「エリン」について


エリンについて

「エリンが挑戦!にほんごできます。」は、2006年6月にテレビの語学番組からスタートし(NHK教育テレビで放送(注))、その後、世界のさまざまな国・地域でも放送されてきました。
2007年には全3巻のDVD教材(凡人社)が発行、2010年にはWEB版が公開、その後2020年8月にコンテンツライブラリーに移行し、さまざまなメディアを通じて展開し、世界中の日本語や日本文化に興味がある多くの人々に活用されています。

(注)NHK教育テレビでの放送は、2011年3月に終了しました 。


教材のコンセプト

若い学習者に向けた映像教材

「エリン」は、おもに若い学習者を対象に制作された日本語映像教材です。これは、国際交流基金が実施した「海外日本語教育機関調査」によると、海外の日本語学習者のうち、半数以上が初等・中等教育機関(日本の小学校・中学校・高等学校に相当)に在籍していることから、そのような若い世代の学習者が、映像を通じて楽しみながら日本語を学ぶことを目指して制作されたためです。
また、若い学習者が興味を持つトピックや日本の高校生たちの実際の日本語使用などについても調査を行い、そこで得られた意見や要望も積極的に取り入れました。

・言語学習・・・「Can-do」を中心とした構成

この教材の中心は、スキット(言語学習のためのミニドラマ)です。日本の高校に留学中の「エリン」が、学校やホームステイの家、町の中などで日本語を使っていろいろな体験をします。はじめはあまり自信がなかったエリンも、友達やホームステイ先の家族などさまざまな人とのふれあいを通して、だんだん自信をもって日本語を話すことができるようになっていきます。
スキットは、エリンのように海外から日本にきた人が遭遇するであろう25の場面を設定し、できるだけ実際に使われている「本物に近い日本語」を取り入れることを重視しました。
日本語を使ってひとつひとつのコミュニケーションが達成できる(Can-do)ようになることを目標としています。

シラバス一覧
Can-do 場面・トピック
1 はじめてのあいさつ 教室
2 おねがいする 学校
3 ものをさす
4 場所をきく コンビニ
5 時間を言う
6 ねだんをきく バス
7 しゅみを話す 友だちのへや
8 注文する ファーストフード
9 今のことを話す 習い事
10 きょかをもらう ファッション
11 じゅんばんを言う 温泉
12 友だちと話す 部活
13 やり方を聞く
14 よそうを言う 携帯電話
15 きぼうを言う 祭り
16 説明する けが・病気
17 はんたいのことを言う 授業
18 くらべて言う 100円ショップ
19 理由を話す アルバイト
20 けいけんを話す 修学旅行
21 きそくをきく 余暇
22 こまったことを話す トラブル
23 友だちをさそう 遊園地
24 へんかを言う 文化祭
25 気持ちをつたえる 別れ

シラバスの詳細は、こちらをご覧ください。
言語項目シラバス【PDF:135KB】 / 映像項目シラバス【PDF:157KB】

異文化・多文化理解・・・豊富な日本の映像

言語学習と文化理解は、密接に結びついています。特に若年層の学習者を対象とする本教材では、さまざまな日本文化の映像を通じて、日本語の運用力だけでなく、文化に対する理解を促進することを目指しています。本教材は日本文化を見せるだけでなく、学習者自身が自らのもつ文化と比較したり、文化の背景にあるものを考察するきっかけとなったりするよう工夫されています。


教材の特徴

ドラマ風のスキット

エリンドラマ風のスキットの写真 スキット(基本スキット・応用スキット)は、若手人気タレントが出演し、ドラマ風に構成されています。 基本スキットは、日本の高校に留学したエリン(豊田エリー)とそのクラスメイトである咲(倉科カナ)、めぐみ(石井めぐる)の日々を描いた場面が中心となります。各回のスキットを通じて、エリンが日本語でできることが一つずつ増えていきます。 応用スキットは、咲、めぐみとその友人である健太(夕輝壽太)、薫(石黒英雄)との関係を中心にストーリーが展開します。ここでは、日本人どうしのより自然な会話の様子を見ることができます。

アニメキャラクターの登場・解説

エリンアニメキャラクターの写真 世界中で日本のアニメや漫画の人気が高まっていますが、アニメや漫画は、本教材が対象とする学習者層の日本語学習の動機の一つにもなっています。
本教材は、CGによるアニメキャラクターを用い、スキットに登場するキーフレーズについての解説や、各コーナーの紹介は、これらのCGアニメキャラクターが行います。先生の役割を果たす「ホニゴン」、ホニゴンに教わり日本語を学ぶ「エリン」(スキットに登場するエリンと同一人物)、エリンの学習を助けるデータロボット「N21-J」が登場します。
親しみやすいCGアニメキャラクターが解説を行うことによって、共感をもって学習してもらうことを目指しました。

世界中の仲間・先輩が日本語学習を応援

テレビ版とDVD教材には、世界12か国で日本語を勉強したり日本語を使って仕事をしている人々を紹介する映像「世界に広がる日本語」が収められています。特にDVD教材第3巻には、特典として日本の高校生10名のそれぞれの興味や関心ごと、将来の夢などを紹介する映像「日本の高校生」があります。
これらの映像は、ほかの国・地域の日本語学習者などの存在を知ること、日本や日本語への関心をより高めることで、学習の励みとなったり新たな目標設定につながったりすることをねらいとしています。