師研修チーム(約2年)→映像事業部テレビ放送チーム・映画チーム

Q1.国際交流基金(JF)への就職を志した理由は?

学生時代にさまざまな国際交流活動に参加したのですが、そこで感じたのが「国際交流は、国と国の関係ではなく人と人の関係だ」ということでした。ネットに溢れている先入観や偏見は、人と人が交流する中でそもそも関係のないものだったり、あるいは互いの価値観がアップデートされてフラットになったりもするのだと、頭で理解するだけではなく実感することができました。

そしてわたし自身も国際交流を通じて、自分の持つ中国ルーツへのイメージをネガティブなものからポジティブなものに変えることができ、視野が広がって色々なことにチャレンジできるようになりました。そうした経験から、「日本と海外をつなげることで国内外の人々の視野を広げ、多様性のある社会を作っていきたい」という軸で就職活動をし、その中でも人の視野が広がる直接のきっかけになる「中身づくり」に携われるというのが決め手で、国際交流基金への就職を志望しました。

Q2.現在はどんな仕事をしていますか?

共同制作番組のナレーション収録の写真
共同制作番組のナレーション収録やロケに伺うことも

映像事業部テレビ放送チームで、海外のテレビ局へ日本の放送コンテンツを提供する業務に携わっています。

担当業務は、国内テレビ局・制作会社や海外テレビ局等との番組提供契約締結から、放送許諾申請、素材送付までの一連業務となります。国内は、アニメ制作会社や準キー局、地方局など8つのコンテンツホルダーを担当し、番組提供のための契約書制作や、放送素材発注のための作業などを行っています。海外は、中東・北アフリカ・北欧エリアの14か国を担当し、各国の大使館担当者を通じて、海外テレビ局との契約取り付けや放送スケジュール確認、先方からの依頼事項への対応を行っています。こうした既存の番組提供業務に加え、制作会社と新規の番組を共同制作する案件も進めていて、契約締結作業のほかに番組の制作現場へ伺うこともあります。

また映画チームの業務も兼任し、「オンライン日本映画祭」に関するマーケティングや広報なども担当しています。日本映画ニュースの記事に関するとりまとめや、映画祭のトレーラー制作、SNS広報など、テレビ放送チームとはまた毛色の違う業務ですが、映画チームの皆さんから日々学びつつ業務を進めています。

共同制作番組に出演くださった庭師・村雨辰剛さんとの写真
共同制作番組に出演くださった庭師・村雨辰剛さんと

Q3.JFで働くやりがいとは?

「人々の視野を広げるための種まきをしている感覚を得られる」、「人がつながる場を作り、ネットワーク形成の手助けをできる」というのが現時点でのわたしのやりがいです。

1部署目では、日本語教師研修の事務担当をしていたのですが(詳細はQ4にて)、研修参加者の模擬授業などを参観すると、今自分がやっている仕事が、ひいては海外で日本語を学んでいる人たちにつながっているのだと感じました。以前の研修参加者が各国大使となって日本に戻っていらしたり、現地の日本語教師会会長になったりという話を当時よく聞いており、いますぐに何かが変わることはないかもしれませんが、こうした「種まき」の取り組みによっていつか花咲くときが来るのだと思っています。

日本語国際センターにて。世界32か国から集まった研修参加者たちとの写真
日本語国際センターにて。世界32か国から集まった研修参加者たちは、研修後もつながりが続いています。

またその研修で担当したヨルダン出身の方に、2部署目であるテレビ放送チームで提供した番組(ドラマJINとアニメちびまる子ちゃん)を現地で観てもらうことができ、周りの方にも勧めてくれたという話を聞いたときは、1つの事業で完結するだけでなく、こうして別の事業でもつながることができ、とても嬉しく思ったのを覚えています。そのヨルダンの方自身も、日本に興味を持ったきっかけが現地テレビで放送されていた日本の番組を見たことだったそうなので、今の日本の放送コンテンツを海外へ提供する業務も日本への関心の扉を開く「種まき」なのだと感じます。

そして、日本語教師研修中に実施した市民交流会や文化体験プログラムによって、世界中の人が日本語教育を通じてつながったことも実感し、嬉しく思いました。またテレビ放送チームや映画チームでの業務でSNSを見ていると、日本のドラマや映画好きの方が、事業を通じてオンラインでつながっている様子を見ることもでき、オフラインオンラインかかわらず、つながりを作る手助けをできていることにやりがいを感じます。

Q4.これまでのキャリアで、忘れられない仕事は?

最初の部署で担当した「海外日本語教師基礎研修(以下基礎研修)」の事務局の業務です。

JFは多くの事業が海外で行われているため、なかなか国内部署で「国際交流の現場」に居合わせることは少ないといわれるのですが、幸いにも新卒で入ってすぐに国内での現場最前線のひとつである、日本語国際センター教師研修チームに配属されました。基礎研修は、海外で日本語を教えている現地の日本語教師を半年間日本へ招へいし、日本語運用力の向上、基礎的な日本語教授法の習得、日本理解の深化という3つの目的を柱に構成されるプログラムです。

研修参加者の皆さんとの写真
記念写真撮影のあとに。日々研修参加者の皆さんと接していた期間中は忙しくも充実していました。

担当業務としては、査証(ビザ)・フライト手配、日本語教育専門家とのプログラム構成協議、文化体験プログラム各種手配、そして来日後の生活支援などでしたが、一番記憶に残っているのが、研修に参加した研修参加者との関わりです。若手教師向けのプログラムということもあり、日本に来るのが初めてという方も多くいたため、まず生活支援のためにさまざまな説明や同行が必要でした。一緒にいる時間の中で、研修参加者の皆さんがどのようなきっかけで日本語を勉強し、先生になろうと思ったのか、今どんなことで悩んでいるのかなどを聞くことができ、さまざまな想いをもって日本語を教えている人たちが世界中にいるのだ、と日本にいながら肌で感じることができたのが日本語国際センター時代最大の収穫だったと思います。

研修期間中は自分の想像を超えるトラブルが何度も起き、文字通り「忘れられない」出来事もここでは書き尽くせないほど多くあります。今振り返ると笑い話になるものもありますが、当時は必死に対応していました。こうした経験を通じ、研修の終わりごろには、「何が起きてもきっと対応できる」という度胸がついていました。

Q5.今後のビジョンは?

現在は日本を世界の方々に伝える事業の担当が多く、もちろんそれはそれで面白く、意義深いと感じています。特に映像コンテンツ関連の可能性はまだまだ広がりがあると感じるので、今後も携わり続けたい分野ではあります。ただ交流は双方向のものである、とも思うので、双方の国の人々がお互いに対する理解を深めるような人的交流事業、あるいは日本に内在するグローバル化を意識した多文化共生的な事業など、お互いの価値観や意見を対話させる性格の事業もいつか担当してみたいと思います。

JFは勉強熱心な方が多く、自主的な読書会や勉強会などが開かれることもあり、わたしも目の前の業務だけでなく、自分が持つ問題意識などに関して勉強を続けていきたいです。

就活生の皆さんへ 一言メッセージ

目の前に広がる選択肢はたくさんあると思いますが、現時点での自分のやりたいこと、作っていきたい世界はどんなものなのか、掘り下げてみるのが一番大切だと思います。またどんな組織にも自分にとって魅力的な面と課題に感じる面の両方があるはずなので、それをできる限り知ったうえで納得のいく選択をしていただけたらと思います。